あすなろ三三七拍子 (2014年7月期・フジTV・火曜22時枠) 原作 - 重松清『あすなろ三三七拍子』 脚本 - 吉田紀子、ふじきみつ彦 音楽 - 大友良英 演出 - 土方政人、植田泰史 主題歌 - スピッツ「愛のことば-2014mix-」 編成企画 - 水野綾子 プロデュース - 小林宙 第1話 重松清の名作ついにドラマ化!中年会社員応援団に出向の悲劇 -------------------------------------------------------- 藤巻家の主・大介は娘・美紀が彼氏を自宅に連れて来るという ことで、バーベキューを行おうと考えていた。美紀にとって 相応しい人物かどうか、バーベキューを通してその人の人柄を 知る事が出来るのだという大介。大学生が附属の女子高校生と 付き合おうなんてとんでもないことだと大介は反発していた。 その頃、世田谷商科大の応援団OBたちは、権田を中心として、 荒川剛が過去のOBを集めて決起大会を行う。 現在では世田谷商科大という名前は消えて砧女子大と合併し 翌檜大学として生まれ変わったのである。それ以来我が応援団 も凋落し、本年度の新入団員は山本だけだった。しかもそれ彼 も3月に卒業することになり、団員は一人もいなくなったので 有る。第38代団長・齊藤と副団長の山下は、荒川の頼みの下、 なんとかして応援団の立て直しを図ろうとしていた。 一方美紀の彼氏である翔がやってくるが、外は雨が降り、結局 バーベキューをすることは出来なかった。寿司を取ってビール を飲み交わすことになる。美紀の彼氏は金髪でピアスをして、 大人に対する敬語の一つも取れない今時の若者だった。 しかも会話を聞いている内に、母親・広子とは何度も面識が有り 風呂にまで入っていた形跡が有った。 大介は翔がまるで気の聞かない男だと分かるが、せめて酒を 飲み交わそうとする。しかし翔は酒もタバコもやらないと言われ てしまう。将来はどう考えているのか?と問うが、ヘラヘラと して大した考えも持っていない人物だった。 -------------------------------------------------------- 世田谷商科大の応援部のOBたちは、大学が女子大と合併した ことで大学が無くなるばかりか、応援団の団員さえもいない 状況を憂いでなんとか再生しようと考える。 かつて団長を務めたエール物産の社長の荒川剛は、リストラ社員 候補の一人として名前が挙がっている藤巻大介に再生を托す 為に会社からの出向という名目で応援団に入部させる。 応援団は通常3つに分かれて構成されており、指導部、チアリーダ ー部、吹奏楽部が有るが、吹奏楽部は応援活動は一切せず、 演奏だけに活動を集中したいと語る。 昔ながらの応援団部に思いを馳せるものたちが、名残惜しさから その部をなんとか継続・存続させたいと考えて、OBたちが集結 してその案を練る。まるで応援団とは関連のない藤巻大介が 先頭を切って、応援団再生の為に奔走する。 硬派な応援団が現代社会の風潮なり若者の生活態度と戦いつつ、 共栄共存を図っていくというものなのかな。 互いに歩み寄る必要があるということは、大介と娘の彼氏・翔 との関係の中でも見られるものだけど、更に広義のものとして 大学に於ける応援団の立場というものを固守していこうとする 流れがあるようだ。 "気合い"とか"男気"とか、精神論が語られることへの古さを 感じつつも、それが寧ろ今の時代に求められている部分がある という事を示すことが出来れば人も付いてくるハズであり、 共感されるものが無ければ自然に淘汰されるというのが世の中で 有る。 どれだけのことを大介ら率いる応援団がそれらを若者の心に 響かせていくのか。 状況として不利なものは、大介本人は昔気質の父親としての 信念を持ち合わせているけど、応援団とは何の関係性もない状況 からのスタートであること。応援団としての確固とした信念を 持つものと違って、今の立場に固執する理由は、会社をリストラ されたくないという状況であり、社長といえども殆どパラハラ 状態で無理矢理大介を追い込んでいる印象も有る。 正直一話目を見た状態では面白さは感じず、グダグダとした流れ の中、保阪翔というまさに人類に於ける父親の敵のような 男との出会いによって、苛立たせるばかりの展開だったという こと。 男気を見せて応援団の学ラン姿などがもう少し輝いて見えれば 良かったのだけどね。ちょっとインパクトに欠けた一話目でした。 藤巻大介 …… 柳葉敏郎 (エール物産総務部課長) 松下沙耶 …… 剛力彩芽 (学生・フェミニズム論) 保阪翔 …… 風間俊介 (学生、美紀の彼氏) 葉月玲奈 …… 高畑充希 (第58代副団長。チアリーダー部部長) 野口健太 …… 大内田悠平 (文理学部1年生) 藤巻美紀 …… 飯豊まりえ (大介の娘。翌檜大学生) 藤巻広子 …… 菊池桃子 (大介の妻) 荒川剛 …… 西田敏行 (応援団OBで第15代団長。エール物産社長) 原智子 …… 森口瑤子 (フェミニズム論研究室准教授) 山下正人 …… ほんこん (第38代副団長。サニー損保営業所所長) 齊藤裕一 …… 反町隆史 (第38代団長。三つ葉社営業部社員) 園田善彦 …… 山本涼介 (吹奏楽部部長) 江本慎也 …… 塩野瑛久 (京浜学院大学応援団団長) 真由美 …… 内藤理沙 (広子のパート仲間) パン屋主人 …… 藏内秀樹 () 小泉紫乃 …… 長谷川ニイナ (チアリーダー部サブリーダー) 権田勝利 …… ミッキーカーチス (歴代応援団をまとめる重鎮) 俵木藤汰、松永英晃、花ヶ前浩一、森田甘路、倉田あみ、児玉絹世 和田麻菜、伊藤未希