あすなろ三三七拍子
(2014年7月期・フジTV・火曜22時枠)

原作 - 重松清『あすなろ三三七拍子』
脚本 - 吉田紀子、ふじきみつ彦
音楽 - 大友良英
演出 - 土方政人、植田泰史
主題歌 - スピッツ「愛のことば-2014mix-」
編成企画 - 水野綾子
プロデュース - 小林宙





第9話 人を応援できる人は人からも応援される
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アスナロ大の野球部が順調に準決勝へと進み、ケイガクと対戦
することになっていた。応援団としても盛り上がる中、チア部
の玲奈は吹奏楽部の園田善彦さえ協力してくれればチア部も
スタジアムで応援できるのだという。
そんな中沙耶はゼミと応援団の両立は出来ないのでセミの方を
辞める事を告げる。どっち付かずは私の主義ではないという
沙耶を見て翔は竹を割ったような性格だと語る。

大介は園田の元にいくと、野球部のために吹奏楽が一日だけ
でも応援に来てくれないかと頼む。園田は何故野球部のために
必死になれるのかということを大介に質問する。所詮は人ごと
ではないのかと言われるが、大介は単純な嬉しい事を語る。
応援する選手が成長して輝いている姿を目撃していくこと。
そんな彼らを応援することで逆にエネルギーをもらっていること。
誰かの為に役に立っていると思えるのだという。園田は応援団
の純粋な気持ちは理解したし、時に応援団が懸命に応援する
姿に胸を打たれたこともあるが、その日はコンテストの日なの
で物理的に無理だと言われる。
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大介たち応援団はアスナロの野球部が勝ち進んでいることに
盛り上がる中、沙耶は団とゼミの両立は私の主義ではないとして
団を優先し、ゼミを辞めようと考える。
チア部たちもなんとかしてケイガクとの対決ではスタジアムで
応援したいと考えるが、吹奏楽部の協力がないことにはどうし
ようもなかった。大介は吹奏楽部の園田を接触する中、応援団の
大介には危機的状況が訪れていた。

仲間の為に団の存続の為に、誰に言われた訳でもなく自分達の
本心で動き出すということで、団に対するそれぞれの思いが
伝わり、周りで言われている程に、酷い集団ではないし、寧ろ
なんのクラブ活動もせずダラダラと大学生活を送っている人たち
に対して、こういう形で人間関係を築く方法があるということを
示す流れが有った。

低視聴率によってドラマは削られてしまった格好のようで、
原先生の心変わりの様子とか、園田の心変わりの様子みたいなもの
に言及する為のエピソードがごっそり抜けてしまった感じもする
けど、それでも寧ろ上手く編集している方ではないのかなと。

最初は嫌っていた学ラン姿に関しても、馴染んできた頃には
団の魂だと思えるようになっているし、また変なおっさんが大学に
いて学ランでいるという光景も日常的姿になって、打ち解け会う様に
なっていたという下りも、人間の行動心理的流れを無理せず
築いていった格好だと思う。

何よりもライバル校であるケイガクがまたアスナロの応援団の
存続の嘆願書に参加してくれたことも嬉しいものが有ったし、
最初に大介が入部した際には誰も耳を傾けてくれなかった場所で
今度は人が集まり、応援してくれている姿が有るなど、上手い
見せ方だったね。

視聴率だけがついてこなかったのが残念なドラマだった。


藤巻大介 …… 柳葉敏郎 (エール物産総務部課長)
松下沙耶 …… 剛力彩芽 (学生・フェミニズム論)
保阪翔 …… 風間俊介 (学生、美紀の彼氏)
葉月玲奈 …… 高畑充希 (第58代副団長。チアリーダー部部長)
野口健太 …… 大内田悠平 (文理学部1年生)
藤巻美紀 …… 飯豊まりえ (大介の娘。翌檜大学生)
藤巻広子 …… 菊池桃子 (大介の妻)
荒川剛 …… 西田敏行 (応援団OBで第15代団長。エール物産社長)
原智子 …… 森口瑤子 (フェミニズム論研究室准教授)
山下正人 …… ほんこん (第38代副団長。サニー損保営業所所長)
齊藤裕一 …… 反町隆史 (第38代団長。三つ葉社営業部社員)
園田善彦 …… 山本涼介 (吹奏楽部部長)

江本慎也 …… 塩野瑛久 (京浜学院大学応援団団長)
真由美 …… 内藤理沙 (広子のパート仲間)
パン屋主人 …… 藏内秀樹 (広子がパートで働いている)
小泉紫乃 …… 長谷川ニイナ (チアリーダー部サブリーダー)
渡辺哲治 …… 一ノ瀬ワタル (京浜学院大学応援団団長)

俵木藤汰、松永英晃、奧野瑛太、松本ししまる、和田三四郎、
森田祥子、和田麻菜、伊藤未希



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