僕のいた時間 (2014年1月期・フジ・水曜22時枠) 脚本：橋部敦子 プロデュース：橋本芙美・江森浩子・元村次宏 編成企画：中野利幸 演出：葉山裕記、城宝秀則 第5話 前を向き生きる覚悟僕は負けない！ -------------------------------------------------------- 拓人は恵と幸せの絶頂の中、突然別れを切り出す。 その事を知った繁之だが、同時に拓人がALSという難病にかかっ ている事を知る。恵には話したのかと問うが、話す必要は無い として立ち去る。 拓人は守と一緒に食事をする中、恵との件は深くは問い詰め なかった。拓人の左手が益々容体が悪化していることを知って 大丈夫かと尋ねると、拓人はALSについて詳しく書かれている インターネットサイトを守に見せて、自分はこの病気だった 事を語る。親にも言っていないという事を知って、医者の両親 には話した方が良いのではないかというが、治せる病気ではない ので話しても無駄だという。恵には話したのかと問われ、絶対 に知られたくないのだと語る。 恵と繁之はディナーを取る。 恵は朝ウォーキングを始めたことを語ると、繁之は自分も ウォーキングをしたい事を語る。一人では無理なので一緒に やることになる。 翌朝、会社前に繁之と恵は一緒にウォーキングをする。 恵の自宅前で繁之は、恵の母・翔子と面会した為に紹介し合う。 恵は繁之が大学の先輩であることを説明する。 翔子は朝食の際に最近ヤケにイケメンと縁があるのではないか と告げ、私は拓人くんがタイプだと言う。しかし恵は振られた ので仕方が無いという。母と会った日に振られたという事を 知り、どういう事を拓人と話したのかと問うが、母は父のこと を聞かれたくらいだという。恵は既に終わった事だとして、 割り切っている事を語るる -------------------------------------------------------- 拓人はALSの症状が進行するに対して、愛する彼女・恵に迷惑を かけたくない思いから何も言わず別れを求める。 恵としては中途半端な気持ちで現実を受け止めるしかなく、 優しく接してくれる先輩・繁之との関係に於いても中途半端な 状況が続く。 なんだかんだ言って水曜日のドラマはこのドラマが一番落ち着いて みる事が出来るな。 もちろん悲しみのゴールに向けたドラマなので、辛いことは請け合い だろうけど、演出やドラマのテンポなどを見ても視聴者の見やすい 形で心に響いてくるところがとても上手く描かれている。 橋部敦子さんのシナリオは、大別すると北川悦吏子さんの目指すべき 流れと通じているところが有るな。 以前にも書いたけど、このドラマに於ける一つの肝は拓人の病気の 事実を主要人物たちにどのように伝えていくのかにかかっている と思うので、一気に親友、母親、職場の人たちに伝えていく流れ は、豪快かつ興味深いところに繋がっていた。 他人から見るとまだまだよく実感出来ないところも有るのだろうけど 今後少しずつ彼が彼として失われていく際に、どのようにして 接していくのかにかかっているのかも。 恵に事実を伝える流れをボトルの中身に込めて伝えると思って いただけに今回、既にボトルを掘り出してしまっている辺りはちょ っと意外に思えた。拓人があのボトルの中に恵への謝罪みたいな メッセージを込めて再度海岸に埋め直しに行き、後々恵がその中身 を見て拓人に起きていることを知るのかなと想定して見ていた。 これまで散々存在を無視してきた母親には、この事実はどう伝わる のか。散々卑下していた弟にはどう伝わったのか。ねたみの対象 とされていた派遣の上司にはどう伝わったのか。 少しずつ今まで出来ていた行動などが制限されていく辛さというの は、PD持ちな私としては凄く伝わってくるものが有ったな。 カミングアウト出来ないみたいなところなど 辛辣なドラマの影で進行しているごく普通のカップルの代名詞と なっている陽菜と守のエピソードとの対比がまた、拓人にのしかかる 現実を鮮明に浮かび上がらせている。 澤田拓人 …… 三浦春馬 (22歳、就職活動中の大学4年生・ALS・宮前家具) 本郷恵 …… 多部未華子 (22歳、拓人の同級生) 水島守 …… 風間俊介 (22歳、拓人の同級生) 向井繁之 …… 斎藤工 (24歳、拓人の2年先輩、大学院、怪しい) 村山陽菜 …… 山本美月 (恵の友人、ヒナって自分で名前を言う子) 澤田陸人 …… 野村周平 (拓人の弟・医大に合格する、恐竜好き) 谷本和志 …… 吹越満 (拓人の主治医) 本郷翔子 …… 浅田美代子 (恵の母、彼氏が出来たら連れてきなさい!) 澤田美和子 …… 原田美枝子 (拓人と陸人の母、弟にだけ期待している) 宮下正樹 …… 近藤公園 (拓人の上司) 池田光波、河原健二、土井きよ美、羽田真、竹尾一真 橋野純平、森見春菜、阪東正隆、最所美咲 評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)