僕のいた時間
(2014年1月期・フジ・水曜22時枠)

脚本:橋部敦子
プロデュース:橋本芙美・江森浩子・元村次宏
編成企画:中野利幸
演出:葉山裕記、城宝秀則





第7話 動き出す二人の時間抱きしめたい!!
--------------------------------------------------------
別れたハズの二人、拓人と恵はついにサッカーをしている
拓人の姿を見て、遭ってしまったねと語る。拓人は実は俺は
ALSで恵と別れた後に発覚したことだと語る。
恵は拓人がALSだったことにショックを受け、繁之と共に
新しく同棲しようとしていた部屋で一人落ち込んでいた。
繁之も部屋にやってくる中、自分は出来るだけ早くここに
引っ越ししたいが恵は結婚してから引っ越ししてくるのかと
問う。恵は繁之が引っ越しする日に自分も一緒に入居する
事を語る。

拓人と陸人は食事を取る中で、陸人は以前拓人に言われた事
を思い返していた。陸人は拓人の忠告に対して嫉妬している
と馬鹿にしてしまったがひがんでいたのは自分だと語る。
拓人は幼い時からピアノや塾、医者になる道などを諦めても
沢山の友達がいるし、病気になっても自分で楽しめるものを
見つけられてとても強い人だと語る。しかし拓人は自分は強く
など無い事をつげ、人生は変わってもらえないのだから
しょうがないのだと語る。
そんな中拓人の元に母から電話が鳴り、日曜日に父と共に
アパートにいく事を告げる。

恵は引っ越しの準備のために洋服のタンスを整理していると
三年前に拓人から借りていた真っ赤なマフラーが出てくる
のを見つける。いつか返そうとしていたマフラー。

そんな恵の元にヒナから電話が鳴り付き合って欲しいのだと
いう。最近守が私の言うことを聞いてくれなくなったことを
つげ新しい女性でも出来たのではないかというものだった。
一緒に尾行を手伝わされる中、なんと守は車イスの拓人に
会いに来ていた事を知る。そこで初めて全員に択人の病気の
事実が知らされたことになる。
--------------------------------------------------------
ついに拓人がALSを発症していた事実が大学時代の友達全員に
伝わってしまう。一番衝撃を受けたのは恵で、何故彼が三年前
に突然別れを切り出したのか察していく事になるが・・・

裏で放送している明日、ママがいないもそうなんだけど、
ここに来てこのドラマの持つ興味深い全てのネタを披露して
しまった形で、今回がドラマとしてのピークを迎えてしまったので
はないかと思わせる程だった。

3年前に何故拓人が恵と別れを切り出さなければならなかったのか。

拓人の当時の言動を思い出しては、その整合性を図り、当時違和感
を感じていた数々の真意をくみ取っていくという作業を繰り返した
内容で、拓人が恵の為に別れたことの全て意味なり、当時の気持ち
の全てを伝えきった感じ。
ドラマとしては、その真意を知りつつも現実の流れが重くのしかかり
止められないものとして存在していく。

折角冷たく突き放して別れたのに、ウソでも優しくされると、拓人
にとっても恵にとっても辛い現実が待ち受けていそうだ。
気持ちの区切りを付けていたと思ったけど、実際には区切りを
つげざるを得なかったこと。その流れが全て拓人の作為的流れによっ
て引き起こされていたという事実を知って、恵としてはどう感じる
のかというところがポイントか。

一番複雑なのは、それらを見守っていた恵の母・翔子だろうか。
この手のドラマだと、本人以外に気持ちをくみ取り、全ての真意
を客観的に眺めている翔子のような存在が、その後の展開に影響
を及ぼし後押ししていくことも多いので、キーマンとなりそうだ。

繁之がまた恵のことを両親に紹介していないところだったり、
まだ結婚に関しては具体性を帯びたところに繋がって居ないところ
は、色んな意味で伏線的なものがあると思うが、今後は散りゆくもの
の気持ちに感情移入するのか、それとも残されるものの気持ちに
感情移入するのかどうかで、ドラマとしての感じ方も変わって
きそうな内容である。

海に埋めたボトルの流れとか、拓人が別れてから病気が発覚した
というウソを付いていたこと。繁之は拓人の病気の事実を知って
話さずにいた事。
借りたマフラーを巡り、当時の状況とは違う二人の立場・現状と
いうのが、切なく写るドラマだった。
「アレ」が食べたいというだけでカラアゲに結びつくなんて
凄いことだし、拓人のしたいと思っている事を恵がしてしまう
ところなど、拓人にとっては希望として描いていることを具現化
させてしまうことで、次の目標みたいなものを失ってしまった感じ
もして、何とも嬉しい反面、酷な話になってきたね。


澤田拓人 …… 三浦春馬 (22歳、就職活動中の大学4年生・ALS・宮前家具)
本郷恵 …… 多部未華子 (22歳、拓人の同級生)
水島守 …… 風間俊介 (22歳、拓人の同級生)
向井繁之 …… 斎藤工 (24歳、拓人の2年先輩、大学院、怪しい)
村山陽菜 …… 山本美月 (恵の友人、就職は諦めた!、ヒナって自分で名前
を言う子)
澤田陸人 …… 野村周平 (拓人の弟・医大に合格する)
谷本和志 …… 吹越満 (拓人の主治医)
本郷翔子 …… 浅田美代子 (恵の母、彼氏が出来たら連れてきなさい!)
澤田美和子 …… 原田美枝子 (拓人と陸人の母、弟にだけ期待している)

宮下正樹 …… 近藤公園 (拓人の上司)
今井保 …… 河原健二 (ALS患者、拓人の友達)
本郷の父 …… 桜井聖 (他界している)
佐藤 …… 岩橋道子 (介護ヘルパー)

河原健二、羽田真、竹尾一真、高石舞


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


inserted by FC2 system