僕のいた時間
(2014年1月期・フジ・水曜22時枠)

脚本:橋部敦子
プロデュース:橋本芙美・江森浩子・元村次宏
編成企画:中野利幸
演出:葉山裕記、城宝秀則





第10話 最後の日記
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拓人は恵と暮らしたい・・・ずっと一緒にいると宣言する。
恵の母・翔子は恵の無責任な行動を非難するが、美和子は二人
に説得され、恵に対して頭を下げる。
一緒に住むことになった二人。恵は荷物を取りに実家に戻ると
翔子からは二度とこの家に戻らない覚悟が有るのならば行きな
さいと言われ、恵はただ謝罪するしかなかった。
その日の夜から一緒の部屋で寝ることになる二人。
拓人はノートに目標が医学部の入学にあるということを記載
する。

翌日、恵の服を入れる為に拓人のタンスを整理すると、恵は
いつものように仕事にいく。
その間、拓人は医大への入学の為に勉強を初め、陸人に勉強を
教わる。"そんな事も分からないの"という陸人の行きすぎた言動
に対して悔い改めさせる拓人。
恵が帰宅するとリヒバリを名目にゲームをしてその日の手帳には
メグと一緒に沢山笑ったと記す。
二人は布団の中で幼い頃の思い出を語り合う。
駄菓子屋の話になると、拓人は麦チョコが好きだったと語り、
恵はイカフライの煎餅が好きだったという。ある時10円で購入
したイカフライが購入した後に賞味期限切れであることを知り
気の優しい店主にも話すことが出来ず、お腹を壊すことを恐れて
て母に話したところ、母は私が食べてあげると言って食べられ
たと語り笑い合う。
休みの日には二人でシャボン玉をふくらませて遊び、そして
一緒に走って風を感じる。

守と陽菜は結婚式の日取りが決まり、拓人たちに報告に来る。
新婚旅行には湯布院の温泉に行く事を告げると、拓人と恵も
かつて行った草津の温泉を思い出す。
スミレちゃんがやってくると、勉強を部屋で行う事になる。
拓人は守と陽菜に対して自分も勉強して医学部を目指すことに
したと話すと、一瞬その場が固まり、陽菜はあまりにむごい
現実に部屋を出た後に涙する。
スミレは自分も拓人のようにハッキリとした目標が出来れば
勉強にも身が入るのかと告げる。
そんな中、陸人がやってくるとホームセンターでアルバイト
することを考えていると語る。なるべく人との関わり合いを
避ける職場を選んだが、それでも最低限の人間関係は有り、
自分の発言によってどう思われるのか不安である事を語る。
拓人は自分が職場で病気になった際に告白したときの心境を
語り、弟にアドバイスをする。
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拓人と恵は一緒に住みなるべく寄り添って生きていきたいと
感じる。しかしそうしている間にも拓人は筋力を失い、やがて
呼吸筋の機能不全によって、人工呼吸の補助の問題についても
話合うべき時がくる。

ドラマとしてはここからが本質的なところなのだろうけど、
エンターテイメント的に言えば完全にドラマとしての面白さの
ピークは過ぎているので、ややモチベーションとしては低いもの
が有るのだけど、現実的な問題に対して、どれだけ真摯に向き合う
ことが出来るのか。

拓人の中での鬱積した気持ちというのが色んな人生の決断に於いて
現れており、改めて患者本人の気持ちと、その患者を見守る家族
の気持ちの違いに焦点が当たっていくものがある。

今まで自分の感情を押し殺してきたであろう拓人の中から本音で
心の叫びを吐露するシーンとか、悪役化していた繁之の中でも
本音が語られることで、いよいよドラマとしてはそれぞれの
キャラクターたちが丸裸になってきた感じ。

一番良かったのは陸人が拓人から学ぶべきことが多いという点
が形として現れて居るところなのだろうね。

恋愛ドラマの終盤に於ける実家への帰郷シーンなどは、色んな
意味での決意というものを感じさせるし、その決意を揺るがす
様々な人たちの拓人への気持ちが本音で語られるからこそ、
その決断の中に非情さみたいなものを感じるところに繋がって
いる。

両親もまるで別人になってしまった感じだけど、本質的には
悪い人はいないという事を示しているようで、皮肉にも丸く収まっ
てきた感じだね。

麦チョコって昔は確かによく見た気がするのだけど、最近あんまり
見ない気がする。
駄菓子ネタって尽きないものがあるけど、駄菓子屋のような商売
っていつの時代まで日本では残せるものなのかな。


澤田拓人 …… 三浦春馬 (22歳、就職活動中の大学4年生・ALS・宮前家具)
本郷恵 …… 多部未華子 (22歳、拓人の同級生)
水島守 …… 風間俊介 (22歳、拓人の同級生)
向井繁之 …… 斎藤工 (24歳、拓人の2年先輩、大学院、怪しい)
村山陽菜 …… 山本美月 (恵の友人、就ヒナって自分で名前 を言う子)
澤田陸人 …… 野村周平 (拓人の弟・医大に合格する)
谷本和志 …… 吹越満 (拓人の主治医)
本郷翔子 …… 浅田美代子 (恵の母、彼氏が出来たら連れてきなさい!)
澤田美和子 …… 原田美枝子 (拓人と陸人の母、弟にだけ期待している)
澤田昭夫 …… 小市慢太郎 (父、山梨中央総合病院院長)

本郷の父 …… 桜井聖 (他界している)

枝元萌、下村彰宏


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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