BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係
(2014年4月期・TV朝・木曜21時枠)

原案・脚本 - 金城一紀
音楽 - 川井憲次
ゼネラルプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 山田兼司、太田雅晴
演出 - 橋本一、波多野貴文
主題歌 - MAN WITH A MISSION「evils fall」





第1話 発現〜一家惨殺事件重なった赤い足跡
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人は必ず死ぬもの・・そして死は突然やってくる。
これまで多くの死を事件捜査中に見てきたがまさか自分が死ぬ
ことになるとは・・。

石川安吾は電車に乗り3週間ぶりに自宅に帰宅しようとする。
仕事一筋の毎日であり、そのせいで恋人と友人は気が付くと
いなくなっていた。家に帰ってもただ眠るだけ。そんな味気ない
日常ならば仕事をしていたいと考えて、益々仕事に対する依存
が高くなる。コンビニで買い物をしている最中に携帯電話が
鳴ると緊急要請だと聞き、急いで現場にいく。

被害者は元警察官だった。
既に現場には上司の市倉とライバルの立花がいた。
眉間に一発銃弾を喰らって亡くなったというもの。現在鑑識が
現場を調べているので外から眺めながら事件の概要を話合う。
玄関の鍵は壊れていないことや室内も荒らされていないことを
考えるとプロによる犯行または顔見知りだろうとされた。市倉
からは長期戦を覚悟するよう言われる。

石川は巡査だった頃にたまたま犯行現場に戻ってきたマヌケな
犯人に出くわし捕まえたことで刑事となっていた。
その為に石川は捜査をする前には必ず現場の周辺を一回りする
のが儀式にもなっていた。
そんな中怪しい人物を見かけて声を掛けようとすると、なんと
影から出てきた男によって銃を突きつけられてしまう。
事件が起きることによってこれまで私生活の穴を埋めてきた
彼にとっては人の死がある意味望んでいた部分があったことを
認め、その報いが来たのかと呟く。犯人は石川の頭に銃弾を
撃ち込み逃走する。

石川は病院に運ばれるが生きていた。
人は死んだら何処に行くのか。痛みや悔しさは何処に行くのか。
そしてこれまでの記憶はどうなるのか。石川は死にたくないと
感じる中、銃弾は頭の中に入ったままだが、奇跡的に生き返る
のだった。脳底動脈すれすれの状態の所に銃弾が留まっていた
のである。しかし意識を取り戻したのはそれから5日後の事だった。
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石川はある時逃走する容疑者から頭に銃弾を受けて死の淵を
さまようことになる。即死かと思われたが銃弾は頭の中に留まり
いつその影響が出て亡くなるかどうかも分からない状況の中、
彼の中では時折頭痛と共に死んだ筈の被害者の顔を見て会話
出来るようになる。爆弾を背負いつつ、一度は死んだ其の身を
使って事件を解決していく。

ドラマ設定としては時々あるものだと思うけど、解明されていない
脳への影響が、主人公に対して他の捜査官以上に能力が秀でる
形で特殊能力を与えられ、それが爽快感を感じる作りとして
存在している辺りは面白い設定である。

ただ死者が見えるというドラマはこれまでにも実に多く作られて
いるので、どういった形で死者が生きているものにそれを伝える
のか。そしてそれがあまりに都合良すぎる形で存在してしまわない
かどうかの整合性やバランスには気を配る必要のあるドラマだと
思う。

脳にある未知の能力に対するスイッチだと表現するところは
興味深いところだった。

ただ上述したように死者が見えて、しかも犯人のことをズバリ
話してしまうという霊の存在がある限り、事件解決としては
容易に機能してしまうところがある。もちろん今回の場合は
顔見知りだったからこそ、容疑者特定が容易だったとする点で
有るのだろうけど、このドラマとしての肝は、恐らく霊が
犯罪者への捜索を手引きすることによる捜査の段取りを無視した
捜査によって、現実との整合性がとれなくなるという点である。

今回のように結果有り気ドラマだと、証拠をデッチ挙げてでも
捜査の着眼点を捜査官に求めて行く為に不正な手を使ってしまう
ところが有る。
そんな主人公の"誠実さ"を欠いたところが果たしてどのように
周りから受け止められるのか。上述したスイッチの意味合いが、
主人公の性格自体を変える為のスイッチだったとする辺りの皮肉が
上手く響いたドラマで、今後の見せ方次第で主人公に対する
感情移入も変わってくるものがあると思う。



石川安吾 …… 小栗旬 (刑事。警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜
査第4係第一班所属)
立花雄馬 …… 青木崇高 (第一班刑事。石川の同僚)
比嘉ミカ …… 波瑠 (警視庁刑事部・特別検視官)
市倉卓司 …… 遠藤憲一 (第一班班長。石川の上司)
赤井 …… 古田新太 (情報屋)
スズキ …… 滝藤賢一 (裏世界の便利屋)
ガーファンクル …… 野間口徹 (ハッカー)
サイモン …… 浜野謙太 (ハッカー)

澤田哲郎 …… 夙川アトム (39歳)
澤田美雪 …… 伊藤久美子 (33歳)
澤田亮 …… 中野遥斗 (4歳)
倉橋 由子 …… 清水美沙 (貴志の母・保険外交員)
倉橋 貴志 …… 小柳友 (由子の息子)
国田 …… 升毅 (医師)

山口祥行、春輝、渡辺早織、奧間唯
越村友一、村田充、志賀圭二郎、大家由祐子、児玉貴志
中野遥斗、加藤パーチク、大竹浩一、加瀬信行、松井晶熙
福田敦子、金子ゆい、ジェイミー夏樹、金井良信
大津苺花、藤本竜輔、山口景子、竹尾一真


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