福家警部補の挨拶
(2014年1月期・フジ・火曜21時枠)

原作 - 大倉崇裕
脚本 - 正岡謙一カ、麻倉圭司
企画 - 水野綾子
編成企画 - 清水一幸
プロデュース - 貸川聡子
音楽 - 横山克
演出 - 佐藤祐市、岩田和行





第5話 相棒殺し!天才漫才師の遺した謎
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1888年、フランスの画家ポール・ゴーギャンは無名だったゴッ
ホに熱望され共同生活をする。しかし作風が異なる二人の天才
は互いに相容れない関係となり悪化。精神を病んだゴッホは
自らの耳を切り落としたが、一説では切ったのはゴーギャン
ではないかとされている。

立石と内海は漫才コンビ・京阪のぼり・くだりとしてコンビ
を組んでいた。しかしマネージャーの浜本は最近内海が
営業をサボリ、遅刻も多くなっていることを受けて、おまけに
ネタまで飛んだり忘れたりしている。かつては天才漫才師だと
された内海も終わりだとするが、相方の立石は彼だって人間
であり乗らない日もあるのだろうとして相棒を庇う。
立石にはソロでも良い仕事が沢山舞い込んでいるにもかかわらず
コンビを解消せずにいるのは、内海の天才だったころの姿に
心酔しているのだろうと語る。

しかし楽屋にいくと態度は一変する。
立石は内海に対して先ほどの態度は何だとつげ、アドリブなん
てものではないと非難する。そろそろ内海に解散して欲しい
事を告げるが、内海は解散して欲しいのであれば半年待って
欲しいという。立石は半年前にも同じ事を言ったのだとして、
これ以上続けて何の意味があるのかとし、このままだと共倒れ
になると語る。師匠からの言葉で「死ぬまで漫才師」だという
言葉が有るだろうと告げる。立石はそれならば漫才師として
頑張る為にも例の場所で練習しようと語る。
師匠が残してくれた一軒家だった。

そんな中タクシーでやってくる内海。
既に家の中にいた立石彼のポケットから家の鍵は盗んでいた。
内海は立石が既に室内にいるかと思いチャイムを鳴らすが
出てこず仕方なく二階によじ登って窓から潜入しようとする。
しかし二階のベランダには立石が待っていると、内海が居たら
これ以上は前に進めないのだとして、無情にも二階から突き
落とすのだった。死に際に内海は「待て・・」と声にする
が・・・
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漫才コンビの一人、かつては天才と呼ばれた漫才師の内海が
コンビで所有する自宅の二階から滑り落ちて亡くなる。
関係者に話を聞くと、最近の内海は酒に溺れて、仕事がいい加減
になっているとされる中で、立石だけはコンビ愛を貫こう
としているという。二人に隠されている本音とは一体どんな
ものが含まれるのかな。

長年の相棒・コンビに対して相手のことをどれだけ理解している
のかを試す形のエピソード。
この手のドラマではよくある内容の事件で、自分が一番コンビ
のことを理解していると自負しているものがあるけど、実際には
最近のこと関してはは何一つ知るものがなかったというオチ。

開始してすぐに内海が病気だということが分かるものが有り、
コンビとして拘るのも内海自身が余命を感じているからなのだろう
なと想像出来るものがあるので、意外性というものは感じ無かった。

誰が一番相手のことを考えて行動しているのか。
亡くなって見て初めてそれらが分かるいう辺りは切ないものが有る
のだけど、逆に言えば何故そんな大事な事実を相手に話すことが
出来なかったのかに於いては、殺されてしまった内海にも問題はある
ように思う。

これまでのこのドラマの中では一番面白かったというのがちょっぴり
皮肉だ。結局コメディアンを使ったドラマにしないとドラマが面白く
回っていかないことを考えると、寧ろそちらの方が問題で切ない。

良い人に思えて実際には悪い人だったという流れと、悪い人に
見えて実は良い人だったという事実を見ると、人の表の顔と裏の顔
は分からないものだと実感させられる。どこからこのコンビと
しての関係が崩れてしまったのかがドラマとしての肝であり、
事件捜査の死の真相以上に、これまでのコンビとしての人生に
クローズアップする辺りの流れの方が面白く感じるところが有ったね。

正直福家を見るだけで、ここのところその造形に感情移入出来ない
ので、なかなかドラマを面白く見るのが難しくなっていると感じる。


福家 …… 檀れい (警部補、42歳。警視庁捜査一課強行犯第十三係主任)
石松和夫 …… 稲垣吾郎 (警部、43歳。警視庁捜査一課強行犯第十三係係長)
二岡友成 …… 柄本時生 (鑑識係、26歳。警視庁鑑識課鑑識係(巡査))
田所勉 …… 中本賢 (警部補)
村上純一 …… 斉藤佑介 (二岡の同僚)

小川ガオ、小平一成、萩原宏樹、伊藤まんごろう、河野マサユキ
宇賀神亮介

立石浩二 …… 板尾創路 (漫才師/京阪のぼり)
内海珠雄 …… ほんこん (漫才師/くだり・49歳)
亀田光雄 …… 笑福亭鶴光 (亀美芸能・社長)
浜本雅志 …… 福田転球 (マネージャー)
特急こだま・ひかり …… オール阪神・巨人 (立石と内海の師匠・他界)

西川忠志、西川かの子、ルート33
なだぎ武、せかいちず、アインシュタイン、児玉絹世
ダブルウィッシュ、真中乃亜

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)


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