福家警部補の挨拶
(2014年1月期・フジ・火曜21時枠)

原作 - 大倉崇裕
脚本 - 正岡謙一カ、麻倉圭司
企画 - 水野綾子
編成企画 - 清水一幸
プロデュース - 貸川聡子
音楽 - 横山克
演出 - 佐藤祐市、岩田和行





第6話 役のために人殺しもする女優の本当の顔
--------------------------------------------------------
1918年劇団芸術座の舞台で「復活」の舞台のヒロイン・カチュ
ーシャ役の松井須磨子は一躍時のスターになる。芸術座を
率いる島村抱月との不倫。美しさを求めて美容整形。女優として
激しい生き方のまま当局の検閲制度が厳しくなる中でも変わる
ことはなかった。しかし数年後、須磨子は劇団の道具部屋で
首を吊りこの世を去る。

柿沼恵美(45歳)の元に女優仲間の小木野マリ(47歳)がやって
くる。恵美はマリに対して、今度の行われる舞台「TOKYO ROSE」
のプロデューサ・二階堂との不倫写真を彼女に見せると、男を
たらし込んで役を取ろうなんて汚いと語る。これが表に出たら
アンタも不味いではないかとつげ、私はアンタにだけは負けたく
はないのだとし、オーディションに出ない事を条件に写真は
表沙汰にはしないと語る。マリは仕方なくそれを了承すると
オーディションからは下りると語る。マリは恵美に対して
コーヒーでも飲もうとつげ、自分が淹れる事を語る。
恵美は新しく買ってきたコーヒーが有るのでそれを淹れて欲しい
と頼む。マリはそのコーヒーの中に恵美が不眠症として使用して
いた眠剤を混入させて飲ませると、窓を全開にして、彼女を
ビルから落下させる。その際マリは不要にもテーブルの上で
コーヒーをこぼしてしまい急いで拭き取り、テーブルの上の
資料を回収し、そして偽装工作を完璧にして外に出て行く。
--------------------------------------------------------
女優の一人、柿沼恵美が自宅マンションから飛び降りて亡くな
る。部屋には鍵がかかっていたことと遺書のようなものが
残されていたことから自殺案件だとして処理しようとするが、
福家はコーヒーの空け口や自殺にしては不自然なくらいに窓
が空いていることに違和感を覚えて、捜査を開始する。
柿沼の部屋のテレビレコーダーには小木野マリの映画が自動
録画されている事を知って、彼女との関係を調べていく。

若村麻由美さんはとても良い女優さんだと思うけど、
"私は女優"と主張するような役柄を求められることが多い気がする。

二人の女優がライバルの関係に有ったにせよ、長年仕事の無くなっ
ていた柿沼恵美のことを、一線で活躍している小木野マリが殺す
理由の中に、何が有るのかというのが今回のポイントであり、
アリバイのトリックも含ませて描いたもの。

女優は私生活に於いても何処まで演技者なのかという面では楽し
そうな素材だし、自殺なのか他殺なのかを判断する材料として
一つだけでなく複数の要因を持って他殺であることを証明していく
流れ自体は良く出来ているとは思う。

比較的ドラマが面白くなったのは、福家の中にある影の部分が
顔を覗かせたというところなのだろうか。
女性が女性を追求していく中で、色々と深い心理的駆け引きなど
も含まれ、福家が一方的に追求していくだけの流れではなくなって
いるところが僅かにドラマとしては面白いところに繋がった
のだと思う。

死のうとしていたものがブンチョウのエサを届けさせていたこと。
そして宅配業者に電話する際に、誰の携帯が使われたのかという
点で上手いこと説得力を持たせる内容だった。


福家 …… 檀れい (警部補、42歳。警視庁捜査一課強行犯第十三係主任)
石松和夫 …… 稲垣吾郎 (警部、43歳。警視庁捜査一課強行犯第十三係係長)
二岡友成 …… 柄本時生 (鑑識係、26歳。警視庁鑑識課鑑識係(巡査))
田所勉 …… 中本賢 (警部補)
村上純一 …… 斉藤佑介 (二岡の同僚)

小川ガオ、小平一成、萩原宏樹、伊藤まんごろう、河野マサユキ
宇賀神亮介

小木野マリ …… 若村麻由美 (47歳、女優)
柿沼恵美 …… 黒沢あすか (45歳、女優)
二階堂 …… アラキマキヒコ (映画プロデューサー)
土井昭輔 …… 山本圭祐 (恵美のマネージャー)
刑事部長 …… 山路和弘
吉野利香 …… 高月彩良 (20歳、新人女優、ドラッグ、母は?)
須崎智彦 …… 別当優作 (マリのマネージャー)

福山翔太、上谷健一、花戸祐介、中村容子
田上唯、山中雄輔、愛純もえり、高岡裕貴

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)


inserted by FC2 system