花咲舞が黙ってない
(2014年4月期・日テレ・水曜22時枠)

原作 - 池井戸潤『不祥事』『銀行特務命令』
脚本 - 江頭美智留、松田裕子
演出 - 南雲聖一ほか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 伊藤響
プロデューサー - 加藤正俊・森雅弘
主題歌 - 西野カナ「We Don't Stop」





第1話 池井戸潤原作の痛快ヒロイン誕生!!銀行の消えた百万円を探せ
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2013年12月、雪が降る中、東京第一銀行中野支店では窓口業務
テリーの花咲舞と営業課長の相馬健が争っていた。課長は銀行
には守るべき慣例があるとするが、それは慣例ではなく惰性に
なっていると言われ有無を言わさず合意させられる。
なんとクリスマスの忘年会の話をしており、従来の鍋パーティー
からオシャレなレストランでの食事をすることになる。
彩奈、実鼻、亜紀からは流石舞だと言われる。

相馬は田中副支店長に呼び出されている健に来月から本部だと
される内示が出ている事を聞かされる。

2014年4月、本部に戻った相馬。
辛島統括部長からは臨店の仕事を任されていた。
そんな辛島からは今までは一人で任せていたが優秀な女子行員
を見つけたので相馬の部下として二人で臨店斑を任せるという
もの。なんとそこに来たのは舞だと知りゲンナリかる。

舞と相馬はすれ違う真藤と児玉に挨拶する。
真藤は常務執行役員で将来の頭取候補だと聞かされる。

そんな二人に早速最初の臨店の仕事が入ってくる。
臨店の仕事とは支店に於けるトラブルの解決を見極め解決する
仕事だった。向島支店にいき、未使用通帳の紛失について調べ
る。支店長の園田はそんな事だけで本庁から検査がくるのか
として煙たがられる。相馬は舞に対して小さな問題の解決を
する変わりに臨検は嫌われる事を告げ、誰もやりたがらない
仕事である事を語る。
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一度のミスでバツがつくと浮上するのが難しい銀行・金融業に
於いて、相馬健は支店から本店へと異動することになる。
出世コースからは外れている人物とされているが、本店での
仕事に心踊らせる中、仕事は支店のミスを改善する為の臨店班
という部署だった。一人で対応する中で、新たに一人採用された
と言われ、期待していると、中野支店で激しく対立していた
窓口業務(テラー)の舞だと分かり失望するが・・・

刑事ドラマばかりの現代の日本のドラマ界に於いては一服の清涼剤
のようなドラマ。

一話完結のドラマなのでそれぞれのエピソード自身が内容にも
かかわらず、ちょっぴり簡潔に描かれ過ぎているのが残念だけど
刑事ドラマのような側面を持ちつつも、現場に立たされる崖っぷち
の人物を正当に評価するものが現れるということで、歪んでいる
社会を正そうとする二人の人物に焦点が当たるというのも楽しい
ものが有る。

このドラマに於けるターゲット層が中年の女性だということを
考えれば、男性社会に於ける女性の活躍は象徴的存在として
写るだろうし、とりわけ銀行の世界が持っている体質そのものが
悪しき官僚の構図と似ていることもあって、その構図を打開して
いくのは現代社会に於ける悪しき習慣を改善していく感覚を
得られるのかも知れないね。

そもそもこの部署がある存在意義自体が、これまで機能していなか
ったという辺りが、銀行自体がモラルハザート化しているのだろう。

現代社会に於いて企業業績は決して無視できないけれど、個人を
陥れてまでも業績を上げるべきものなのか。そしてその中には
個人の利益の為ばかりに他人を犠牲にしてはいないかなど、
それぞれに現実的問題が存在していて、訴えかけるものが多い
ように思う。

上司は部下のご機嫌伺いする必要は無いけど、やる気を起こさせる
ような職場環境を作る役割も担うべきものがあるよね。

ただ今後色んなバリエーションをもってこのドラマを構成して
いけるのかどうか。殆どこの手の一話完結ドラマだと、銀行内に
於ける問題点を列挙して、それに対応するばかりの説明っぽい
内容となることが多いので、人間関係なり世界感なりを現実的
描写で描いて欲しい。


花咲舞 …… 杏
相馬健 …… 上川隆也
芝崎太一 …… 塚地武雅
辛島伸二朗 …… 榎木孝明
真藤毅 …… 生瀬勝久
児玉直樹 …… 甲本雅裕
花咲幸三 …… 大杉漣

本宮泰風、大河内浩、住田隆、中脇樹人、小沢日出晴
木村佳乃
上間美緒、瀬戸早妃、松原夏海
羽場裕一
田中こなつ、綾那、椿ゆきこ、五位野隆雄、高橋陽子、上原敦子


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