HERO
(2014年7月期・フジTV・月曜21時枠)

脚本 - 福田靖
音楽 - 服部隆之
企画 - 鈴木吉弘
プロデュース - 渡辺恒也
協力プロデュース - 牧野正
演出 - 鈴木雅之、平野眞、金井紘





第3話 真実の行方・コンビ解消の危機!?絶対に謝らない検事
--------------------------------------------------------
千佳は仕事から解放されようやく人気店での食事が食べられる
と思っていた矢先、久利生からの電話が鳴る。私は久利生の
事務官になってから仕事量が多すぎるというもの。
しかし久利生は城西署からの連絡で被疑者が留置所で亡くなっ
た事を受けて、警察で死亡した場合には検事が検視を行わねば
ならないのだという。今日は俺が当番なのでこれから城西署に
行く事を告げ事務官の千佳も当然来るのだと語る。30分後
に城西署で待ち合わせだと告げると、仕方なくテイクアウト
にする。

城西署に着くと刑事の加賀谷から被疑者として勾留されていた
佐伯亘(42歳)が亡くなったことを聞く。5時には元気にしていた
が7時の巡回の際に刑事が倒れているのを発見したという。
医師によると心筋梗塞だろう事を告げ、元々持病として持って
いたものだという。通常解剖はどちらでやるのかという千佳
に対して観察医務院か法医学教室で行うことになることを
聞かされる。しかし傷跡も外傷もないので事件性は無さそうだ
と言われる。

翌日検事局で被疑者・佐伯が拘留されていた刑務所内で
死亡したことが話題になっていた。佐伯はぶつかった相手
にケンカをふっかけて相手を死なせたサラーリーマンだった。
7月20日、午後9時半に起きた出来事でもうすぐ担当検事の
田村が起訴する状態だった。被疑者死亡で起訴することは
無くなるだろうと告げる。
そんな中被害者の長谷川洋介の父・誠一から電話がなると、
田村検事ではなく遠藤が事務官として対応する。裁判は
いつ出来そうなのかと尋ねられると、昨夜被疑者が死亡した
ので裁判には成らないことを告げる。

一方久利生の元には川邊涼子(28歳)が連れて来られる。
キャビンアテンダントをしている彼女は、平成26年7月27日
午後6;50頃、六本木で覚醒剤を売っていた大友健介(34歳)の
携帯の履歴に残されていた人物で彼女のマンションを調べた
結果覚醒剤0.05gが検出。また尿検査でも覚醒剤が検出されて
いた。所持及び使用罪ということで起訴は免れない事を語る。
--------------------------------------------------------

久利生検事の元で事務官として働く彼女は、久利生の拘りの
ある調査によって提示で帰れることもなく、残業続きで唯一の
楽しみであるディナーの食べ比べ行脚が出来ずに不満を述べる。
それぞれ事務官たちは検事を自分が希望する検事の下で働かせて
欲しいとし、検事の中にも事務官を変えて欲しいという訴えが多い
ことからも川尻は突然シャッフルすることになる。それぞれの
検事・事務官は希望する相手をリクエストするが川尻は独断で
組み合わせを決定する。
そんな中、検事局では2つの案件で起訴するかどうかで送検前
の取り調べ作業を行っていた。
一つは酔った勢いで殺害してしまったサラリーマンの佐伯。
一つは覚醒剤を使用した川邊涼子というフライトアテンダントだ
った。

このドラマが面白くて見やすいのは、行っている仕事が単純
かつ人間として当たり前のことを、役職とか規定という名目を
利用して、向き合う作業を忘れてしまったのかということを
気づかせてくれるドラマだからだろうか。

単純なのに奥深いというのはドラマでもゲームでも必要な要素だ。
ロシア製のテロリスのように、内容の本質自体はそう難しいもの
ではなくても、人の心に訴えかける作業はもの凄く深くて、
対応を見誤れば、一見解決した流れも、単なる右から左へと
流れていく有りふれた事件の一つとなってしまうところが有るの
だろう。
事実の認識・追求こそ、前に進むために必要な要素の一つで有って
それを見事に実践し、その事実に気が付かせてくれる久利生という
人物の人間性が丁寧に描かれていることだと思う。

一見面倒臭そうな人間性を前面に描きつつも、後半になるに従い、
彼の行動にも一理あるという主張に説得力が出始め、誰もがそれに
感化されていくというところが有る。誰もが従うようになり、
それらが全て纏まっていくのだからこれ程痛快なものはない。

とても計算高くて、これだけ沢山の色濃いキャラクターがいる
にも関わらずタイミングを図ったようにして、上手いこと効果的
にそれぞれのキャラクターを利用しているところも流石である。

ドラマに於いて、事件や本題とは全く関係の無い時間帯という
のはどうしても存在すると思うが、そういう余す時間の中でも
人と人とのやりとりを通して面白さを演出しているので終始
飽きることなく見ることが出来ている。

視聴率を取れるだけの要素は十分に兼ね備えているドラマだ。

やっぱり牛丸の娘・美由紀は、彼に似ているということもからも
"角野卓三じゃねーよ"と言っているあの人が娘役としていずれ
登場するのかな。

田村と礼子の関係もまた面白く利用されているね。


久利生 公平 …… 木村拓哉 (検事)
麻木 千佳 …… 北川景子 (検察事務官)
川尻 健三郎 …… 松重豊 (検事・部長)
田村 雅史 …… 杉本哲太 (検事)
遠藤 賢司 …… 八嶋智人 (検事)
宇野 大介 …… 濱田岳 (検事)
末次 隆之 …… 小日向文世 (検察事務官)
馬場 礼子 …… 吉田羊 (検事)
井戸 秀二 …… 正名僕蔵 (検察事務官)
小杉 啓太 …… 勝矢 (警備員)
牛丸 豊 …… 角野卓造 (本庁の次席検事)
バーテンダー …… 田中要次 (「St.George's Tavern」マスター)

佐伯亘 …… 山崎画大 (被疑者・心筋梗塞)
長谷川誠一 …… 前田吟 (被害者・洋介の父)
加賀谷 …… 半海一晃 (城西署)
川邊涼子 …… 西原亜希 (キャビンアテンダント・覚醒剤所持・使用)
川邊芳樹 …… 真田幹也 (涼子の兄)
鴨頭真理子 …… 駒木宏美 (キャビンアテンダント

横塚真之介、真田幹也、須田琥珀、駒木宏美、平未歩
香田万春美、水津亜子、北沢力



inserted by FC2 system