HERO
(2014年7月期・フジTV・月曜21時枠)

脚本 - 福田靖
音楽 - 服部隆之
企画 - 鈴木吉弘
プロデュース - 渡辺恒也
協力プロデュース - 牧野正
演出 - 鈴木雅之、平野眞、金井紘





第11話 前代未聞の裁判員裁判!久利生、検事生命をかけた決断・正義の為の最終決戦
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特捜部では橋場議員の収賄疑惑が持ち上がる中、応援に行った
久利生は、運転手として取引現場に立ち会ったのは掛川では
ないという。
一方城南支部では南雲尊之(43歳)が滝翔太と口論の末、ナイフ
で殺害した事件に関して、正式に起訴する。しかし起訴に至る
までに彼には余罪があることが判明し、なんと最初に彼がナイフを
使って通り魔を行っていたであろう事件は当時の検事の国分秀雄
が大友真一(35歳)を起訴し有罪判決で処罰されていたことが
判明する。起訴することは下手をすれば検察全てを敵に回す
ことにも繋がることだった。
担当検事の公平は裁判の場で公訴事実を語る。
もみ合いになりナイフで刺したことは認めるが、ナイフを出して
来たのは向こうで倒れた時に刺さったのだという。
南雲側の弁護士の松平も正当防衛を主張する。
しかし公平は被害者の滝が口論で怒り貴方のことを追いかけてきた
としているが、現場の状況を見る限りでは貴方は駅の方向には向かって
いないこと。寧ろ現場は滝が住んでいるマンションの方角で起きた
ことだとして、反論する。

公平は、
H23年3月26日、府中駅近くでジョギング中の高校生が刺された事件。
H20年4月4日、府中市矢崎町で帰宅途中で刺されたOL。
H16年11月2日、大学生が刺された
H12年7月7日、42歳女性
H11年10月10日、散歩中の62歳男性

この日に起きた事件も全て通り魔による犯行が行われているが、
検察は同一犯として見ている事を告げ、5つの事件に於いて追起訴を
したいと語る。

国分はH12年12月に検察を辞めていた。
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いよいよ最終話。
政治家と建設会社の癒着・収賄の疑惑が浮かび上がる中で、
城南支部では殺人事件を巡って起訴すべきかどうかの決断を
していく。

あんまりアメリカドラマと比較するのもあれなんだけど、
日本のドラマは法廷に於ける物証とかがあんまり拘りのあるもの
として描かれておらず、状況証拠を如何に信憑性あるものとして
描くのかに注力が集中している感じがする。

過去の事件に関しては、正直何の物証もなく、追起訴する為の
新しい証拠が示せない中で、大胆にも根拠なく絶対的自信を持って
対応していくというのが違和感があるところ。

ただ逆にアメリカのドラマと違って展開が面倒過ぎず、主張自体
がダイレクトに心に響いてくるところが日本の法廷もののドラマ
で、公平が陪審員に対して裁判とは何かということを得々と語る
けど、被告側の証人への質問という名目で、まるで最終弁論の
ように陪審員や裁判官たちの前で語る姿には、裁判の段取りを
無視した流れが有り、如何にもその辺は日本のドラマだという
感じがした。

国分を説得する流れに関しても、このドラマでよく見られるように
それぞれのキャラクターの特性を活かしたリアクション劇場化
しているものがあり、同一のシチュエーションを通して、どのように
それぞれのキャラクターが対処していくのかどうかということが
面白く描かれている。

こういうドラマが陪審員制度が始まる年の直前に量産された時に
ドラマとして描かれればまた違った感じで見られたのだろうなと
おもうところも有るし、最終的には、法律ではなく人としての
ケジメの問題であるとして説得していく流れとしては悪くは無かった
けど、ある意味では当たり前のことを話しているだけのような感じ
もする。しかしこの世の中では当たり前のことが当たり前では
無くなっているとする時代性も有って、そんな世界の中でブレない
為の指針としての検事としての役割というのを上手く主張出来た
のかなと思う。

途中で押坂さんら東京地方検察庁特別捜査部が立ち上がるところは
TBSのドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」を踏襲しているような
シーンでも有り、ちょっぴり皮肉った感じの流れが有ったのかな
とも思う。


久利生 公平 …… 木村拓哉 (検事)
麻木 千佳 …… 北川景子 (検察事務官)
川尻 健三郎 …… 松重豊 (検事・部長)
田村 雅史 …… 杉本哲太 (検事)
遠藤 賢司 …… 八嶋智人 (検事)
宇野 大介 …… 濱田岳 (検事)
末次 隆之 …… 小日向文世 (検察事務官)
馬場 礼子 …… 吉田羊 (検事)
井戸 秀二 …… 正名僕蔵 (検察事務官)
小杉 啓太 …… 勝矢 (警備員)
牛丸 豊 …… 角野卓造 (本庁の次席検事)
バーテンダー …… 田中要次 (「St.George's Tavern」マスター)

江上達夫 …… 勝村政信 (東京地方検察庁特別捜査部の検事)
押坂陽一郎 …… 手塚とおる (東京地方検察庁特別捜査部副部長)
南雲尊之 …… 加藤虎ノ介 (太を刺殺した容疑者)
松平一臣 …… 羽場裕一 (松平法律事務所)
津金沢 …… 佐戸井けん太 (特捜部長)
国分秀雄 …… 井上順 (東京地方検察庁刑事部元検事)

裁判長 …… 市川勇

宮根誠司、石井正則、森下能幸、朝倉えりか、高井正憲、隈部洋平
太田真希、藤井祥子、橘家二三蔵、高柳葉子、西原信裕
川嶋秀明、及川莉乃、坂田聡、若杉宏二、久ヶ所徹
天田暦、山崎大輔、大野泰広、玉置玲央、佐古麻由美
坂本充広、北沢力、外川貴博、五十嵐由佳、ウォルターアントニー
朝加真由美



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