隠蔽捜査
(2014年1月期・TBS・月曜20時枠)

原作 - 今野敏『隠蔽捜査』シリーズ(新潮社刊)
脚本 - 中澤圭規
制作 - 那須田淳
チーフプロデューサー - 橋本孝
プロデューサー - 橘康仁
演出 - 岡本伸吾、酒井聖博
主題歌 - wacci「東京」





第5話 非情の捜査中止命令…現場の意地を見せてやる!なるか一発逆転!?
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SITの銃弾によって犯人の瀬島陸利が射殺されたかと思われた
事件。瀬島の銃には弾が入って居なかったことも有り、表面的
には犯人とは言え無抵抗の民間人を射殺したことがクローズ
アップされるとして、上層部は気にしていた。
そんな中、人質だとされている源田夫妻が実際には犯人を
撃ったのではないかとする疑惑が出てくる。
しかしそんな捜査はリスクが高く、上篠も再捜査を始めた大森
北署の署長の竜崎や伊丹たちに対して、そんな捜査は認められ
るものではないとして忠告する。
竜崎は時期に弾道検査の結果が出れば誰が撃ったかどうか分かる
ハズだとするが、捜査に関わったもの全てに処分が下ることに
なると言われる。

竜崎は妻・冴子の見舞いに行く。
吐血して入院した彼女の検査結果は明後日でるということ。
冴子は現在射殺の件で世間から叩かれていることを知り、異動
が決まるのであれば早めに言って欲しいと語る。
帰宅した竜崎は美紀と邦彦に対しても、また異動の可能性が
否定出来ないことを告げ、迷惑をかけることに謝罪する。

大森北署では弾道検査の結果を心待ちにしていたが、突然科捜研
から科警研へと検査の指揮が移されてしまった事を知る。警察庁か
らも捜査のストップがかかっている事を告げ、竜崎はみんなに
迷惑がかかるとして、捜査は断念しなければならない事を告げる。
これ以上処分を喰らえば、家族などにも迷惑が及ぶというものだ
った。

そんな中警察庁の谷岡から竜崎に電話が鳴る。
科捜研から科警研に弾道検査の流れが移ったことに関して、それを
指示したのが小田切だという。
その事を受けて竜崎は大森北署の署員に正式に再捜査中止の命令
が出た事を伝えるが、貝沼を初めとして署員たちは処分が恐くて
刑事などやっていられないと告げ、所轄の意地を見せようと
盛り上がる。それを受けた竜崎も再び力をもらい、瀬島と人質だった
源田の繋がりを調べようと告げる。
捜査しているウチに源田は金融機関からブラックリストに乗る程の
借金があり、黒幕かもしれないことを聞かされる。
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竜崎が異動してからいきなりゴツイエピソードが訪れた感じだ
けど、各々捜査に関してどれだけの信念が見られるのか、どれ
だけ正義感を持つ人物なのかを図る意味でも面白い内容だった。
人間同士の腹の探り合いが有り、上手い綱引きが行われた結果、
それらがあぶり出されて、相互関係・共栄関係が生まれて、竜崎
がチームに溶け込んでいくという流れが演出される。

正直最初の数話をかけて描かれたエピソードは、かなり不要な
ものが有り、降格人事からドラマをスタートさせた方が、
見やすかったと思う。

これまでに脱落していたらこのドラマの面白さを堪能できなかった
だろうなと思うと、やはり粘り強くドラマを見る必要は有りそうだ。
ようやくこのドラマの持つ階級なり実を結んだ格好で、その人となり
の人間性というものを見せられて、信頼に於ける於けない人の
区別が出来たと思う。基本的にみんな悪い人に見えてもそれぞれの
仕事をしているだけなんだろうけどね。

肝心の事件自体もなかなか面白く出来ていた。
事件現場に於ける捜査は犯人を殺害して人質を解放した時点で
終わりという訳ではないこと。世間はそれで終わりだとする
認識が有るのかも知れないが、現場の捜査官にとっては、当然
事件の真相を追求していかねばならないこと。

警察庁と警視庁の区別なり、所轄と第二方面との兼ね合いだった
り、SATやSITなど色んな要素がてんこ盛りだったので、ドラマと
しても複雑なものが有った。どの人物が立場的に有利なのか。
そんな事情が事件捜査に於いて最も難敵として立ちふさがる所
など皮肉な感じだね。


伊丹俊太郎 …… 古田新太 (警視庁・刑事部長)
竜崎伸也 …… 杉本哲太 (警察庁長官官房総務総務課長)
竜崎冴子 …… 鈴木砂羽 (伸也の妻)
竜崎美紀 …… 三倉茉奈 (長女・大阪府警の元上司の息子とつきあう)
竜崎邦彦 …… 佐野玲於 (長男・大学受験生)
上篠貴仁 …… 生瀬勝久 (警察庁長官官房総括審議官)
戸高善信 …… 安田顕 (大森北署・刑事課強行班)
貝沼悦郎 …… 松澤一之 (大森北署・副署長)
斎藤治 …… 八十田勇一 (大森北署・警務課長)
牛島陽介 …… 神保悟志 (警察庁長官官房審議官)
坂上栄太郎 …… 矢島健一 (警察庁刑事局捜査第一課長)
谷岡香織 …… 青山倫子 (警察庁長官官房総務総務課長補佐)
福本多吉 …… 中村育二 (東日新聞・社会部長)
ナレーション …… 麻実れい

関本良治 …… 佐戸井けん太 (大森北署・刑事課長)
小松茂 …… 大浜直樹 (大森北署・係長)
野間崎正嗣 …… 古舘寛治 (第二方面本部管理官)


源田清一 …… 有薗芳記 (スナック磯菊・50歳)
源田芳美 …… 小椋あずき (スナック磯菊・45歳)
下平栄介 …… 斎藤歩 (SIT・前線本部)
石渡剛志 …… 藤本隆宏 (SAT)
小田切貞夫 …… 池田成志 (首席監察官)
佐々木正和 …… 若杉宏二 (40歳、帝都法律事務所弁護士)
藤田 …… 木下政治 (警察病院・医者)
キタジマ金融 …… 武田幸三

久松信美、松本清治
細川学、金沢正成、青木通重、桐木仁


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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