隠蔽捜査 (2014年1月期・TBS・月曜20時枠) 原作 - 今野敏『隠蔽捜査』シリーズ（新潮社刊） 脚本 - 中澤圭規 制作 - 那須田淳 チーフプロデューサー - 橋本孝 プロデューサー - 橘康仁 演出 - 岡本伸吾、酒井聖博 主題歌 - wacci「東京」 第8話 キャリア官僚連続殺人…外務省ＶＳ警察庁！？恐るべきワナを見破れ！ -------------------------------------------------------- 大森北署では暫く平穏な日々が続いていた。 しかし隣接する東大井署管内では殺人事件が発生している事を 貝沼や斉藤から竜崎に報告が有る。特に協力の要請が入って居 る訳ではないとのこと。 そんな中関本から大森北3丁目でひき逃げ事件が起きたことを 告げ、被害者は60才前後の男性(八田道夫・65才/元外務省・在 ブラジル日本大使館勤務)でひき逃げしたのは黒いセダン 車だという。緊急配備を敷いて対応するよう告げるが、それに も引っかからず取り逃がした事を知る。 そんな中、伊丹から電話が鳴り、東大井で起きた刃物による のど元への殺傷事件に関して、公安が主導で捜査が始まった 事を聞かされる。被害者が外務省のキャリア官僚(若尾光弘・ 41才/外務省・中南米局)である事を告げ、所轄の捜査員を何人 か捜査に貸してくれないかとするが、自分の管内でもひき逃げ 事件の対応に忙しいことを理由に断る。 そんな中、野間崎が乗り込んで来て、ひき逃げ事件に関して 竜崎の対応が不味かったのではないかとクレームをつけてくる。 竜崎は自分たちが出来るべきことをした結果だと反論する。 更に戸高が麻薬の売人を逮捕した事が分かる。 しかし厚労省の麻薬取調部が内偵調査をしていた人物であり、 戸高の安易な逮捕によって泳がせ捜査が無効になるとして クレームが入って居る事を聞かされるのだった。 -------------------------------------------------------- アメリカ大統領来日に伴うテロ事件を上手く処理した竜崎。 そんな中、大森北署管内ではひき逃げ事件が起きる。 単なるひき逃げ事故に思われたが、隣接する東大井署で起きた 殺人事件は外務省の中南米局に勤めていたキャリアであり、 容疑者が外国人・コロンビア系マフィアの疑いが出てくる。 ひき逃げ事件の被害者もまた過去に外務省で働き、ブラジルに 赴任していた外交官だという事を知る。 警視庁の捜査とは対象的に警察庁が捜査を取り仕切ろうとして おり、公安が乗り出したことで、何らかの陰謀があるのではない かと疑いを見せていく。 外務省と厚生労働省、警察庁、警視庁、公安、所轄、生活安全部 麻薬取調部などいろんな単語、部署での役割りが説明された 感じのエピソード。部署が変われば捜査意図も内容も変わって 来る中で、単なる捜査に於ける主導権争いかに思われた流れが 徐々に麻薬関係の事件に外務省職員が深く関与しているのでは ないかとするものへと繋がっていき、今後の展開を期待させる 内容となっている。 ただ相変わらず色んな部署が入り交じりすぎているので、 TBSの「S -最後の警官-」のように、捜査機関のゴタゴダ加減は 事件の真相に対して的を絞らせないようにする為ばかりに、 数で物を言わせているような感じに見えてしまうところもまた やや不利に働いている点か。長期的スパンで描かれるドラマなら ばこういう入り組んだ人間関係・多くの部署を登場させると いうのも悪くは無いと思うのだけど、ワンクールのドラマと して描かれ数話で処理される内容としては、やや息苦しいまでの 設定なのかなという感じ。 外務省とのコネクションを利用し、竜崎の娘の流れを利用した 流れとか、記者からの情報、そして伊丹らとの繋がりから 事件の情報を少しずつ集めて、不可解な一面を解き明かしていく 流れというのが上手く出来ており、竜崎の存在が、一所轄だけに 留まらず、過去のキャリアであった頃の顔の広さというのを 利用してところは面白く機能している。 それだけ省庁の壁とか部署の壁なんかを取っ払って情報を総合 的に集めるところがあれば、事件の解明にもよりスピーディに なるところが有るのだろうけど、それが出来ないところがまた もどかしい感じだね。 伊丹俊太郎 …… 古田新太 (警視庁・刑事部長) 竜崎伸也 …… 杉本哲太 (警察庁長官官房総務総務課長) 竜崎冴子 …… 鈴木砂羽 (伸也の妻) 竜崎美紀 …… 三倉茉奈 (長女・大阪府警の元上司の息子とつきあう) 竜崎邦彦 …… 佐野玲於 (長男・大学受験生) 上篠貴仁 …… 生瀬勝久 (警察庁長官官房総括審議官) 戸高善信 …… 安田顕 (大森北署・刑事課強行班) 貝沼悦郎 …… 松澤一之 (大森北署・副署長) 斎藤治 …… 八十田勇一 (大森北署・警務課長) 牛島陽介 …… 神保悟志 (警察庁長官官房審議官) 坂上栄太郎 …… 矢島健一 (警察庁刑事局捜査第一課長) 谷岡香織 …… 青山倫子 (警察庁長官官房総務総務課長補佐) 福本多吉 …… 中村育二 (東日新聞・社会部長) ナレーション …… 麻実れい 関本良治 …… 佐戸井けん太 (大森北署・刑事課長) 小松茂 …… 大浜直樹 (大森北署・係長) 野間崎正嗣 …… 古舘寛治 (第二方面本部管理官) 川端守雄 …… 久松信美 (警視庁刑事部捜査第一課課長) 矢島茂(滋) …… 升毅 (厚生労働省・麻薬取締部) 内山昭之 …… 堀部圭亮 (外務省・第三国際情報室長) 折口秀彦 …… 飯田基祐 (警視庁・警備局公安課長) 八田道夫 …… 山川勝之 (65才・元在ブラジル大使館政務参事官) 骨川道夫、山川勝之、岩美宏典、中薗光博、小磯幸記 加藤マサキ、松本清治、金沢正成、桐木仁、細川学 青木通重 評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)