緊急取調室 (2014年1月期・テレ朝・木曜21時枠) 脚本 - 井上由美子 音楽 - 林ゆうき ゼネラルプロデューサー - 黒田徹也 プロデューサー - 三輪祐見子、浦井孝行、櫻井美恵子 演出 - 常廣丈太、本橋圭太 主題歌：『Door』JUJU 第3話 最強の容疑者登場！！“嘘まみれの女” *-------------------------------------------------------- 経済産業省の役人で事務次官候補のエリートの佐原俊夫(43歳) が自宅で殺される。 俊夫の母・和子の悲鳴を受けて隣人が通報した格好だった。 休日の早朝に真壁は梶山からの電話で目覚める。今日は非番だ とするが、今すぐに出てくるよう言われる。電話ですっかり 起こされてしまった有希子の息子・則行と奈央。則行は仏壇に 水を与える中、父は何故亡くなったのかと問われ事故だと答える。 良い人は早死にするものなのと有希子は誤魔化す。 俊夫は東大卒で父親も外務省の上級官僚。昨年には政策局長に までなっていた。国家機密に関わる業務に携わっている関係上 取り調べはキントリが行うことになったという。 容疑者として連行されたのは妻の利香だった。 若くて美人の奥さんだというと、有希子は女の顔なんて当てには ならない事を告げ、母が子どもから父親を奪うなんて許せない ことだと語る。梶山は今回の容疑者が女性ということも有り、 取り調べには有希子が主任として担当するよう命じる。 渋谷東署によって通報・発見された当時、利香は階段の上に 座り込んでいたという。階段から転落による頸椎損傷が死因だ ったが、階段から落ちる前に息子が所持している電車のおもちゃ で殴られており、そのおもちゃからは指紋は母親・利香の指紋 だけが検出されたという。発見当時に息子・大地はクローゼット の中にいたという。 有希子は殺害するなんて余程の理由が有った筈だとして、利香に 対して"何故"、"どのように犯行したのか"を問い詰める。 理由によっては情状酌量になるとするが、利香は自分のことを 今すぐに逮捕・送検して欲しいと告げる。 *--------------------------------------------------------  経産省の役人・佐原俊夫が殺害される。彼は国家の機密に関わる 業務に携わっていたことから、キントリ主導による捜査が求め られる。既に容疑者としては自白している妻・利香の存在が有った が、裏付け捜査をすると彼女が語る動機や状況証拠が必ずしも 一致しないことが判明する。 このドラマも変に展開を先読みせず流れに任せて女性同士・母親 同士の対立の関係を楽しめれば今回のドラマも面白くなるのだろ うね。 開始5分後には、子どもが虐待されているであろうことが分かり、 子どもを守るが為に母親がアクションを起こしているのだろうな というドラマの全体の概要が描けるものがある。その分だけ それに着眼点を持たぬ捜査官たちの行動には無駄に捜査している 感じがしかしない。 早い段階でキントリの有希子だけがその流れをつかみ取ってしまう ので、更に一捻りがあるのだろう事も容易に想像出来るものが有る。 ドラマの中で有希子が容疑者の利香の行動心理学を通して、 異変に気が付いていくものがあるけど、ドラマ的論理学を通して 見ても、多少ドラマを見ている人ならば母親が子どもを利用して 夫を殺害した事は分かるものが有って意外性という面ではちょっと 物足りなかった。寧ろ、有希子以外の人がその事実に気が付か なかったことで無能さが露わになってしまった感じがする。 女性として母親として有希子が気が付いたという設定なのかも 知れないが、今まで専門的に少年犯罪を扱っていた割りに、その 事実を見抜けなかったという面では、ベテラン俳優人の役柄にも ちょっと能力的に不足するのではないかという不安感として浮上 する。 事件が突発的に起きているような感じだけど、実際には計画的 犯罪であるという事を強調すべきであり、子どもの虐待が 引き金ではなく、母親へのDVと自尊心を傷つけられたということを もう少しあぶり出す必要が有った。 自分のことしか愛せないとするのであれば、事件以前におもちゃ から指紋を拭き取るシーンを挿入するだけで、また違った感じに なるんだろうけどね。 女同士で対決させるという面では興味深い流れだけど、身長差は 如何せんともしがたいところは有ったな。 凶器を使用したかどうかという面でも、凶器が使用された時の 再現では、子どもでは難しい角度だとして容疑の目を母親に 向けるのだけど、母親でも正直角度的には難しいものが有る。 緊急事案取調対応班 真壁有希子 …… 天海祐希 (45歳、刑事部捜査一課、"キントリ") 梶山勝利 …… 田中哲司 (46歳、管理官) 菱本進 …… でんでん (56歳、捜査官) 中田善次郎 …… 大杉漣 (57歳、捜査官) 小石川春夫 …… 小日向文世 (55歳、捜査官) 渡辺鉄次 …… 速水もこみち (30歳、殺人捜査第一係) 監物大二郎 …… 鈴木浩介 (41歳、殺人捜査第一係・係長) 相馬一成 …… 篠井英介 (52歳、警視庁刑事部捜査一課・課長) 郷原政直 …… 草刈正雄 (54歳、警視庁刑事部・部長) 真壁 …… 眞島秀和 (有希子の夫、他界) 真壁 奈央 …… 杉咲花 (16歳、有希子の娘) 真壁 則行 …… 秋間将太 (7歳、有希子の娘) かやの …… 中村静香 (23歳、居酒屋「しんじ」) しんじ …… 生島勇輝 (28歳、居酒屋「しんじ」) ……RIKIYA 松本 …… 桜井聖 ……佐藤裕 佐原俊夫 …… 神尾佑 (43歳、経済産業省の官僚) 佐原利香 …… 安達祐実 (妻、両親を幼いときに失う) 佐原和子 …… 田島令子 (俊夫の母、エリート意識) 佐原大地 …… 田中奏生 (6歳、俊夫と利香の息子) 木村淳子 …… 藤本静 (経済産業省・俊夫の部下、愛人疑惑・否定) 米澤史織 藤江美由紀 評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)