緊急取調室 (2014年1月期・テレ朝・木曜21時枠) 脚本 - 井上由美子 音楽 - 林ゆうき ゼネラルプロデューサー - 黒田徹也 プロデューサー - 三輪祐見子、浦井孝行、櫻井美恵子 演出 - 常廣丈太、本橋圭太 主題歌：『Door』JUJU 第7話 “１つだけ嘘をつく死刑囚”衝撃の告白 *-------------------------------------------------------- 長野の山中に不法投棄する企業が相次ぐ中、ゴミの中から白骨体 が発見される。 真壁家では父の命日だった。 息子の則行は、父・匡の命日を忘れるハズはないと語るが、奈央に よると父の顔も見たことがないのに偉そうだと語る。 それを聞いて則行は姉の意地悪な発言を非難するが、奈央は 母がお父さんのことを喋らないのが原因だとして、責任を転嫁 する。有希子は逮捕したら全てを話そうとしていた事を告げるが 既に8年が経過してしまったとして、今度必ずきちんと話すと約束 する。 そんな中、三人の人間を殺害したとして、元ジャーナリストの 真田正巳(52才)が有罪・極刑判決が出る。清龍組を抜けた若手 構成員・羽村敏行、篠原邦夫、そして清龍組のフロント企業である 清龍不動産から多額の借金をしていたパチンコ店勤務・向井雄一 の殺害容疑が掛けられ、本人も自供していたのである。 真田は週刊誌の契約記者で、現在は現役議員が覚醒剤を使用して いたネタを追っていたが、彼はその情報を掴むと議員を脅して 金をゆすり取っていたとして、議員の永田俊一(43才)は、清龍組 に助けを求めると、清龍組の組長は3人の人物を殺害すれば 命を助けると言われて犯行に及んでいたのである。 向井の遺体が先日発見されたが、真田の供述では三人共に東京湾 に遺体を遺棄したとしていたが、羽村敏行、篠原邦夫の遺体は 供述通りの場所から出てきたのに対して、向井の遺体だけは 何故か長野県の山布施の山中で発見されたのだった。 全ての自供しているのに、何故そこだけウソをついていたのか。 キントリが真相を聞き出すために取り調べを担当する。 その際、郷原政直は何故か真壁が担当すべきだとして指名する。 小石川は部下が真田によって懲戒免職にあったのを理由に自分 が引き受けたいとし、菱本は組対4課にいた頃、散々清龍組を 追い回していたので自分こそ適任だと主張するが・・・ *-------------------------------------------------------- 三人殺害した罪で有罪・極刑判決が出た真田のことをキントリ が取り調べすることになる。自供した内容と一部矛盾点が 生じた為のもので、後になってそれがウソだと分かれば問題が あるとの事からだった。早急に真実を突き止めるよう求められる が・・・ ドラマはとても面白く見ているのだけど、この取り調べの流れから すると正直、真田は本当のことを告白するだろうかという感じに 見える。 真田の中での心理的な面を考えると、どうしても真田の中の情を 引き出す以上に、彼の中にある恵子への思いの強さの方が勝って いる感じがする。 真田自身がウソで塗り固められた人生を送っていて、隠蔽して 生活していることの辛さというを誰よりも知っていれば別なんだけど。 事件の矛盾点を突いていく流れとか、事実を解き明かしていく段取り はかなり面白く出来ているんだけどね。 母親である時任恵子は子供を守る為にはどんなことでもするとした 前提を語った後に、今度はそれを反駁するかのようにして、罪悪感 に苦しんでいるハズだと説いていく辺りの流れはまるで正反対の主張だ。 人それぞれの「愛」の形に関しては一筋縄ではいかない一方的な ものがあると思うので、愛するのであれば罪を償わせるという 主張自身は、キントリのメンバーばかりだけの考えであり、それら 本人も同様に考えているかは未知数だ。 そもそも庇っている原因は、親が殺人者であることで、子供を傷つけない 為のものだと語っているので、彼女のことを庇っているとしても 元々の父親はロクデナシだったし、代わりに父親だと教え込んでいた男も 結局は人殺しであり、どこからどう見ても子供が事実を知って傷つく 流れというのは存在している。 あまりにストレートに物事が進みすぎていたので、実は真田も 恵子も子供が殺人を犯したということを庇っているのかなと思って 見ていたのだけど、最後までドラマがストレートに運び過ぎた感じで 捻りとしては弱かった。 恐らくその捻り方は、真壁の夫の件につなげる部分に求めたのか も知れないけど、それはそれでもう少し別の流れの中に組み込んで 欲しかった。 何よりも真田が五月蠅すぎ。 嘘を付いている人物ほど、言葉数は多くなるのかも知れないけど、 監物が静かになったと思ったら、必ず一人は"主張"、"我の強い" 人物が登場して、ドラマをかき乱している感じだね。 サブタイトルを見ると一つだけ嘘を付いているみたいな下りに思える けど、この人(真田)、真っ黒な人なんでしょ? 緊急事案取調対応班 真壁有希子 …… 天海祐希 (45歳、刑事部捜査一課、"キントリ") 梶山勝利 …… 田中哲司 (46歳、管理官) 菱本進 …… でんでん (56歳、捜査官) 中田善次郎 …… 大杉漣 (57歳、捜査官) 小石川春夫 …… 小日向文世 (55歳、捜査官) 渡辺鉄次 …… 速水もこみち (30歳、殺人捜査第一係) 監物大二郎 …… 鈴木浩介 (41歳、殺人捜査第一係・係長) 相馬一成 …… 篠井英介 (52歳、警視庁刑事部捜査一課・課長) 郷原政直 …… 草刈正雄 (54歳、警視庁刑事部・部長) 真壁匡 …… 眞島秀和 (有希子の夫、他界) 真壁 奈央 …… 杉咲花 (16歳、有希子の娘) 真壁 則行 …… 秋間将太 (7歳、有希子の娘) かやの …… 中村静香 (23歳、居酒屋「しんじ」) しんじ …… 生島勇輝 (28歳、居酒屋「しんじ」) ……RIKIYA 松本 …… 桜井聖 ……佐藤裕 真田正巳 …… 浅野和之 (52才、元ジャーナリスト) 向井雄一 …… 鈴木雄二 (パチンコ店店員) 嘉納肇 …… 堀部圭亮 (中華料理 "仁蘭") 時任恵子 …… 伊藤裕子 (向井の元妻、息子は拓真) 裁判長 …… 宇納佑 清龍組・ヤクザ役 …… 麻倉じゅん 永田俊一 …… (43才) 羽山敏行 …… 篠原邦夫 …… 神矢朔也 評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)