Nのために
(2014年10月期・TBS・金曜22時枠)

原作 - 湊かなえ『Nのために』
脚本 - 奥寺佐渡子
演出 - 塚原あゆ子、山本剛義
主題歌 - 家入レオ「Silly」
プロデュース - 新井順子

http://www.tbs.co.jp/Nnotameni/





第2話 放火事件の謎…許されない罪の共有
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スカイローズガーデンの48階の一室で野口家の夫婦が殺害され
逮捕された西崎。
10年後に出所した西崎に接触したのは、元青景島駐在所高野
だった。西崎が逮捕直後に弁護士に"全てはNの為に"と語って
いたことが気になりNとは何かを尋ねる。誰の為に罪を被った
のか。あの場に居合わせたのが4人だということも分かっていた。
すると西崎から高野に対して「この女がいなきゃこの世に
何の意味もないと感じたことは有るか?」と問われ、俺は大事
な女を殺されたのでヤツを殺したというだけだという。
やったことに悔いはないとし事件は終わったことで罪は償っ
たと語る。この10年で何が一番変わったのか。人の心が寂しく
なったのではないかというが・・

2000年。
成瀬家では妻・瑞穂が居なくなる。心配する中で駐在の高野
が実家に電話すると滞在している事が分かる。
後で迎えに行けば良いとして高野は周平を落ち着かせる。
「さざなみ」を売ることにしたのかとすると、息子の慎司は
もっと早くに決断していれば良かったのだという。食中毒や
火事でも起きれば素直に諦められただろうかと呟く慎司。

希美は母には内緒で横田の新聞配達員として働いていた。
守屋教師からは無利子の奨学金制度について調べてもらうが
年収800万以上ある家庭ではちょっと難しいことを聞かされる。
両親が別居中であることを説明し、親には頼りたくないと語る。

一方希美と慎司は会話する。
さざなみか閉店することに関して、希美はさざなみには思い出が
あると語る。島で祝い事と言えばさざななみだったこと。
そういう思い出を持っている人は多いのだろうというと、
慎司は父も店を守ることは客の思い出を守ることだと言って
居た事を語る。
そんな中思った程学校には大学に関する資料が無かった。
特にこの島から東京の大学にいく人は少なく殆どが関西いき
を選ぶので無理もないという。本土の書店に行こうと思う
が一緒に行かないかと誘われるのだった。
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高野は野口夫婦の殺害現場に希美と慎司がいることを知り、
過去の事件に於いてもこの二人が現場にいたことも有り、
彼らが事件と関係しているのではないかとして個人的な興味で
捜査をしていた。既に高野は駐在から離れており、正確には
捜査権がない中での調査だった。
高野は高校時代に二人に起きた家庭の事情に精通していること
も有って、彼らが事件を犯しているとしたら止めたいとする
思いが存在していた。

今期のドラマの中でもこのドラマは面白いドラマの上位に入るな。

過去と現在を行ったりきたりする中で、一番気になるのは2014年
現在の人間関係に有って、2000年当時に生活していた青景島の人々
がどうなっているのかがということだね。その間に2004年の事件
が発生している訳で、人間的繋がりなども通してどういう状況
になっているのか。

その中でも色々とヤンチャしているものたち(杉下の両親と愛人
化している由妃)は14年を経過した今、何をしているのか。

2000年当時の人物の中で提示されたのは夏恵だけで。"さざなみ"
での放火の件で助けに入ったことで、喉を痛めて喋られない状態に
なっている様子が描かれた。高野が今回の一件に拘っているのも
妻がそのような状態になったことに起因しているのだろうか。

二人(希美と慎司)が事件を犯しているとしているのであれば、
先ず復讐すべきは宮本由妃と杉下晋であり、この二人がどうなっ
ているのかが気になる。直接的な復讐方法ではなく、証拠を残さない
ような方法で何らかのアクションを起こしていそうだ。

希美の事情ばかりが描かれて、実は慎司の家庭でも事情は違えど
心に傷を背負うような事態が起きていること。上手いのはそんな
視線を希美の家庭にばかり集中させておいて、実際には慎司の中
の心情を最後に持って来たことだった。

二人には共通するものが有る。

これだけ人間の尊厳を握り潰す父親と愛人の心の傷というのも
これまでの婿人生の中で培ってきたものなのだろうけど、
二人を繋ぐものとして、存在しているのは学歴に対する劣等感が
存在している様で、自分の価値感なり自分が苦労してきたことを
妻子にも味わえとばかりにして、突然非情な態度を見せるところは
何とも言えないところが有る。

一緒に居る限り容疑が慎司に向いてしまうことも有り別れを決意
するも、これからどんな方法でコンタクトを取っていくのか
気になるし、2004年の世界で"偶然"を装い集まった中で、一体
何が起きているのか。


杉下 希美 …… 榮倉奈々 (長女)
成瀬 慎司 …… 窪田正孝 (旅館さざなみの息子)
安藤 望 …… 賀来賢人 (野バラ荘)
西崎 真人 …… 小出恵介 (野バラ荘)
高野 夏恵 …… 原日出子 (茂の妻)
宮本 由妃 …… 柴本幸 (晋の愛人)
成瀬 周平 …… モロ師岡 (旅館さざなみの主、造船業衰退で・・)
成瀬 瑞穂 …… 美保純 (旅館さざなみの女将)
杉下 洋介 …… 葉山奨之 (弟)
杉下 晋 …… 光石研 (婿養子、建設会社を立て直す。60歳を前に・・)
杉下 早苗 …… 山本未來 (晋の妻、社長夫人だったが・・)
野原 兼文 …… 織本順吉 (野バラ荘)
野口 貴弘 …… 徳井義実 (夫、加害者・被害者)
野口 奈央子 …… 小西真奈美 (被害者、西崎と不倫)
高野 茂 …… 三浦友和 (元警察官、99年当時・青景島駐在所)

掛田誠、中川浩三、佐渡山順久、杉浦大介、梨木まい、大恵彩乃
山形匠、米重晃希、浜口悟

桐野繭子 …… 伊藤裕子 (希美のパートナー)
池園和幸 …… 山中崇 (民生委員)

松川貴弘、渋江穣二、城戸愛莉



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