Nのために
(2014年10月期・TBS・金曜22時枠)

原作 - 湊かなえ『Nのために』
脚本 - 奥寺佐渡子
演出 - 塚原あゆ子、山本剛義
主題歌 - 家入レオ「Silly」
プロデュース - 新井順子

http://www.tbs.co.jp/Nnotameni/





第10話 明かされる事件の真実…N達の未来
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事件当日、5時45分。
杉下は野口の将棋のブレーン役として安藤に勝つために野口に
指南していた。手はずではもうそろそろ西崎がやってきて
奈央子を助けるハズだが、なかなか来ず、これ以上時間を稼ぐ
のも難しい状況だった。早く来て・・と呟く中、時間稼ぎが
難しいとみるや、野口を負けさせようとしていた杉下は、
野口に勝つ方法が有るとして野口を引き留める。
その解法を知った野口は、これで安藤が僻地いきが決まった
事を語る。彼とはこの勝負で賭けをしていたとし、人事異動で
負けたら世界の果て・ダリナ共和国に異動させることが決まる
としていたのである。その勝負を受けたのは安藤であることを
聞かされる。
5時50分。西崎は到着する。
しかし不運にもマンションのエレベーターホールで安藤と西崎
は遭ってしまう。奈央子を助け出す計画の中に安藤は入って
いなかったことも有り、気まずい状況の中、安藤は西崎に対して
何を企んでいるのかと問う。「偶然だよ」という西崎。
そこで西崎は「杉下の罪の共有は究極の合いの愛の相手」である
ことを聞かされる。
安藤としてはそんなものは愛ではないとし、ただの自己満足
だとする中、安藤は最上階のラウンジで野口を待つ。
西崎は予定通りに奈央子の元にいき連れ出そうとするが、
奈央子は連れ出して欲しいのは私ではなく希美だと告げられる。
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さざなみの件では、高野は杉下と成瀬の共謀説を疑っていたが
実際には違うものだった。野口夫妻の殺害事件に関しても違和感
を唱えていた高野はさざなみの件で偏見を持って彼らを見つめて
いたことを受けてそれ以上の言及は辞めるという。果たして
野口家殺害に関して、西崎が自供した真相との違いは有るのか。

いよいよラストエピソード。
それぞれの思惑というのが最後になってエゴという形で現れて
しまい、計画の中に有る共有感というものが脆くも崩れた結果
に起きたものだということが描かれた。

それぞれにキズを背負ってしまった格好の流れだったけど、
肝心の西崎本人だけが救われるみたいな流れとして存在して
おり、結論としても不平等さというものを感じるところは有る
けど、安藤も知らないところで僻地行きを回避していたし、
結局ババを引いたのは杉下だったのだろうか。

ずっと杉下家の流れを引きずっている状況の中で、両親のその後
の消息とか気になっていたけど、悪人のようにして描かれた
父親はそのまんま幸せ家族として生きているし、母親との和解は
出来たものの、母親も幸せを掴んでいるところを見れば、
やはり杉下がババを引いている。
ただ当時と違って母親の求める「希美ちゃん」の言葉が、気味の
悪さを感じ無かったという辺りも、状況次第で印象が変わるということ
を示唆していて興味深い。バスを追いかける行動の中には、
かつてのような猟奇さは明らかになかったよね。

ドラマの盛り上げ方も上手くて、2つの事件が共に当初感じた
内容とは違う事件の全貌で、容疑者も違っているという辺りは
上手く描かれていたし、人生の困難に遭遇し、それに藻掻きつつ、
上を目指して前向きに生きようとする流れとしては、現実感も
有って面白く出来ていた。

やはり高校時代の描写を上手く挿入したところが良かったのかも。
そういう意味では韓国ドラマというのは、そういうところを上手く
描いているからこそ恋愛ドラマに於いて上手く感情移入出来る
ところが有るのだろうね。

最近のこの枠のドラマの雰囲気は悪くないね。
ジャニーズ枠でくだらないマンガチックなドラマも多かったけど
上手く「この枠のドラマは外れがない」というイメージを作って
いって欲しいところだ。


杉下 希美 …… 榮倉奈々 (長女)
成瀬 慎司 …… 窪田正孝 (旅館さざなみの息子)
安藤 望 …… 賀来賢人 (野バラ荘)
西崎 真人 …… 小出恵介 (野バラ荘)
高野 夏恵 …… 原日出子 (茂の妻)
宮本 由妃 …… 柴本幸 (晋の愛人)
成瀬 周平 …… モロ師岡 (旅館さざなみの主、造船業衰退で・・)
成瀬 瑞穂 …… 美保純 (旅館さざなみの女将)
杉下 洋介 …… 葉山奨之 (弟)
杉下 晋 …… 光石研 (婿養子、建設会社を立て直す。60歳を前に・・)
杉下 早苗 …… 山本未來 (晋の妻、社長夫人だったが・・)
野原 兼文 …… 織本順吉 (野バラ荘)
野口 貴弘 …… 徳井義実 (夫、加害者・被害者)
野口 奈央子 …… 小西真奈美 (被害者、西崎と不倫)
高野 茂 …… 三浦友和 (元警察官、99年当時・青景島駐在所)

池園和幸 …… 山中崇 (民生委員)
野原道文 …… 織本順吉 (野ばら荘大家)
広田公之 …… 福田転球 (高級レストラン、成瀬が働く店)
西崎真人 …… 若山耀人 (幼少期、虐待されていた)
西崎美雪 …… 中越典子 (虐待ママ)

西崎寛 …… 神崎孝一郎
多田医師 …… 財前直見

今村裕次郎、牧村泉三郎、伊丹英寿、高八賢、竹内隆治
江口俊哉、松本清治



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