おやじの背中
(2014年7月期・TBS・日21時枠)

脚本 - 井上由美子
演出 - 清弘誠
ナレーション - 徳光和夫
脚本スタッフ - 中村千明
プロデュース - 八木康夫
音楽 - 兼松衆





第9話 父さん母になる!?
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就活中の達也は面接にいく。尊敬しているのは父親で、父は
建設会社の土木工事部に勤務しているが、国内外の大きな橋
を建設したのだという。幼い頃には仕事で留守にすることも
多かったので親近感はなかったが就職活動をするようになって
男として仕事に賭けてきた父を尊敬し始めたのだという。
そんな父を見習いたいとするが・・・どう見ても嘘くさい発言
だとして誰の目から見ても見抜かれているだろうことを呟く。
自分は本当は父のことを尊敬していなかった。
会社人間としては成功者でも家族の父親としては最低だった。
恋人ののぞみに相談する達也は、彼の父が大手ゼネコンの
相陽建設の部長であり、父親に仕事の件で頼んでみたらどうか
と告げる。オヤジなんて頼りたくないという達也だが、寧ろ
利用するくらいの気概を持つべきだという。
それを聞いて達也も納得し、父の会社へと足を運ぶが、
彼の父・勝は本日付で退社している事を知る。
自宅に戻ると勝は妻・絵美や長男・達也、死せ何・寛太の
前で会社を本日付で辞めてきたことを語る。早期退職制度を
利用したので当分の生活は困らないはずだという。保険が
切れる前に再就職先を探すという勝。妻の絵美はそんなの勝手
だとして次男はまだ小学生である事を語る。
寧ろ勝は達也が何故一度も来た事のない俺の会社に来たのか
と問うと、大方就職の口利きをしてもらいに来たのだろう
として達也を責める。お前はコネを利用出来なくなってそれで
怒っているだけだという。
妻は仕事命のアナタがどういうことなのかと問い、いつも
酔っ払ってはドントリー橋の話ばかりをしていて、一生を
かける仕事である事を語っていたことを指摘。更に現在
白戸大橋の建設に着手しようとしていたのではないかと問う。
新しい専務とソリが阿合わなかった事を語ると、絵美はそんな
ことで辞めたのかとして、私は今日ブランド長にならないかと
して上司から打診があったのを断ってきたのだという。子育て
と仕事の両立が無理だと思ったからこその措置だとするが
勝はそれならば俺が明日から主夫をするので、朝一番で
事態で撤回して昇進話を受けろと語る。
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達也は就職活動が本格化し、アルバイトしているで焼き鳥屋を
休職して本格的に就職活動をする。しかしまるで就職活動は
うまくいかず、付き合っているのぞみからは、達也の父は大手
建設会社に勤めているので、コネで仕事を融通してもらったら
どうかと問う。達也は幼少期から仕事人間であり父・勝のこと
に対して微妙な心情を抱いていたが、いざ父の勤める会社に
いくと退社している事を知る。父は突然働いている妻・絵美と
逆転し、自分が主夫をしていくことを語る。

それぞれの立場を経験して改めて、如何に自分が身勝手な思考の元
で、自分の価値感だけを他人に押しつけ、それを求めていたことを
示す流れが有った。
大抵反抗している息子も社会人になって初めて父親というものの
偉大さを感じるし、父親というものもいざ家庭に入るようになって
初めて妻のしてきたことへの大変な仕事というものを感じていく
というもの。

全ての流れがオーソドックスさを孕んでいるが、理想と現実
との間に揺れながらも最終的には、初心に戻るべき原点を
息子から指摘されることで、父親が社会に復帰していくだけの
原動力を持ち始めて、そしてこれまでろくに家に居ることの
無かった父親とは真摯な形で話合い、男同士の拳のコミュニケーシ
ョンを通して理解を示していくというありがちな流れが有った。

子供が父親を超えるという境界線は何処に有るのか。
父親が偉大すぎるとそれが難しくて、諦めてしまう子供もいる
だろうし、人によっては腕力を超えた時こそ男として一人前に
なったとして気持ちを整理するものもいる。

全員がそれぞれの立場を理解した上で新たに再始動を始めると
いう前向きなドラマだったので悪くは無かったが、やはり一話
という枠ではちょっと手狭な感じはした。


新城勝 …… 内野聖陽 (父)
新城達也 …… 神木隆之介 (長男)
新城絵美 …… 夏川結衣 (母・アパレル)
松崎のぞみ …… 岡本あずさ (達也の彼女)
新城寛太 …… 高木星来 (次男)

久本雅美、岡本あずさ、飯田基祐、相島一之、蟹江一平
菜葉菜、高木星来、西慶子、麻生淳子、萩原利映
於保佐代子、久ヶ沢徹、北見誠、中村有沙、西崎あや
松永渚、しのへけい子、岡崎宏、河合透真、山川愛理
漆原志優、奥澤択馬、松田光世



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