第1話 奇跡の逆転劇!
涙の勝負!! 感動物語
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青島製作所役員会議室では、業績を巡って話合う。 納品している会社からの値下げの要求、東都モータースからの
新規の営業に於いても、相手の言いなりのような形での契約に よって利益の得ないような営業にそれぞれの部署の部長たちは
責任をなすりつけ合う。しかし要求を飲まなければライバル会社 であるイワキ電器に乗り換えられるという事情が有った。
またメインバンクである白水銀行からの来期の融資に於いて、 事業計画の立て直しをしないと融資が打ち切られるかも知れない
との圧力をかけられており、そんな話が出るだけでも会社として の信用を失うのである。
細川充は5年前に社長として就任した人物で、元々はこの会社の メイン事業となったデジカメのイメージセンサーの開発者でも
有った。細川は社内の大幅カットを銀行に提示し立て直す姿を 見せる為にも野球部の廃部をすべきことを唱える。
かつては青島製作所の野球部は社会人野球としては強豪に数え られていたが、今は残念ながら予選落ちするのが当たり前と
なっていた。ライバル企業であるイワキ電器との練習試合に 於いても0-12という大敗で負けてしまう。
練習試合を毎回見に来る製造部・配送課の長門は、自分の会社 の野球部に檄を飛ばすが・・
青島製作所監督の村野、エース投手の飯島、4番バッターの 新田こそ実績を残していたが、それ以外の選手の活躍はまるで
目立たなかった。 今年の社会人野球に於いても9戦目にして0勝8敗1分というみす
ぼらしい結果を見て、細川社長は廃部も当然だという。 しかし野球部存続を肯定的に見るものたちは、精密機器を
扱う会社として、営業としては野球部のお陰で浸透している ことも有るという。野球部の維持費には年間3億円を要して
いた。広告塔としてその金額が見合う物なのか。 役員会議で存続の可否を問うと、票は3対3に分かれる。
専務の笹井だけは答えを出さずにいた為に社長の細川から どちらを指示するのかと問われ、笹井は青島会長を説得する事
が出来るのであれば、野球部廃部に賛成することを告げる。
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