ルーズヴェルト・ゲーム
(2014年4月期・TBS・日曜21時枠)

原作 - 池井戸潤『ルーズヴェルト・ゲーム』(講談社刊)
脚本 - 八津弘幸、山浦雅大、西井史子
音楽 - 服部隆之
演出 - 福澤克雄、棚沢孝義、田中健太
ナレーション - 山根基世
脚本協力 - 山浦雅大、西井史子
プロデュース - 伊與田英徳、川嶋龍太郎





第4話 大ピンチを救うのは勇気!
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青島製作所の野球部は負けたに廃部だとされる中、青島製作所
は役員会議の場で、笹井はこれ以上の再建は難しいので民事再
生法の手続きをすべきではないかとして提案する。
そんな中、諸田は青島製作所のライバル会社のイツワ電器・坂東
昌彦と細川を呼び出すと、細川に対してイツワと合併しないか
と問う。板東からは前向きな答えをもらっているという。
今日、電器メーカーは海外メーカーに押されており、企業規模
を大きくする必要が有ること。多様さと営業力を持つミツワと
斬新さと想像力・技術力を持つ青島が合併すれば無敵だと語る。
細川はそれは対等合併と考えても良いのかと問うと、それは
当然だとし、細川に対して社長は君に任せたいという。板東は
自分は代表権のある会長に退くという。諸田は経営者にとって
一番大事なものは会社を潰さないことだと告げられる。

その頃、野球部は東京ベースボールチームと大会の試合を行って
いた。先発は猿田。監督の大道はID野球を駆使する中、あくまで
データは確率論でしかないこと。そして残すところ必要なのは
切り札だと語る。ミツワ電器の野球人たちも観客席で偵察、
青島製作所の社員たちも積極的に自社の野球部に関心を持って
応援する中で、大道の効果的に指示でなんとか7回までリードを
保つ。しかし猿田は限界がやってくると、沖原に対して最後の
仕上げを任せる。場内アナウンスに沖原がコールされ、名門校
の二葉西校出身だとされると、場内は途端にざわめき出す。
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野球部だけでなく屋台骨となっている青島製作所自身が民事再生
法の危機が訪れる中、諸田の仲介で、ミツワ電器との合併の選択
を持ち出される。対等合併だという都合の良い話を聞く中、
社内でも細川が陰で画策し、吸収合併をしようとしているのでは
ないかとする疑いをもたれる。
細川は社内の役員会議の場に於いて、役員たちからその件を
問われる中、仮の話だとして、対等合併を選ぶか、民事再生法を
選ぶとしたらどちらを選ぶのかと問いかける。細川自身も決断に
悩み、青島会長に話を聞きに行くと、過去に何度もそういう話は
出てきたことを語る。

うーん、イマイチ面白味を感じ無いのは何故だろうか。

流れ自体は想定の範囲内なのだけど、細川自身が会社の為と称して
青島製作所にどれだけの思いが有るのかがまるで提示されていない
ところが一番の問題なのかも。外部から来たコンサルタントだから
こそ、正しい決断が出来ると言いたげな感じだけど、結果的には
彼らしい決断というのがまるでなく、どの流れも後付け的流れと
して存在していて、逆転劇にまるで爽快感を感じ無い。
悲しいことに、「ノー」と言える、花咲舞が黙ってない
方が遥かに面白いところでエンターテイメント性が発揮されて
いるというところがなんとも悲しいところ。

奇しくも現在NHKで放送中のグッドワイフという弁護士の物語
に於いても主人公を所属するロックシハートガードナー事務所は
民事再生の危機にあり管財人・ヘイデンが事務所の経理をチェック
して回っており、時に合併の話などを持ち出して来たりもするの
だけど、このドラマに於いて、労働者たちの頑張りようというのが
野球部だけでしか描かれて居らず、経営陣だけが円卓で会議して
いるだけで、どんな状況に有るのかまるで会社の全体像が数値
以外に提示されていないこともドラマに肩入れしづらい状況を
作っている感じがする。

どうみても板東も諸田も悪人だ。
都合の良い話を持ち出して来てもそこに裏があることは明らか。
そのロジック自体も単純なもので、信頼関係の無い単なる口約束が
本当にそのまま実行されるのかどうかは誰も目から見ても明らか。

この会社にある可能性というものがどれだけのものなのか、
まるで提示されていない為に、奇策が奇策として写らず、結果的
に一つしかないと思っていた選択肢を秘書が見つけたようにしか
写らないし、無駄だと思っている野球にこそ活路を見いだせた
というところが、どれだけ役員や社員たちにも伝わっていくのか
というところなのだろうか。

野球のシーンに於いても毎回沖原の救世主パターンでは恐らく
飽きが来るはず。序盤で既に沖原という切り札を出しまくって
いる状況の中で、爽快感を持って最後まで楽しめる作りが出来る
のか。


細川 充 …… 唐沢寿明 (青島製作所・社長)
三上 文夫 …… 石丸幹二 (総務部部長兼野球部部長)
朝比奈 誠 …… 六角精児 (製造部部長)
豊岡 太一 …… 児嶋一哉 (営業部部長)
神山 謙一 …… 山本亨 (開発部部長)
中川 篤 …… 小須田康人 (経理部長)
笹井 小太郎 …… 江口洋介 (専務)
青島 毅 …… 山ア努 (創業者。会長)

青島製作所・野球部
大道 雅臣 …… 手塚とおる (監督。ID野球)
古賀 哲 …… 高橋和也 (マネージャー)
北大路 犬彦 …… 和田正人 (ライト)
井坂 耕作 …… 須田邦裕 (主将。キャッチャー)
猿田 洋之助 …… 佐藤祐基 (ピッチャー)
萬田 智彦 …… 馬場徹 (ピッチャー)
松崎 …… 大橋一三 (コーチ)
鷺宮 …… 小橋正佳 (レフト)
古城 …… 片山享 (キャッチャー)
荒井 亮太 …… 岩間天嗣 (レフト)
倉橋 …… 北代高士 (ピッチャー)
円藤 …… 檜尾健太 (ファースト)
二階堂 …… 高良亘 (ショート)
須崎 …… 木更津与兵衛 (サード)
水木 …… 久保孝真 (キャッチャー)
仁科 …… 足木俊介 (センター)
島野 …… 大内田悠平 (セカンド)

仲本 有紗 …… 檀れい (秘書課社長秘書)
沖原 和也 …… 工藤阿須加 (製造部梱包配送課派遣社員)
山崎 美里 …… 広瀬アリス (製造部梱包配送課員)
長門 一行 …… マキタスポーツ (製造部梱包配送課課長。試合を観戦)
橋爪 佐代 …… 山野海 (食堂おばちゃん)
田川 …… 山本圭祐 (沖原の先輩社員)

坂東 昌彦 …… 立川談春 (イツワ電器社長)
花房 志穂 …… 平井理央 (イツワ電器秘書課社長秘書)
村野 三郎 …… 森脇健児 (イツワ電器/監督。元青島野球部監督)
飯島 健太 …… 林剛史 (イツワ電器/元青島野球部エースピッチャー)
新田 達彦 …… 松藤和成 (イツワ電器/元青島野球部4番打者。レフト)
如月 一磨 …… 鈴木伸之 (エースピッチャー)
諸田 清文 …… 香川照之 (ジャパニクス社長)
水上 …… 戸田昌宏 (ジャパニクス購買部部長)

磯部 …… 峰竜太 (白水銀行支店長)
尾藤 辰五郎 …… 坂東三津五郎 (東洋カメラ社長)

増田英彦、信太昌之、末松弘平、青木勇人、松野正幸、足立英
柳翔子



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