戦力外捜査官
(2014年1月期・日テレ・土曜21時枠)

原作 - 似鳥鶏 『戦力外捜査官 姫デカ・海月千波』
脚本 - 鴻上尚史
音楽 - 小西康陽
演出 - 中島悟、初山恭洋
プロデューサー - 次屋尚、大塚英治
チーフプロデューサー - 伊藤響
主題歌 - EXILE TAKAHIRO「LOVE STORY」




第1話 ドラマ初挑戦EXILEのTAKAHIROが武井咲とコンビを組む非正統派刑事ドラマ
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千波はブタに踏みつぶされる夢を見る。
空手道場で指導する恭介。

そんな中、黒木管理官は川荻係長を呼び出すと18係にキャリア
組がくる事を告げ、本人の希望で捜一での捜査官になりたい
と語っている事を告げる。しかしキャリアのミスは俺たちの
ミスとして処理される事は必至故に、キャリアには決して捜査
をさせないことだと告げる。

千波は18係へとやってくる。
警察官としての位は警部だがここでは新人として扱って欲しい
事を告げる。川荻は恭介に対して千波の指導係を命じるが
決して現場の捜査には加えるなと語る。

そんな中、森山からは事件が起きたとの知らせが入る。
大田区川栄町で殺人事件が起きたというのである。太田東署に
捜査本部が設置されるので18係も現場に急行しようという。
しかし恭介に対して決して千波を連れてくるなと言われる。
千波は一刻も早く捜査本部へと行きたい事を語るが、恭介は
それを止める。千波は埒があかないと見るや、恭介に対して
警部からの命令だとして現場に行くよう指示する。先ほど
は新人として扱えと言ったのに・・・恭介は矛盾点を指摘しよ
うとするが既に千波にも心を読まれていた。

殺人事件で亡くなったのは太田区立南川中学2年生の山下達也
(14歳)だという。胸部に銃弾を受けたもので、死亡推定時刻は
午後23時から午前2時の間。マスコミも注目する事件だとする
中で千波達が捜査本部に来ている事を知り、改めて本庁で
待機しろとの命令が下る。

捜査員たちは中学周辺で聞き込み被害者について尋ねて回る。
すると誰から聞いても良い人であり、勉強も熱心でマジメ
な生徒だったという。
そんな中鑑識の中西は、山下殺害に使用された銃は3年前の
金子金融の強盗殺人事件に使用された銃だと判明する。
3件の金融会社が襲われた事件で、容疑者は近くに居て職質を
かけて捕まった伊賀和夫だという。最初の2件の犯行は
認めたが殺人事件の有った3件目の事件に関しては容疑を
否認し凶器も見つからなかったことから送検はされなかった
のだという。その彼が2日前に出所している事が分かる。
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    捜査一課18係にキャリア組の女性・千波がやってくる。
東大在学中に国家公務員I種試験に一発合格した才女でキャリア
として有望株だった。しかし彼女は志願して現場での捜査官で
の経験を求める。そんな彼女のお目付役として任されるのは
巡査の設楽恭介だった。

如何にもデカワンコの雰囲気を踏襲した設定のドラマ。
冒頭から安っぽいCGでの演出を見てかなり意気消沈しつつ、
淡々としたドラマが展開されるも、デカワンコで培った制作陣
たちがきっと軌道修正してくれるだろうことを期待してみる。
冒頭の夢が物語の顛末の概略を表していくのかも知れないけど
正直要らない演出かも。
BONESのスピンオフのザ・ファインダーみたいなドラマ
だった。

設定としてははみ出された刑事たちが事件を別の角度から解決して
いくということで、刑事ドラマとしてはありがち。「相棒」的な要素とも
言えるのかも。

もう少しコメディならコメディで全体的にコミカルに描いても
良いのだろうけど、そうなりきれない所もある感じ。主人公の
方向音痴ネタが相当邪魔くさく感じる時点で恐らくまだ設定として
ハマり切れていないのだろうな。

一番の見所が少年とのやりとりで千波という人物を表現する際に、
踊る大捜査線の青島とか相棒の右京を引き合いに出した
ところだった。恭介の人物像に関しては、「プレイ?」が象徴
するようイケメンなのに誤解されていくところに繋がっていくの
だろうし、空手道場に通っているというところから、やたらと
格言責めに合わせていきそうな気配がするけど、実際の行動と
その辺の言葉のバランスが上手く合致していくとドラマとしても
面白い形で潤滑剤として機能していくのかも知れない。

拳銃強盗の割りに起訴出来なかったのか3年で出所している
殺人犯とか、容疑者が小学校に拘る理由付けに対してそのまんま
やっぱり殺人犯だったのかという突っ込み処も有ったりして
イマイチ捻りも足りない印象も有った。

虐めを認めない教師に対する叱責をしていたみたいだけど、
その辺もちょっぴりナンセンスなところで結論づけた感じが
するな。初回から主人公が虐められていたとする辺りの設定を
利用して解決を図るという身を削る捜査によって、主人公自身の
境遇から来る容疑者像へのアプローチを見せる辺り、その特異性
を使い切ってしまった印象も有るし、こういうのはもう少し後々まで
隠して於いた方が良かったのかも。



海月千波 …… 武井咲 (23歳、捜査一課18係・キャリア組)
設楽恭介 …… TAKAHIRO (28歳、捜査一課18係、巡査)
川萩剛 …… 八嶋智人 (44歳、捜査一課18係・警部)
大友洋 …… 徳重聡 (33歳、捜査一課18係、巡査部長)
双葉大介 …… 木下隆行 (41歳、捜査一課18係、警部補)
森山薫 …… 濱田マリ (41歳、捜査一課18係、警部補)
北里亮介 …… 野間口徹 (37歳、捜査一課18係、巡査長)
関川直樹 …… 渋谷謙人 (28歳、捜査一課18係、巡査)
中西文彦 …… 手塚とおる (鑑識課・警部補)
田淵亜利砂 …… 水沢エレナ (刑事総務課)
井上信光 …… 小籔千豊 (47歳、警視庁・警視)
小早川安博 …… 佐野史郎 (51歳、警視庁・副総監)
海月健夫 …… 伊吹吾郎 (千波の父)
海月桃子 …… YOU (千波の母)
越前憲正 …… 柄本明 (55歳、警視庁・警視総監)
金城新十郎 …… 関根勤 (64歳、空手「虚心館」道場主)
金城斗志美 …… 北川弘美 (新十郎の娘)
ミハエル …… ノエル(犬)

黒木勝 …… 大高洋夫 (捜査一課18係)
伊賀和夫 …… 六平直政 (強盗殺人犯)

庵原涼香、橋本智哉、矢部光祐、鴻上尚史(声)

飛田光里、渋谷樹生、内田琉果、上田晟人、豊友大
青木海翔、谷山毅
小倉一郎、篠塚勝
野々村のん、佐藤裕、二村祐樹、川嶋紗南、松本来夢、原優太
藤村佳南

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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