戦力外捜査官
(2014年1月期・日テレ・土曜21時枠)

原作 - 似鳥鶏 『戦力外捜査官 姫デカ・海月千波』
脚本 - 鴻上尚史
音楽 - 小西康陽
演出 - 中島悟、初山恭洋
プロデューサー - 次屋尚、大塚英治
チーフプロデューサー - 伊藤響
主題歌 - EXILE TAKAHIRO「LOVE STORY」





第6話 家政婦の三田山さんは見た!恋愛小説家殺人事件の全て
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桃子は朝から佃島の銘菓「つるや奇跡堂」の羊羹を手に入れた
として健夫や千波と共に食する。なかなか手に入らないもの故
に味わい深いと語る。桃子は千波に、あるクイズを出す。
羊羹を切り分け有った二人がケンカせずに分け合う方法は有る
のかどうかということ。

越前は千波たちが遊園地で被疑者を逮捕したことで表彰する。
北里や大友もその席に同席。
越前は小早川の前に現れる、千波が評価されることがそんなに
不満かと問い、組織にとって彼女は必ず必要になると語る。

田淵は捜査一課18係の為に実家から送られて来たみかんをお裾分け
する。田淵の実家は何処なのか?と問われ、和歌山県だが、去年
にも同様のことを聞かれたのに誰も覚えていないことに憤怒する。

そんな中世田谷区・成城で変死体が発見されたとの通報を受ける。
自宅で死亡したのは、高村芳樹(53歳)。恋愛小説作家で、
第一発見者は家政婦をしていた三田山だという。死因は恐らく
一酸化炭素中毒による死で、旧型のストーブが使用されている
ので換気を怠ったことが原因だとされる。
三田山によると、昨夜は7時頃、高村先生とマネージャーの玉置優
の夕食を作って8時には帰宅したという。先生はエアコンが
嫌いで古いストーブを使っていたので換気には気をつけていた
という。

高村が小説を出版している談文社の編集・佐渡博雅から話を
聞くと、8年近く高村を担当し付き合っていたという。悩みが
有ったようには見えないとの事だった。
玉置によるとマネージャーの仕事はほぼ雑用のようなことを
していたという。昨夜高村邸で夕食を食べて、夜10時には帰った
という。高村に家族は居るのかと問うと、5年前に別居した妻・
桜子がいて、中学生の子供がいるのだという。
私が家を離れた際には先生はライトノベル小説を読んでいた
事を告げ、指を怪我していたので、ページがめくりづらそうだった
との事だった。

そんな中中西、被害者の体内から睡眠薬が検出されたことを告げる。
森山は高村の大ファンであり、最近3年間に5作品を出版している
がその内の3冊はベストセラーであり、自殺の動機などあるはず
はないと熱く語る。
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ドラマは現実でも発生している現在進行形のエセ和製ベートーベ
ンを皮肉ったような事件で、ゴーストライターの反乱を描いたもの。

ドラマの構成・演出自体は、金曜ナイトドラマの私の嫌いな探偵
を昭和風にしたような感じで、素人探偵と化している家政婦の
三田山が妄想・想定した事件のあらゆる可能性を、実際に
演じさせてその可能性を潰していくというもの。

とにかく昭和っぽいコメディドラマ化してしまっているので
相当好みが分かれると思うが、正直、推理「私の嫌いな探偵」での
やりとりと比較してしまうとどうしても荒さが目立つし、
やりとりやリアクションが昭和化しすぎていて、素直に楽しめ
ない部分が多い。昭和時代に作られたこの手のドラマだと楽しめる
のに平成時代に作られた昭和風のドラマは面白くないというのが
一番の皮肉だ。

未必の故意自体も珍しくはないが、それを証明するのはもっとも
難しいこと。

冒頭からのネタフリで、本物と偽物の違いは何かを唱えるものが
有ったので、この流れに繋がっていくのかとか、師範が語る
言葉がどのようにして事件の真相と結びつくのか、見る人によって
は楽しい演出なのかも知れない。

この世の中、人が二人存在すれば必ず個々のエゴから、争いが発生
するという所がある。一つの巨大な利権を通して、それをケンカせず
に分け合う為にはどうしたら良いのかということがテーマとして存在
しており、その主張自体は悪くは無かったと思うが、やはりコメディ
故に面白さとくだらなさは表裏一体という感じ。

小説家に対する拘りを持っていた森山自身が、本人の小説の文体を見
誤っているという辺りが正直理解出来ないところだけど、この世の中
に於ける商業主義的側面を排除して物事を眺める事が出来れば、この
先も"高村芳樹"の世界感を堪能出来るというところか。


海月千波 …… 武井咲 (23歳、捜査一課18係・キャリア組)
設楽恭介 …… TAKAHIRO (28歳、捜査一課18係、巡査)
川萩剛 …… 八嶋智人 (44歳、捜査一課18係・警部)
大友洋 …… 徳重聡 (33歳、捜査一課18係、巡査部長)
双葉大介 …… 木下隆行 (41歳、捜査一課18係、警部補)
森山薫 …… 濱田マリ (41歳、捜査一課18係、警部補)
北里亮介 …… 野間口徹 (37歳、捜査一課18係、巡査長)
関川直樹 …… 渋谷謙人 (28歳、捜査一課18係、巡査)
中西文彦 …… 手塚とおる (鑑識課・警部補)
田淵亜利砂 …… 水沢エレナ (刑事総務課)
井上信光 …… 小籔千豊 (47歳、警視庁・警視)
小早川安博 …… 佐野史郎 (51歳、警視庁・副総監)
海月健夫 …… 伊吹吾郎 (千波の父)
海月桃子 …… YOU (千波の母)
越前憲正 …… 柄本明 (55歳、警視庁・警視総監)
金城新十郎 …… 関根勤 (64歳、空手「虚心館」道場主)
金城斗志美 …… 北川弘美 (新十郎の娘)

二ノ宮 梨奈 …… 庵原涼香 (道場に通う子)
小室 拓海 …… 橋本智哉 (道場に通う子)
阿部 祐太 …… 矢部光祐 (道場に通う子)

高村芳樹 …… 大谷亮介 (恋愛小説で有名な作家)
三田山雅代 …… ふせえり (家政婦)
玉置優 …… 三宅弘城 (高村のマネジャー)
佐渡博雅 …… 佐野圭亮 (出版社)

岩橋道子、伊藤慎介、橋本亜紀、加藤マサキ、玉嵜兼一郎
内藤浩次、福島真橘、藤田由美、島村絵美子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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