戦力外捜査官
(2014年1月期・日テレ・土曜21時枠)

原作 - 似鳥鶏 『戦力外捜査官 姫デカ・海月千波』
脚本 - 鴻上尚史、関えり香
音楽 - 小西康陽
演出 - 中島悟、初山恭洋
プロデューサー - 次屋尚、大塚英治
チーフプロデューサー - 伊藤響
主題歌 - EXILE TAKAHIRO「LOVE STORY」





第10話 警視庁にアイドル殺害予告メールが!18係が立ち向かう最後の難
事件!本当の正義とは本当の愛とは…若い二人の刑事が直面する難問題と
その真相!笑いと涙の超感動2時間スペシャル!
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高畑あきら(29歳)の殺人事件に於いて18係は、容疑者・杉田裕治
が属する半グレ「ザラキ」のアジトを全員で取り囲む。
室内では杉田は岩田和也(24歳)に対して一冊の本"八月の犬は二
度吠える"を手渡す中、18係は踏み込むタイミングを見計らう。
相手が銃を所持している上に構成人数もそれなりに多く、逮捕
劇に於ける激しい銃撃戦が予想された為だった。
千波はこれ程大きな事件の検挙に乗り出すことが無かった為に
少なからず緊張していた。それを察して恭介は深呼吸する必要性
を唱えると、千波は思わずその過程で自分の所持する銃を誤射
してしまう。それをきっかけに逮捕劇が始まり、アジト内では
激しい銃撃戦が起きるも、なんとか無事負傷者を出すことなく
逮捕することが出来た。捜査本部にいた川萩にも確保したことが
伝えられる。しかしその影で岩田だけは取り逃していた。

中西は18係に振り付けを指導する。
3月15日に人気アイドルの一人・夏野萌果(モカ)(愛称:モカノフ)
が一日警視総監をすることになっていたが、その時のパレード
に於いて18係も彼女と踊ることになっていたのである。彼女は
ドラマ「即戦力刑事」の主人公としても活躍。その甲斐も有って
一日警視総監が実現したのである。ミーハーなファンである
中西、北里、関川はモカに会えると考えて張り切る中、みんな
慣れない振り付けに戸惑う。大友は斗志美がそのパレードを
見に来ると知って張り切っていた。

仕事を終え帰宅する千波。
いつものように両親からは千波の恋愛関係を心配され、好きな
イチゴを暗喩として千波が恭介を選ぶか、大友を選ぶか、北里
を選ぶのかを問い詰める。私は全てを食べるという千波に肉食
系だとしながらも、母は久しぶりに得意のアメリカンジョーク
でその場を和ませる。

そんな中、小早川は越前の元に行くと、警視庁宛に何者かから
"警視総監を殺害する"というメールが届いたのである。その日
は夏野萌果が一日警視総監をすることになっていたが、彼女を
狙ったものなのか、現役の警視総監である越前をターゲットに
しているのかは分からないという。しかしメール一通だけで
中止にイベントをすべきかどうかで対応に苦慮しているとのこと。

更に岩田和也(24歳)が刺殺体として発見される。
彼は半グレ「ザラキ」のメンバーの一人で、鋭利な刃物で何度
も刺されていた。強い憎しみがあるのだろうとのこと。
検死の結果、死亡推定時刻は昨夜10時から12時、鋭利な刃物
で刺されたことによる失血死だという。岩田のアパートにある
パソコンを調べた結果、警視庁宛に警視総監殺害をメール送信
したのがこのパソコンからである事を知る。メールはマスコミ
にも未発表だったことも有り、犯人である可能性は高かった。
しかし何故岩田がそんなメールを送ったのかが疑問に残る。
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いよいよ最終話。

鴻上さんのシナリオの中では最終話にして一番面白かった。
本の宣伝までしていた格好だったけど、
ドラマ自体が言いたいことはこの一話の中に全てが集約されて
おり、これを示唆する為にこれまでに細々としたエピソードと
して描かれていたのだろうけど、これまでの見せ方がもう少し
良ければ、「デカワンコ」のような味わいの深さも感じられた
のかも。

最終話は多少お遊びが過ぎて雑だと思う所もあれ、綺麗な形で
終えたことも有り、上手く構成されていたと思う。終わり良け
れば全てよしと言った感じかな。

クイズに拘りを見せていた理由付けというのもある程度説明が
有ったし、越前と千波の関係、そして越前の犯した過去の罪
に関して、今回事件の中で起きたドラマとダブらせ真相に導かせた
こと。この謎を解けた人にこそ自分を罰してもらいたかった
のだろうし、その為のテストをしていた感じだね。

このドラマを特徴付けていた、千波の"違法な逮捕"と、"戦力外"
というものを利用して最後は何とかそのテーマ性を活かした
結論へと導いていった。
途中からこのテーマ性を見失ってしまい連ドラとしては辛い
内容だったけど、取りあえずは最後にその意図がハッキリした
ので良かったのではないかな。

「一番強い動機を持つ物は誰か」。
色々と主張していたけど、それを真っ先に考えるのが事件捜査に
於いて最も当たり前のような感じがして、わざわざ主張すべき
ことなのかと思わず突っ込まずにも居られなかったけどね。

レクター博士ばりに刑務所内からヒントを与えるという
安川真紀の使い方ももう少し上手い理由付けで今回の事件と
関わらせれば良かったんだけどね。この人は単なる子供を思う
母親の気持ちを知るというだけで、今回の事件とはまるで
接点もなければ、特別に研ぎ澄まされた感覚があるとする理由
付けとしては相当弱いものがある。

ロープで縛られた際のやりとりとかそれなりに面白く出来て
いたし、告白するまでの関係ではないけど、なんかこの二人の
関係を見守りたいみたいな感じのところでドラマを回すのが
一番ドラマとしては面白いと思う。


海月千波 …… 武井咲 (23歳、捜査一課18係・キャリア組)
設楽恭介 …… TAKAHIRO (28歳、捜査一課18係、巡査)
川萩剛 …… 八嶋智人 (44歳、捜査一課18係・警部)
大友洋 …… 徳重聡 (33歳、捜査一課18係、巡査部長)
双葉大介 …… 木下隆行 (41歳、捜査一課18係、警部補)
森山薫 …… 濱田マリ (41歳、捜査一課18係、警部補)
北里亮介 …… 野間口徹 (37歳、捜査一課18係、巡査長)
関川直樹 …… 渋谷謙人 (28歳、捜査一課18係、巡査)
中西文彦 …… 手塚とおる (鑑識課・警部補)
田淵亜利砂 …… 水沢エレナ (刑事総務課)
井上信光 …… 小籔千豊 (47歳、警視庁・警視)
小早川安博 …… 佐野史郎 (51歳、警視庁・副総監)
海月健夫 …… 伊吹吾郎 (千波の父)
海月桃子 …… YOU (千波の母)
越前憲正 …… 柄本明 (55歳、警視庁・警視総監)
金城新十郎 …… 関根勤 (64歳、空手「虚心館」道場主)
金城斗志美 …… 北川弘美 (新十郎の娘)

二ノ宮 梨奈 …… 庵原涼香 (道場に通う子)
小室 拓海 …… 橋本智哉 (道場に通う子)
阿部 祐太 …… 矢部光祐 (道場に通う子)

夏野萌果 …… 宮崎香蓮 (人気アイドル)
岩田和也 …… 師岡広明 (24歳、刺される、モカと付き合っていた)
安川真紀 …… 銀粉蝶 (放火で死刑囚)
夏野浩太郎 …… 増田英彦 (萌果の父、DV)
朝霧悦子 …… 長野里美 (萌果の母、逃走)
原口 聡 …… 吉田智則 (マネージャー)
宇田川 充 …… 加納幸和 (元刑事、ゲイバー)
古河 …… 伊藤正之 (刑事)
秋沢 勝治 …… 岡田正典 (警視庁組織犯罪対策第3課)
杉田 裕治 …… 渡辺芳博 (半グレグループザラキリーダー)
平林 沙絵 …… 三本采香 (清子の孫)
ミスターX …… ボリス
ユウ …… ベルティウム・アンドレイ


並木幹雄、、勝倉けい子、三上陽永、川嶋秀明
安達大輝、川上奏龍


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