失恋ショコラティエ
(2014年1月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 水城せとな『失恋ショコラティエ』
脚本 - 安達奈緒子
プロデュース - 若松央樹、小原一隆
演出 - 松山博昭
音楽 - Ken Arai
主題歌 - 嵐「Bittersweet」(ジェイ・ストーム)





第2話 今夜も”妄想”と片想いが止まらない
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日本に帰国した爽太はいよいよショコラ・ヴィを開店する。
そんな中、爽太は有る夢を見る。いつものように紗絵子を求め
るものだったが、オリヴィエが出てくると、彼女に振り向いて
もらう為には「もっと悪い男にならないといけない」というよ
うな事を言われる。
店の開店日に紗絵子が約束通りやってくるか気になる中、
爽太は相変わらず妄想に耽る。彼女は一番最初の客ではなかった
がそれでも来てくれたことに喜びを覚える。一生俺の客になって
もらえれば良いとして、自分のチョコの味で紗絵子を魅了する
ことを口にすると、薫子は気持ちが悪いとして敬遠される。
しかし翌日の爽太は昨日の態度とは逆に爽太が冷静に振る舞う
姿が有り、紗絵子としてはそれを敏感に感じる。爽太は店に
傘を忘れたふりをして爽太に届けさせようとするが、それに
敏感に反応したのは薫子だった。
薫子は昨日とは彼女に対する態度が違う爽太にどういうことか
尋ねると、舐められすぎるのもダメであり、犬みたいにまっすぐ
に動いても紗絵子の気持ちは動かせないとして、自分の価値を
高めて敷居を高くして紗絵子から近寄ってくるような人物になる
様罠を仕掛けるのだという。自分はもっと悪い男にならなければ
ならないことを告げる。
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    爽太は紗絵子がいたからこそ今の自分があると感じていた。
彼女が店に来ないと見るや、どうしても商品のアイディアにも
インスピレーションが生まれず、改めて彼女の大きさを感じる。
自分が悪い男になれば色気が出て、紗絵子の嫉妬心を煽ること
も出来るのかと考えた彼は、今までとは違った攻略で紗絵子の
気を引いていこうとする。

恋愛に於ける微妙な男女の駆け引きというのを面白く出そうと
しているのだろうけど、それが不毛なところで動いている感じ
がしてくるのは、やはり紗絵子が結婚をしてしまったという
事実が有るからなのだろうか。

薫子が語った事が真理であり、「爽太は一体何をしようとしている
のか、何処に向かっているのか」理解出来ない部分が多いところが、
イマイチこのドラマに於ける良さを打ち消しているようにも感じる。

恋愛の駆け引きを楽しむ世代には楽しく見ることが出来るのだろう
し、ある程度の年齢層になると意外とこういう駆け引きがまどろっ
こしく思えてくるので、そういう駆け引きをしていた頃の良さを
思い出してはほほえむことの出来るドラマになれば良いのだろう
けど、やっぱりドラマを見ていると面倒なことをしているとしか
思えない。

意中の相手の気持ちを自分に向けるというのは簡単な事ではないこ
とは分かるし、自分を高めて相手を振り向かせたい気持ちだったり、
興味を持たれ続ける為には、常に人間として成長していかねばなら
ないことも分かるので、ほどよい恋愛関係の距離感が人生の
モチベーションとなっている部分もよく分かる。

ただこのドラマの辛いところは、ショコラでしか紗絵子との繋がり
がないという部分だと思う。もちろんそのお陰で、切なく感じる部分も
有る。買い置きしていたチョコレートがなくなってしまったことで
の切なさが募っていくという下りは、爽太がフランスに渡った時
と同じ状況である。
ただ毎回店に来ないと関係が成立しないとする設定がドラマと
しても敷居を高くしている感じで、人はそんなにチョコレートを
食べないだろうと思わず突っ込みたくなったりもするんだよね。

メールが来る・来ない、送るべきか送らざるべきかの葛藤などは
結婚をする前に起こすべき葛藤だったと思うし、妄想シーンが
多いので、時々爽太の行動が現実なのか妄想なのか視聴者に
分かりづらいという点もちょっとマイナスかも。
というか、あんまり態度を急変させると純粋さを通り越して
二重性を持つそのまんま危ない人間にしか思えないところが有る
ような・・・



小動爽太 …… 松本潤 (チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」)
高橋紗絵子 …… 石原さとみ (爽太の高校時代の1つ先輩)
井上薫子 …… 水川あさみ (「ショコラ・ヴィ」のベテランスタッフ)
オリヴィエ・トレルイエ …… 溝端淳平 (「ショコラ・ヴィ」のパティシエ)
加藤えれな …… 水原希子 (ファッションモデル)
小動まつり …… 有村架純 (爽太の妹で大学生)
六道誠之助 …… 佐藤隆太 (チョコレート専門店「RICDOR」)
小動誠 …… 竹中直人 (父、パティスリー「TOKIO」のオーナー)
関谷宏彰 …… 加藤シゲアキ (「RICDOR」の従業員)
吉岡幸彦 …… 眞島秀和 (紗絵子の婚約者、「グルメシーカ」副編集長)

筧美和子、折井あゆみ、佐藤栞菜、矢野奨吾、Loic Garnier
Anthony Ripoll

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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