失恋ショコラティエ
(2014年1月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 水城せとな『失恋ショコラティエ』
脚本 - 安達奈緒子
プロデュース - 若松央樹、小原一隆
演出 - 松山博昭
音楽 - Ken Arai
主題歌 - 嵐「Bittersweet」(ジェイ・ストーム)





第3話 走り出した恋、それぞれの告白へ
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紗絵子に対して冷たい発言を繰り返したことで、彼女は一ヶ月
の間、爽太の店には来なくなる。爽太としては彼女に気にとめて
もらうが為に悪い男になる事の必要性を唱えているが、寧ろ
彼女と会えない日々を考えると、その行動自体に意味があるのか
どうか。自分自身が何故紗絵子に対して固執しているのか
心が中途半端に陥る。しかしそれでいて、きっぱり関係を諦め
られるのかと言われると、どうしても後ろ髪を引かれる思いが
していた。
えれなはハワイロケから帰省すると真っ先に爽太に逢いに来て
くれる。彼女がハグしているのを見た薫子は、爽太と二人が
深い関係にある事を悟る。そんな中、タイミング悪く、紗絵子
が来店すると、取り繕うことをせず、爽太の中では、また悪い
自分を演出することで、紗絵子の気を引こうとする行動を取る。
紗絵子の姿を見た後にも、えれなとのコミュニケーションを
取る爽太。しかし紗絵子には彼女とは単なる友達であり、
彼女は六道に対してもキスをしたりする性格である事を語る。
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ドラマとしてはとても面白いのだけど、恋愛に対する駆け引き
よりも、今の所、正しいセフレとの付き合い方みたいな現代的
感覚の方が勝っている感じ。
こんな理想的なセフレとの付き合い方ってあるのかってくらい
寧ろ普通の恋愛よりも誠実さを感じてしまうところが笑えるけど、
世の中夫婦関係を維持する為に、外で愛人を持つことで
私生活が円滑になるというパターンも有るのだろうから、人間
とは分からないものだ。

今回の面白かったところは、紗絵子の気持ちが元々爽太に有った
のではないかとする事実を投げかけたこと。

そして何よりも一方通行の関係が描かれる中で、形だけでも交わり
あっているものが、実は最も互いの心の中身をはき出しあえて、
関係を深めているというところの皮肉さ加減を感じるところだった。

相変わらず恋愛関係に於ける主導権争いは面倒な感じ。
個々のエゴが存在しているからこそ、恋愛は面白いのだろうけど、
やっぱり面倒臭い。
空気を読むという人間の心理的駆け引きは、個々の間に於いても
存在するんだなと思うと、なんだか何もかも面倒に感じる。

一度は痛い目に遭った方が良いとして、傷つくことが分かって
いても放置プレイで見守るオリヴィエの中にも、それぞれに
持つ価値感が存在しており、薫子が紗絵子から影響されている
のと同時に色んな価値感を他人から吸収して、自分の価値感へと
昇華させようとしているところは、なかなか面白いと思う。

色々と言葉にすると気づかされることも多く、このドラマを
見ていると、改めて恋愛学の基本を唱えられている感じがして
面白いのだろうね。

日本版の「Sex and the City」になれば良いのかも。
日本人の価値感もふんだんに盛り込まれているし、好感が持てる
のは、登場人物が少ない中で、上手く物語を構成している点だと
思う。


小動爽太 …… 松本潤 (チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」)
高橋紗絵子 …… 石原さとみ (爽太の高校時代の1つ先輩)
井上薫子 …… 水川あさみ (「ショコラ・ヴィ」のベテランスタッフ)
オリヴィエ・トレルイエ …… 溝端淳平 (「ショコラ・ヴィ」のパティシエ)
加藤えれな …… 水原希子 (ファッションモデル)
小動まつり …… 有村架純 (爽太の妹で大学生)
六道誠之助 …… 佐藤隆太 (チョコレート専門店「RICDOR」)
小動誠 …… 竹中直人 (父、パティスリー「TOKIO」のオーナー)
関谷宏彰 …… 加藤シゲアキ (「RICDOR」の従業員)
吉岡幸彦 …… 眞島秀和 (紗絵子の婚約者、「グルメシーカ」副編集長)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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