失恋ショコラティエ
(2014年1月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 水城せとな『失恋ショコラティエ』
脚本 - 安達奈緒子
プロデュース - 若松央樹、小原一隆
演出 - 松山博昭
音楽 - Ken Arai
主題歌 - 嵐「Bittersweet」(ジェイ・ストーム)





第5話 切ない切ない切ない…
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爽太は1月22日は紗絵子の誕生日だと知って自分の好きな場所
へと彼女を連れて行くと、一緒に朝日を見る。
しかしそれは爽太が見た妄想だった。
ショコラを作っていたオリヴィエは、紗絵子さんの誕生日なの
かと問うと、冬の朝焼けはとても綺麗なので、このチョコレート
はそれをイメージして作ったものだと語る。一緒に見に行って
風邪でも引いて紗絵子から暖かいスープを受け取るのだと
する妄想を語ると、薫子がやってきて馬鹿じゃないのかと告げる。
そんな事よりもちゃんと仕事をしてと語ると、オリヴィエも
爽太も薫子が機嫌が悪いことを呟く。

吉岡は妻の紗絵子に今夜は天野シエフのホームパーティーに行く
事を告げるが、紗絵子は自分にも予定があるという。
しかし吉岡は自分は仕事の関係で必要なことであり、専業主婦
の遊びとは違うのだと語る。予定はこっちに併せてもらうと
いう吉岡。
紗絵子の元には母親がやってくる。
旦那の愚痴を語るが、吉岡さんは大手出版社の副編集長をして
いて、嫁姑の問題もなく、こんなに良い条件の結婚はないとして
説得される。貴方の仕事は夫を機嫌よく振る舞えるようにする
ことではないかと言われる。

薫子は関谷から言われたことを思い出していた。
薫子は爽太のことが好きであり、告白したらどうかと言われた
事。そんな中爽太から薫子に今月の売り上げは予想以上に多かった
のでスタッフたちを集めて祝賀会でもしないかという。薫子は
それならば私が会場を抑えておくと語る。

爽太は紗絵子が店にやってくるのを見て、再び妄想する。
1月22日の誕生日に爽太にお祝いして欲しいこと。ケーキを
一緒に食べる中、私も一緒に食べてと言われる姿を妄想しては
ニヤニヤする。しかし現実はまるで違うものだった。
しかし紗絵子は帰り際に爽太に対してバースデーケーキを
作ってくれないかと頼む。
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1月22日は爽太にとっては象徴的な日の一つ、紗絵子の誕生日
だった。爽太は紗絵子の誕生日を一緒に過ごしたいとする望む
も、彼女が新婚であることを考えれば旦那と過ごすハズ
であり、ジレンマとして存在している。当初は爽太もバースデー
ケーキを作れることに喜びを覚えていたが、彼女が日持ちする
チョコを多く購入していったことが気になり、二度と来ないの
ではないかという不安感を抱いていく。

爽太と紗絵子の二人が同じフレームに入る時間がものすごく
短いエピソードだった。
これまでブラック爽太まで飛び出して、必死に駆け引きしていた
関係もここまで二人が絡む時間が少ないと寧ろそんな駆け引きが
無用な感じに思える。
ただ片思いの恋愛に於いて、一人で相手のことを考えている
時間の方が圧倒的に多いハズで、会える時間が短いからこそ、
ある意味ではフレッシュな感情を持ち続けることも出来るの
だろうなという感じ。そして会える時にこそ、愛情の種をまいて
於いて、会えない時間に如何にして愛情の木を相手の心で
育てられるのかにかかっているのかも知れない。

以前のエピソードの感想でも書いたけど、爽太が本当に心情を
吐露出来ているのはえれなであり、そして薫子やオリヴィエの方が
余程爽太のことを理解している。
オリヴィエは爽太とえれなの関係こそ恋人同士の様だと指摘する
けど、本人同士、寂しさ・苦しさを理解してくれる友達だと
して現在は割り切っているものの、互いの間で少しでも愛情が芽生
えれば、堰を切ったようにして二人は結ばれてしまう可能性も残っ
ている。
薫子の視線も面白い形で、爽太と紗絵子だけでなく、えれなに
対する爽太の立場に言及し、益々苦しい立場で眺めている複雑な
感情を吐露している。嫌な女に見られたくないけど、そう見えて
しまうところが実に切ない。

えれなの片思いエピソードもなかなか興味深かった。
留守電に残された2件の内容。
7時21分に吹き込まれた1件目の内容は希望に満ちた口調で語られる
メッセージだったが、2件目のメッセージはその答えとなるメッセー
ジが吹き込まれている。7時57分に吹き込まれた36分の間に、
何が起きたのか、視聴者が見なくても容易に想像出来るものが有る
し、想像して楽しむべきものが有るのかなと思うとなかなか上手く
出来ている。

「薫子さんは何でいつも悪口ばかりなんだ。」
「女の悪口を言う女性は嫌いだよ。」
「爽太くんは私の事を嫌いみたいだ。私も自分の事は好きじゃないよ。」

タイトル通りまさに色んなところで切ないね。

そして夫を支えるプロとして割り切ろうとしている紗絵子の中でも
色々と複雑なことが起きている感じだし、なかなかどう締めくくら
れるのか想像が難しい恋愛劇というのもなかなか上手く出来ている
と思う。


小動爽太 …… 松本潤 (チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」)
高橋紗絵子 …… 石原さとみ (爽太の高校時代の1つ先輩)
井上薫子 …… 水川あさみ (「ショコラ・ヴィ」のベテランスタッフ)
オリヴィエ・トレルイエ …… 溝端淳平 (「ショコラ・ヴィ」のパティシエ)
加藤えれな …… 水原希子 (ファッションモデル)
小動まつり …… 有村架純 (爽太の妹で大学生)
六道誠之助 …… 佐藤隆太 (チョコレート専門店「RICDOR」)
小動誠 …… 竹中直人 (父、パティスリー「TOKIO」のオーナー)
関谷宏彰 …… 加藤シゲアキ (「RICDOR」の従業員)
吉岡幸彦 …… 眞島秀和 (紗絵子の婚約者、「グルメシーカ」副編集長)

倉科 …… 佐藤祐基 (ミュージシャン)

宮寺智子、高山猛久、大下源一郎、サンガ、桝木亜子
高橋ユウ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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