失恋ショコラティエ
(2014年1月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 水城せとな『失恋ショコラティエ』
脚本 - 安達奈緒子
プロデュース - 若松央樹、小原一隆
演出 - 松山博昭
音楽 - Ken Arai
主題歌 - 嵐「Bittersweet」(ジェイ・ストーム)





第7話 …なんの、涙?現実にしていいの?
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薫子は気が付くと裸でベッドで寝ていた。記憶が無いがなんと
一緒に寝ていた相手は爽太だった。爽太は薫子に対して、最近
の君は頑張りすぎていたので今日は寝坊していたらどうかと
して爽太は先に着替える。薫子は下っ腹を観られたこと、そして
スッピンでいたことにショックを受けるが、自分の指を観ると
婚約指輪をしている事を知って、安心する。
しかしそれは薫子の観た夢だった。
薫子は自分が何故そんな夢の中で安心していたのか理解出来なか
った。夢は夢であり願望とは違うとして、爽太へと思いを否定
する中、職場では、爽太がタヒチで観た夢として、えれなと
旅行にいくが、何故か途中でオリヴィエがパートナーとして
泊まることになっていたと笑う。オリヴィエはまつりとのこと
を夢に見た事を告げ、フランスの実家にまつりを紹介したの
だと語る。そんな話をしている二人を観て薫子は馬鹿な奴らだ
と一蹴する中、オリヴィエは突然まつりと付き合うことになった
ことを二人の前でカミングアウトする。それを聞いた薫子は
職場での恋愛事情に関しても何一つ把握出来ていない自分の
恋愛迷走っぷりを自虐する。イライラしている薫子だが、その
原因は、自分らしくないことをして関谷にメールしたのに
一切返信がこないことに有った。行動を起こす度にイライラ
する薫子はやはり恋愛に関して何もしたくないと呟き、二度と
自分からメールをするのは辞めようと誓う。

いよいよ世間はバレンタインムード。
ショコラを扱う爽太の店でもその商戦の為に連日忙しい日々を
過ごす事になる。
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バレンタインデーに振られる為に告白しようとしていた爽太は
連日商戦の為に寝ずに、特製チョコの開発と営業用のチョコの
制作に忙しい日々を送る。
爽太としてはえれなとの繋がりに於いて、現実的繋がりが有り
恋人らしい行動を取っていることに気が付いて、紗絵子と別れた
後につきあう事を念頭に入れていたが・・・

妄想と現実の区別が分かりづらいような分かりやすい様な不思議
な感じのドラマ。
ナレーションベースで語られるシーンと、現実に妄想を具現化・
映像化したシーンの使い方がとても対象的に面白く描かれている。

爽太自身の恋愛が上手く機能し始めていること。
紗絵子への思いから始まった自分のショコラティエとしての
人生も、紗絵子自身が無くしても、インスピレーションが生まれる
程の状態にあるということで、紗絵子に対する依存性が低くなって
いく反面、紗絵子自身が実は不幸な境遇に居るという現実が
如何にもドラマとして複雑な状況を生んでいきそうな予感を感じ
させるものだった。

しかし紗絵子が夫との関係を見限ろうとしている感じに思えて、
バレンタイン直前で突然夫のサプライズ的演出が有り、ちょっぴり
家庭に収まる妻としての覚悟を改めて感じ始めたのではないかと
思わせる辺りがなんとも憎いアクセントの付け方だった。

告白の展開としては、私の知っている数少ない漫画「めぞん一刻」
の五代さんと響子さんの告白シーンを彷彿とさせる。
五代さんは響子さんが三鷹さんと婚約していることを知って、
潔く身を引くために「僕はもう大丈夫です」と語った際に涙した
響子さんが涙したけど、その涙の意味というものに関して恋愛ベタ
な五代さんは頭を悩ませていくことになる。
このドラマに於いては、そんな頭を悩ませる"間"や"時間"というの
が一瞬で有り、次の瞬間行動を起こしてしまう辺りがちょっぴり
個人的には、恋愛の精神世界を楽しむドラマとしては物足りない
描写・行動に思えた。

オリヴィエとまつりの関係というのもとても真理を突いていて
楽しいのだけど、オリヴィエが真理を語る際のちょっぴり冷めた
感じが時々恐い感じに見える。かつて爽太が紗絵子との間で恋愛の
駆け引きをしていた頃の"ワル"爽太を彷彿とさせる感じもするし、
恋愛がうまくいった後に花が咲いたように踊り出すオリヴィエ
の姿を見ていると、薫子が語る様に"馬鹿な奴ら"に思えてくるけど
そんな馬鹿さ加減が人間っぽくて良いところなんだけどね。

薫子さんには幸せになって欲しいけど、切ないところで揺れ動いて
いる孤独の彼女こそ持ち味になっている感じがする。


小動爽太 …… 松本潤 (チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」)
高橋紗絵子 …… 石原さとみ (爽太の高校時代の1つ先輩)
井上薫子 …… 水川あさみ (「ショコラ・ヴィ」のベテランスタッフ)
オリヴィエ・トレルイエ …… 溝端淳平 (「ショコラ・ヴィ」のパティシエ)
加藤えれな …… 水原希子 (ファッションモデル)
小動まつり …… 有村架純 (爽太の妹で大学生)
六道誠之助 …… 佐藤隆太 (チョコレート専門店「RICDOR」)
小動誠 …… 竹中直人 (父、パティスリー「TOKIO」のオーナー)
関谷宏彰 …… 加藤シゲアキ (「RICDOR」の従業員)
吉岡幸彦 …… 眞島秀和 (紗絵子の婚約者、「グルメシーカ」副編集長)

中村大介 …… 千葉雄大 (まつりの元彼)

小山弘訓、枡木亜子、折井あゆみ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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