失恋ショコラティエ
(2014年1月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 水城せとな『失恋ショコラティエ』
脚本 - 安達奈緒子
プロデュース - 若松央樹、小原一隆
演出 - 松山博昭
音楽 - Ken Arai
主題歌 - 嵐「Bittersweet」(ジェイ・ストーム)





第8話 ついに間男に成り上がったよ
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バレンタインデーに振られる為にチョコレートを贈ると共に
告白した爽太だが、突然彼女が涙したことに爽太は戸惑い、
どういう意図が有るのか分からないまま彼女とキスする。
しかしその後紗絵子からの反応はなく静かに立ち去られてしま
う。
これはねつ造した記憶なのかそれとも白昼夢なのか。
気の無い男に対しても離そうとしない紗絵子の行動なのか、
それとも期待させておいて放置する作戦なのか。そもそも自分
からキスしただけで紗絵子からは何も涙以外のアクションが
なかったことがより爽太を苦しませる。色々と仮説を立てる
が、振られたってことで良いのではないかとオリビエから
言われる。

紗絵子はバレンタインデーに贈られたチョコレートを見ていた。
いつも紗絵子の好きなものを考えてチョコレートを作ってきた
という爽太からの告白に対して、贈られたチョコを見て確かに
自分の好きなチョコレートで溢れていることを知る。
紗絵子はお礼のメールを返信しようとするが、安易な返信は
出来ないと考え一度書いたメールも削除してしまう。

「結婚する前に告白されていたら何か変わっていたのかも・・
しかしそうなっていたのならばこのチョコレートは生まれてい
なかったのかも知れない?」。

えれなに逢う中、えれなは爽太の質問が悪かったのではないか
とする言葉を掛けられる。答えが必要ならば具体的な質問が必要
だろうと言われ確かにその通りだと感じる。ただ自分だけが
告白して言いたいことを言っただけでなく、相手にしたら
今更何で人妻に告白したのかと思われているかもしれないと
感じる。深刻に悩まなくてもホワイトデーには返事をくれるので
はないかとし、返事がなければ振られたと考えるのが妥当かも
知れないと語る。

そんな中紗絵子が大事にしている爽太からのチョコレートを
吉岡が何の気無しに食べてしまう。爽太くんが私のために
特別作ってくれたものなんだとするが、なんでお前の為に特別
に作るのだとして、彼は彼女の携帯をのぞき見ていることを
告げ浮気しているのかに言及する。そしていつものように
紗絵子に暴力を奮うのだった。
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バレンタインデーで完全に関係を吹っ切り前に進もうとして
いた爽太だが、紗絵子の意外な反応によって、ホワイトデーま
での間の一ヶ月は、執行猶予のような状況で悶々とした日々を
過ごす事になる。あの時の涙の意味は何だったのか。

前に進もうとしている爽太の前に立ちはだかる紗絵子の行動が
相変わらず小憎らしいまでに"妖精"のようにして、人生に
関わってくるところが興味深く出来ている。

個人的に紗絵子は爽太を恋愛対象としては見ていない気がする
ので、薫子が切なそうに語る様に、女はずるい生き物だとする
辺りの台詞に部が有りそうだけど、爽太の妄想も気持ちが悪い
部分も有るし、人間の内面を面白く考察している内容だなと
いう感じがする。

薫子自身が「本気で好き」という意味を問われて、「相手の幸せ
を心から願うこと」としながらも、実際に爽太の幸せを願ってい
るのかと自問自答したり、愛することの意味の中に、「中身」
とか「無条件」だとか体の良い言葉を並べようとしているけど、
本当に自分はそういう条件下で人を愛しているのかに思い悩む
辺りが上手く視聴者にも訴えかけているところだ。

オリビエとの会話の中で、「セフレ」という単語一つを取って
先入観を与えたことで、えれなのことを色眼鏡で見てしまって
いたところが有るのではないかとするところにつなげているけど、
台詞を見ると、「冗談でも名前をつけたら名前の通りになる」
語っていることから、完全に日テレさんのドラマ「明日、ママが
いない」
に対してディスってる感じがして、深いところがある。
この辺は連ドラを同時に沢山みている人の特権的楽しみなんだ
ろうね。

薫子さんの態度を見ているとホント楽しい。
傘をガンガン床に付いているところとか、客の前で扉をガンガン
開け閉めしている辺り、水川あさみさんは幸せにならない役柄を
貫くことこそ面白さを発揮する役柄を身につけた感じで、
最後にハッピーエンド・・・などという陳腐なオチではなく、
とことん外野からこの恋愛を見極める役割りを果たして欲しい
ところだ。それと同時に六道さんにも最後まで勘違いのままで居て
欲しいところ。

恋愛とは最も人間のエゴが含まれるものが有って、紗絵子の行動
も爽太をキープしているだけの感じで、友達としては最高だけど
恋愛対象としてはないというところが有るのだろうね。


小動爽太 …… 松本潤 (チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」)
高橋紗絵子 …… 石原さとみ (爽太の高校時代の1つ先輩)
井上薫子 …… 水川あさみ (「ショコラ・ヴィ」のベテランスタッフ)
オリヴィエ・トレルイエ …… 溝端淳平 (「ショコラ・ヴィ」のパティシエ)
加藤えれな …… 水原希子 (ファッションモデル)
小動まつり …… 有村架純 (爽太の妹で大学生)
六道誠之助 …… 佐藤隆太 (チョコレート専門店「RICDOR」)
小動誠 …… 竹中直人 (父、パティスリー「TOKIO」のオーナー)
関谷宏彰 …… 加藤シゲアキ (「RICDOR」の従業員)
吉岡幸彦 …… 眞島秀和 (紗絵子の婚約者、「グルメシーカ」副編集長)


評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)


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