すべてがFになる
(2014年10月期・フジTV・火曜21時枠)

原作 - 森博嗣『すべてがFになる』
脚本 - 黒岩勉、小山正太
音楽 - 川井憲次
演出 - 城宝秀則、小椋久雄、小林義則
主題歌 - ゲスの極み乙女。「デジタルモグラ」
編成企画 - 成河広明、加藤達也
プロデュース - 小椋久雄、貸川聡子





第4話 継承される密室殺人封印された真相とは
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50年前、香山家の主の仏画師の風采が蔵の中で亡くなる。
蔵には箱と瓢が有り、瓢の中には決して取る事の出来ない
箱の鍵が入って居た。当主からの遺言で決して箱の中身を
開けてはならないということで当時レントゲンを取っていたが
箱の中には凶器らしきものも入って居なかった。
そんな中、現代に於いても香山家が久しぶりに集まる中、
現当主の林水が蔵に籠もったかと思えば、居なくなり、マリモ
の姿もなかった。しかしマリモの車が音羽橋で発見され、
林水は橋の下で亡くなって発見される。マリモが殺害して
遺体を運んでいたのではないかと疑われる。というのもマリモ
が家の外にいたことはタバコの吸い殻から明らかになっていた
のである。屋敷に向かって車を走らせたのではなく逆に遺体
が発見された場所に向かっていることからも、容疑者として
の視線を傾ける。しかしそんな状況の中、犀川は密室や犯行
の目的は重要ではないことを口にする。

マリモは実は昨日から帰っていたのではないかという説が
出る。少なくとも昨日の午後6時前にいたこと。
そして遺体を遺棄する中、共犯者がいて蔵に鍵をかけたのでは
ないかという疑いを持つ。
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50年前に起きた事件と再び同じような事件が発生する。
あの蔵の中で起きたことと、香山家に伝わる家宝との因果関係
は何なのか。

箱と瓢の謎が解けたら自殺しなくちゃいけないのがこの家の
習わしなのか?死を以て自らの芸術を完成させようとする
というところが分かりづらい思想だし、どの流れも推論だけで
結局、トリックこそ解明したけど、肝心の事件自体は、自己満足
の様な形で幕を閉じてしまう。

全ての流れを解決する必要も無いけど、アリバイの謎とか
密室の謎を扱った割には面白味を感じ無いのが残念だった。

二人も天才を登場させてしまうと結局一人は説明役に徹すること
になり、事件解決の決定打は犀川任せになってしまう。

天才肌の湯川教授(ドラマ「ギリレオ」)も同様に事件自体には
興味がなく、自分の興味とする部分だけをすくい取って一定の解決
を見せては放置状態だったけど完全に二番煎じの感じも否めず。

言葉の受け取り方に関して、ちょっとした聞き間違い・勘違いから
事件を長引かせてしまった感じだし、それに加えて、密室のように
見えたところも空気の温度変化による膨張・収縮の変化が関与してくる
ところなど、科学的要素を取り込んでいる。

途中で一つ一つの問題を解決していこうとせず、最後に一気に説明
するという構成の仕方は、イマイチ後付け感も強いので、
もう少し上手くドラマが描かれると良いんだけどね。


西之園 萌絵 …… 武井咲 (国立神南大学工学部建築学科3年生)
犀川 創平 …… 綾野剛 (国立神南大学工学部建築学科准教授)
喜多 北斗 …… 小澤征悦 (神南大学工学部土木工学科・准教授)
真賀田 四季 …… 早見あかり (真賀田研究所・天才プログラマ)
鵜飼 大介 …… 戸次重幸 (神奈川県警・捜査一課)
国枝 桃子 …… 水沢エレナ (神南大学工学部建築学科・助教)
西之園 捷輔 …… 吉田鋼太郎 (萌絵の叔父・県警本部長)
浜中深志 …… 岡山天音 (工学科M2)
片桐誠人 …… 坂本真 (神奈川県警・捜査一課)

香山マリモ …… 原田夏希 (32歳、長女、漫画家)
香山多可志 …… 高橋洋 (38歳、長男)
香山林水 …… 横内正 (72歳、仏画師)
香山フミ …… 真野響子 (69歳、林水の妻)
香山祐介 …… 高橋來 (多可志の息子)
香山綾緒 …… 赤間麻里子 (36歳、多可志の妻)

香山 風采 …… 牛尾元昭 (前当主)
香山 フミ …… 西川綾乃 (19歳当時)
香山 林水 …… 田上晃吉 (22歳当時)
吉村 益男 …… 依田哲哉 (17歳当時)

田上晃吉、三輪江一、西川綾乃、村松和輝、依田哲哉
真下拓也、牛尾元昭



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