すべてがFになる (2014年10月期・フジTV・火曜21時枠) 原作 - 森博嗣『すべてがFになる』 脚本 - 黒岩勉、小山正太 音楽 - 川井憲次 演出 - 城宝秀則、小椋久雄、小林義則 主題歌 - ゲスの極み乙女。「デジタルモグラ」 編成企画 - 成河広明、加藤達也 プロデュース - 小椋久雄、貸川聡子 第8話 …数奇にして模型…殺人者の異常な愛情!?不合理殺人の深層 -------------------------------------------------------- フィギュアの展示公会堂で、コスプレモデルをしていた筒見 明日香が頭の無い遺体として発見され、同じ部屋には寺林が 殴られて倒れていた。 萌絵は明日香の兄・紀世都のアトリエにいくと、そこで 紀世都の独特の世界観を見せられ、妹の等身大フュギュアが 置かれている事を知る。 翌日萌絵は大学で犀川のオフィスにいくと、夕べ紀世都の アトリエで起きたことを語り、犯人は被害者の兄の紀世都から 知れない事を語る。彼の家には明日香の等身大フィギュアを 持っていたこと。明日香に偏愛を持っていたのだという。 しかし犀川は殺害したとして、何故彼は公会堂まで妹を呼び出 したのかと問う。この事件の命題は「一つの部屋の中に頭部の ない遺体と犯人が存在していたこと」だという。あの場所で 殺害して頭部だけを持ち去るのはあまりに不合理だという。 犯人は明日香の頭部ではないのかも。僕たちはまだ全く見えて いないのではないかと告げる。 そんな犀川の元に儀同がやってくると萌絵は不機嫌な顔に なり出て行ってしまう。 そんな萌絵に対して、浜中は手紙が届いた事を告げる。 そこには頭部があるとする場所のことが書かれていた。 寺林から萌絵に電話が有る。 彼は病院から抜け出していたのである。寺林は確かめたいこと があるとして萌絵と合流するとタクシー代を貸して欲しいと 告げる。紀世都くんから新しい雑誌が届いたが、その模型雑誌 の中に気になることが書かれていたというものだった。 -------------------------------------------------------- モデルの明日香の頭が切り落とされていたことと、展示会場から はあまり距離のない京浜工業大学の研究室で殺害された上倉裕子 の殺人事件に関して、萌絵は容疑は独特の価値感を持つ筒見紀世都 ではないかと疑う。しかしそんな紀世都もバスタブ内で遺体と して発見され現場は火事によって包まれ、現場に居逢わせた萌絵 は亡くなりそうになるが、犀川と喜多が助けに来たことで事なきを 得る。 二話目に於ける事件の解決編的エピソード。 フィギュアだけでなく、マニア心理を持つものたちの共(凶)演 という感じで、全く理解出来ない訳でもないけれど、解き明かす プロセスのつまらなさが勝ってしまいどうにも退屈な流れが有る。 冒頭の意図とは違うところで発生した新たな欲望の芽生え。 「境界を越えるプロセス」と称して人は時代の転換期の瞬間に 立ち会いたいとする主張もまた理解出来るものは有るけど、 何の境界なのかによっては、理解の及ばないところで動いている 印象もある。 ただ何を境界線とするのかは人それぞれ。 一番その人が輝いている時の瞬間を残したいと思うのも理解出来る し、生と死が人によっては境界線を分けるものとして存在していない 人物がいるということで、その流れをそのまんま主人公・萌絵の中 に有る危機的意識の皆無さに当てはめてしまっているところなどは 興味深いところではあるんだけどね。 やはりプロセスにこそ楽しいものが有ると思うので、このドラマの 試みはある意味では失敗に終わったようなドラマだった。 西之園 萌絵 …… 武井咲 (国立神南大学工学部建築学科3年生) 犀川 創平 …… 綾野剛 (国立神南大学工学部建築学科准教授) 喜多 北斗 …… 小澤征悦 (神南大学工学部土木工学科・准教授) 真賀田 四季 …… 早見あかり (真賀田研究所・天才プログラマ) 鵜飼 大介 …… 戸次重幸 (神奈川県警・捜査一課) 国枝 桃子 …… 水沢エレナ (神南大学工学部建築学科・助教) 西之園 捷輔 …… 吉田鋼太郎 (萌絵の叔父・県警本部長) 浜中深志 …… 岡山天音 (工学科M2) 片桐誠人 …… 坂本真 (神奈川県警・捜査一課) 喜多北斗 …… 小澤征悦 (神南大) 寺林高司 …… 山本耕史 (京浜工業大学工学部化学工業科社会人大学院生) 儀同世津子 …… 臼田あさ美 (フリーライター、創平の友人) 大御坊安朋 …… 小松和重 (作家) 河嶋慎也 …… 近江谷太朗 (京浜工業大学工学部化学工業科教授) 上倉裕子 …… ハマカワフミエ (京浜工業大学工学部化学工業科 筒見明日香 …… 山川紗弥 (紀世都の妹、モデル) 筒見紀世都 …… 中島歩 (フィギュアのモデラー) 吉田大蔵、金内たくみ、南南南、小楠啓展