第1話 医師が消えた
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厚生労働省の役人の白鳥圭輔は、静岡医大から非常勤の皮膚科医 として、ここ磯浜の地元唯一の病院・碧翠院に来ていた。
青山加代から診療するという名目で病院に関する噂話を聞く。 そして青山に対しては伝染性軟属腫だと語る。ここのドクター
たちをどう思うか?と問うと「最高だ、碧翠院で死ねるなんて 幸せ」だと語る。
その頃東城医大愁訴外来の神経内科医の田口公平は、磯浜の駅 に到着する。回りが海に面しているとても景観の良い場所。
ここは螺鈿の街。
公平は東城医大の病院長の高階の命令でここ碧翠院に来ていた。
桜宮小百合がで公平を出向かいに来てくれる。 近くにいた東城医大生として在籍していている天馬大吉の事を
紹介。この辺の土地は海と山に囲まれていて陸の孤島だと言わ れている場所だという。この病院の東館には桜宮家が住んでい
て、父・巌雄が病院長、母・華緒が精神科医、小百合は緩和ケ ア医として終末医療に携わっており、次女のすみれは産婦人科
をしているという。 小百合は早速公平のことを院長室に連れて行くと、巌雄は高階
医院長が内科のドクターを寄越したことを見て呆れる。 人材不足で医師を求めていることを頼んだ結果、ようやく来た
のは、非常勤の皮膚科医と心療内科医だという。巌雄はこの 病院では、心療内科医といっても専門分野だけでなく、外科の
補助的サポートにも加わってもらうと語られる。
そんな中、吐血した患者・木下和雄が運ばれてくる。
看護師の日向千花はすぐに応急室へと運ぶ中、医師たち総出で 対応に当たる。
血が苦手の公平は我慢しながらも、すみれのサポートに回る。
応急措置が終わって一段落した頃、公平はすみれと会話する。
なんでここに派遣されてくる医師はロクな医者が居ないのか として血が苦手だとする公平を暗に非難する。
そんな中、患者の美智、トクたちが二人に挨拶していく。 すみれからは彼女たちは入院患者でも有り私の部下だという。
すみれエンタープライズの社員である事を告げ、院内の日常業務 を頼んでいることを告げ、患者自身の雑用を手伝うことで
看護師の負担を減らし、そして螺鈿細工(夜光貝、あわびの貝)を 作って販売し、売り上げを患者に還元しているのだという。
とても活気に満ちているとして、理想のケアセンターだという 公平に対して、ただし働いているものたちは、元気そうに見えて
末期の患者ばかりなのだと聞かされる。
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