チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮
(2014年1月期・フジ・火曜22時枠)

脚本 - 後藤法子
演出 - 今井和久
プロデュース - 豊福陽子、遠田孝一、八巻薫
主題歌 - 東方神起「Hide & Seek」





第1話 医師が消えた
--------------------------------------------------------
厚生労働省の役人の白鳥圭輔は、静岡医大から非常勤の皮膚科医
として、ここ磯浜の地元唯一の病院・碧翠院に来ていた。
青山加代から診療するという名目で病院に関する噂話を聞く。
そして青山に対しては伝染性軟属腫だと語る。ここのドクター
たちをどう思うか?と問うと「最高だ、碧翠院で死ねるなんて
幸せ」だと語る。
その頃東城医大愁訴外来の神経内科医の田口公平は、磯浜の駅
に到着する。回りが海に面しているとても景観の良い場所。
ここは螺鈿の街。

公平は東城医大の病院長の高階の命令でここ碧翠院に来ていた。
桜宮小百合がで公平を出向かいに来てくれる。
近くにいた東城医大生として在籍していている天馬大吉の事を
紹介。この辺の土地は海と山に囲まれていて陸の孤島だと言わ
れている場所だという。この病院の東館には桜宮家が住んでい
て、父・巌雄が病院長、母・華緒が精神科医、小百合は緩和ケ
ア医として終末医療に携わっており、次女のすみれは産婦人科
をしているという。
小百合は早速公平のことを院長室に連れて行くと、巌雄は高階
医院長が内科のドクターを寄越したことを見て呆れる。
人材不足で医師を求めていることを頼んだ結果、ようやく来た
のは、非常勤の皮膚科医と心療内科医だという。巌雄はこの
病院では、心療内科医といっても専門分野だけでなく、外科の
補助的サポートにも加わってもらうと語られる。

そんな中、吐血した患者・木下和雄が運ばれてくる。
看護師の日向千花はすぐに応急室へと運ぶ中、医師たち総出で
対応に当たる。
血が苦手の公平は我慢しながらも、すみれのサポートに回る。

応急措置が終わって一段落した頃、公平はすみれと会話する。
なんでここに派遣されてくる医師はロクな医者が居ないのか
として血が苦手だとする公平を暗に非難する。
そんな中、患者の美智、トクたちが二人に挨拶していく。
すみれからは彼女たちは入院患者でも有り私の部下だという。
すみれエンタープライズの社員である事を告げ、院内の日常業務
を頼んでいることを告げ、患者自身の雑用を手伝うことで
看護師の負担を減らし、そして螺鈿細工(夜光貝、あわびの貝)を
作って販売し、売り上げを患者に還元しているのだという。
とても活気に満ちているとして、理想のケアセンターだという
公平に対して、ただし働いているものたちは、元気そうに見えて
末期の患者ばかりなのだと聞かされる。
--------------------------------------------------------
    いよいよ始まったチームバチスタの第4弾。
地域医療・終末期医療という二つのテーマを取り上げた今回の
シーズン。そしてその中には、何処の医療施設でも問題となる
病院としての維持・管理費の問題と、それに伴う命の重さの
問題というのがテーマとして重くのしかかってきそうだ。

大学病院という巨大組織での医療問題ではなく、地域医療という
また違う次元での舞台がテーマとなっているので、これまでの
捜査手順で白鳥を関わらせるのには相当難しいアレンジが要求され
それを違和感なく描くことが出来るのか。謎説き的な規模として
見れば、病院の規模が小さいだけに簡単に解決できそうな雰囲気
は有るのだけど、ドラマでも救命・速水が語っていた様に、地域
全体を揺るがす問題へと発展しそうな中での捜査解決という
面では、地域性というものを無視することは出来ず、その辺の閉鎖
性を打破できるのかということも難問としてのしかかってきそうだ。

相変わらず二人のやりとりは面白いので、それだけで見応えは
十分の初回だった。

終末期医療の問題・医療費・社会保障費の高騰の問題という
のは日本だけでなく世界的な問題でも有るので、老老介護状態
のこの施設が、その問題をクリアにするモデルケースとしての立場
として眺めるのも悪くは無いし、地域医療と大学病院の規模の差
というのを考えると、価値観の違いというのは色んなところで
出てくると思う。

先日まで放送されていた離島の診療事情を描いた海の上の診療所
だったり、離島での医療問題から端を発していく雲の階段
など、近年では地域医療の問題をテーマとした物語も多く取り上げ
られている印象だね。

初回として浮かび上がってくるのは、病院長が監察医・法医学的
役割りも担っているということで、何か賄賂でももらい警察との
連携・便宜を図っているのかどうかという事と、如何にも怪しい
(有)すみれエンタープライズの経営実態の問題など、いくつか提示
されているけど、何者かから届く一通のメッセージから捜査が始まる
という辺りはシリーズを踏襲する形のスタートを切ったのかなと
思うと共に問題を提起した形だ。

気になる事と言えば、天馬くんが休学してまで故郷に戻ってきて
いることと、立花という医師が提起した問題なのかな。
そして意味ありげに存在する東館の桜宮家も気になるけど、
初期設定からして、桜宮家の長男が事故で死亡している事と考える
とその件で相当桜宮家の医師たちの性格や価値観は変わったのでは
無いかと容易に推測できるね。



田口公平 …… 伊藤淳史 (元東城医大愁訴外来・神経内科医)
白鳥圭輔 …… 仲村トオル (厚生労働省大臣官房秘書課付技官)
桜宮巌雄 …… 柳葉敏郎 (碧翠院院長)
桜宮華緒 …… 相築あきこ (巌雄の妻、精神科医)
桜宮小百合 …… 水野美紀 (巌雄の長女・緩和ケア医)
桜宮すみれ …… 栗山千明 (巌雄の次女)
桜宮葵 …… 山ア賢人 (8年前に事故で死亡・息子)
天馬大吉 …… 上遠野太洸 (東城医大の学生、休学中)
戸山久司 …… 渡部豪太 (放射線技師)
日向千花 …… 辻本瑞貴 (看護師)
小幡剣 …… 池内万作 (刑事)
木島トク …… 佐々木すみ江 (乾燥肌・末期の卵巣がん)
川原うめ …… 丘みつ子 (?)
青山加代 …… 大森暁美 (乳がん全身骨転移)
赤城美智 …… 左時枝 (背中が痒い・甲状腺ガン)
立花善次 …… 宅間孝行 (長野中央総合病院放射線科医)
高階権太 …… 林隆三 (東城医大)
藤原真琴 …… 名取裕子 (東城医大)

天馬美樹 …… 長野里美 (レストラン経営、大吉の叔母)
木下佐和 …… 佐藤めぐみ (妊婦、涼一の妻)
木下涼一 …… 趙[王民]和 (磯浜水産加工センター)

萩原宏樹、川島雄作、富岡大地、山神佳誉

速水晃一 …… 西島秀俊 (東城医大・救命)

市川孝樹、長野翔、夏秋佳代子、駒木宏美、福田敦子、羽村純子

木下和雄 …… 前田吟 (父、末期)

入江悠真、鈴木咲良、桐山真彩子、鶴見和也

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


inserted by FC2 system