チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮
(2014年1月期・フジ・火曜22時枠)

脚本 - 後藤法子
演出 - 今井和久
プロデュース - 豊福陽子、遠田孝一、八巻薫
主題歌 - 東方神起「Hide & Seek」





第3話 CT画像は語る
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碧翠院に現れた長野の放射線技師の立花医師がいなくなり
その直後から白鳥の元にはタチバナと名乗る人物からのCT(Ai)
画像が届くようになる。白鳥は東城医大の放射線科医の島津吾郎
にその映像を鑑定してもらうと、死後1日から2日経過した後に
撮影されたもので、撮影した人物は素人だという。そして撮影
されている被写体は30歳から50歳代の男性で、ダブルカーブの
側湾症を患っているという。それを聞いた白鳥は、この画像は
立花のものだろうと推察する。
一方公平もまた東城医大の医院長の元に碧翠院での終末期医療
のことを報告に来ると、白鳥と会う。公平にもこの画像が
碧翠院で撮影されたものであることを語る。

そんな中、碧翠院には静岡医大から転院してきた中学生教師の
菊池日菜(25歳)が来ていた。膵臓がんのステージ4の患者で、
治療しなければ余命半年という患者だった。看護師の千花と小
百合は痛みを止める治療を行う中、日菜は痛み止め以外の治療
は何もしないで欲しいと告げ、楽に死なせて欲しいと語る。
すみれは患部の切除手術をすればまた完治の可能性が有る事を
告げるが、治療は拒否するのだった。すみれはまだ彼女の様な
患者はウチのような病院に入る患者ではないとするが、院長の
巌雄は受け入れることになる。しかし彼女は検査や食事さえも
拒否していることが分かり、対応に苦慮する。
自分の出番だとばかりに公平は彼女の前に現れるが・・・
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    白鳥は碧翠院で起きている裏事情を解き明かそうと奔走する中
で、公平はそこに入院してくる患者の心のケアをしていく。
しかし今回やってきた患者は自分よりも若い25歳の末期患者で
その事実を受け入れられずに失望のあまり全ての治療を拒否し
て、実質自殺を図ろうとしていることが分かる。
色々と声をかけようとするが、そんな患者と接するのが初めてで
有り公平としても、どのように患者の心のケアをすべきか
悩んでしまう。

これまでのシリーズの流れからすると、白鳥をベースとした
病院内の陰謀説を説き明かすという部分がメインとなるべき
流れであり、その辺の謎説き要素がイマイチ盛り上がりを見せて
いない様な印象もある。このドラマ部は結局最後まで謎は
解き明かされない仕組みになっていることは明らかなので、
細々とした情報の小出しの仕方をしていく中で、誰がどんな意図
で・・ということを示していくのだろうし、内通者の存在など
はドラマを盛り上げている部分ではあるのだが、如何せん
これまでの大学病院と比べると、病院の規模が小さいことも
有るので、もう少し地域全体を巻き込んだドラマとしないと、
犯人探しに於いても色々と限定されてしまい、正直特定するのが
容易になってしまう。ただ上手いこと、巌雄医院長には外部からの
捜査が容易にできないような縛りとして設定されているようなので
やはり白鳥が田口と協力して細々とした調査をしていく他ないのか
なという感じ。

そして何よりよりもドラマは、田口が関わっていく単独のエピソード
の集積によって、最終的には死生観なり終末期・地域医療の複雑さ
というものを示していくのだろう。
離島での医療を扱った「雲の階段」のように大病院・大都市での
常識が必ずしも常識ではないということ。その辺を最終的に示す
為にも、個々のエピソードは大切だと思う。

さて今回のドラマは若くして末期がんを患う女性の物語だった。
末期がんという割りには、ものすごく健康体の南沢奈央さんを
使うというのは一体どういうことだって感じだけど、
公平の成長物語の一つとして、対応したことのないケースと対峙
していくことは興味深い内容にはなっている。
そしてその過程で、桜宮家の中でも、終末期医療に関する見解の違い
を見せていくというところが興味深く描かれたのではないかな。

天涯孤独となっている日菜だけど、しっかり居場所を作っている事。
待っている人がいることの有りがたさを感じると共に、生きる
希望を持つ人たちが、このクリニックへ来ることへの場違いさ
なんかも唱えた感じだし、ドラマとしては無難な主張を繰り返した
感じがする。



田口公平 …… 伊藤淳史 (元東城医大愁訴外来・神経内科医)
白鳥圭輔 …… 仲村トオル (厚生労働省大臣官房秘書課付技官)
桜宮巌雄 …… 柳葉敏郎 (碧翠院院長)
桜宮華緒 …… 相築あきこ (巌雄の妻、精神科医)
桜宮小百合 …… 水野美紀 (巌雄の長女・緩和ケア医)
桜宮すみれ …… 栗山千明 (巌雄の次女)
桜宮葵 …… 山ア賢人 (8年前に事故で死亡・息子)
天馬大吉 …… 上遠野太洸 (東城医大の学生、休学中)
戸山久司 …… 渡部豪太 (放射線技師)
日向千花 …… 辻本瑞貴 (看護師)
小幡剣 …… 池内万作 (刑事)
木島トク …… 佐々木すみ江 (乾燥肌・末期の卵巣がん)
川原うめ …… 丘みつ子 (患者)
青山加代 …… 大森暁美 (乳がん全身骨転移)
赤城美智 …… 左時枝 (背中が痒い・甲状腺ガン)
立花善次 …… 宅間孝行 (長野中央総合病院放射線科医)

島津吾郎 …… 安田顕 (東城医大放射線科)
菊池日菜 …… 南沢奈央 (膵臓がん患者、25歳、中学校教師)
奥田 …… 辻本祐樹 (富士ヶ丘町立西中学・バレーボール男子顧問)

刑事 …… 松林慎司
医者 …… 北山雅康

富士ヶ丘町立西中学・バレーボール部
小松崎夕楠、近藤玲奈、遊馬メイヤ

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)


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