若者たち2014
(2014年7月期・フジTV・水曜21時枠)

原案 - 山内久、森川時久
脚本 - 武藤将吾
音楽 - 荻野清子
演出 - 杉田成道、中江功、並木道子
主題歌 - 森山直太朗「若者たち」
プロデュース - 石井浩二





第3話 苦い秘密
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次男・暁は刑期を終え出所したものの定職に就かずにいた。
前科者の働き口がどれだけあると思っているのか。
資格も学歴もない状況だとする中、俺はジャパリーズ
ドリームを実現するために逆玉にのって金持ちの女性との
出会いを求める為にナンパしているのだという。
旭はそんな暁に納得がいかないが、屋代家にも謝罪に行った
しここにいる権利は有る事を語る。それよりも問題は旭が
この家の権利書を屋代家に渡してしまった事だという。
旭は昌江が言っていた言葉を引用すると労働は生きている
証だろうとつげ、例え社会が働くモノにとって損する仕組み
でも我慢して誰もが働いているのだと語る。
しかし我慢して社会の歯車になっらたそれこそアイデンティ
ティの喪失だとして、陽は理屈っぽく語る。ひかりは損して
いると考えてもやりがいがあれば良いのではないかとするが
陽は姉が働いている病院は特殊な世界であり、それに該当
しないことを告げる。それを聞いた旭は自分の仕事だって
特殊な仕事だとして普段は当たり前のように過ごしている世界に
並々ならない労働がある事を告げ、労働に上も下もないのだと
語る。それを聞いた暁は旭は社会人になって化けの皮も
厚くなったとして10年前に俺が出た理由を話しても同じ事
が言えるのかと問う。お前にとって仕事は金なのだろう
とし、俺は10年前の事を懺悔するまでは旭を兄とは認めない
と語る。家族は一体旭と暁の間に10年前に何が有ったのか
心配になる。
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暁が戻ってくるが、彼は仕事もせずただただ女性をナンパ
したりパチンコをしたりで一日を過ごしていた。食事の際に
旭はみんなの前で暁の行動を非難するが、暁は旭が10年前の
ことを懺悔するまでは兄とは決して認めないとして反発の
声を上げる。10年前俺が家を出て行った理由を話しても
同じことが言えるのかと問われ、他の兄弟たちは10年前の父親
の死に関して自分たちが知っている以上のことがあるのか
疑問に感じていく。

暁の暴走具合は相当癖があり、目の前で起きている暁の身勝手
な悪態以上に、10年前に起きた事実の中に彼の行動に対して大目
に見るだけの免罪符が含まれているのかが気になる流れである。

このままだと暁が人間としてのクズのように見えてしまう流れ
が有り、単なる現実を無視した我が儘な男としか見えないの
だけど、その辺はドラマとして上手く流れを作っている感じ
で、最終的には素晴らしく軌道の修正を図っていくなという
感じがした。

結果として見れば見るほど、佐藤家に起きた複雑な事情が
垣間見られて、旭の立場と養ってもらっている子供たちの間に
溝が出来てしまうのも仕方が無い。
心情を優先するのか、それとも現実を優先するのか。

事件をもみ消す為に金持ちが金で処理し、その金は被害者に
とっては屈辱的なものだが、その条件をのまなければ生きていけない
とする現実が存在する。
高校生だった旭が誰にも相談出来ずに一人で決断したことを
責める姿が有るけど、当時、子供たちに事実を話してどれだけ
現実的対応を見せられたのだろうか。

親の心、子知らずだけど、この場合、親変わりの兄の心を
弟たちは知らずという感じ。身勝手な言い分を並べ立てるも、
自分たちが逆の立場ならば、果たして弟たちを立派に子育て
することが出来たのかということを是非聞いて見たいところだ。

旭が子供達に求めるもの、そしてそれに固執する思いという
ものが悉く裏切られて、そんな思いを知らなかった子供たち
にとっては複雑な思いがしていることだろう。

暁にとっても旭任せのところがあり、本当に父親の死に対する
裁判沙汰をしたいのであれば、自分で起こせば良かった
だけのこと。僅か1歳違いの兄弟なのだから、暁が何もして
こなかったことに対する責任は相当問題はあるような気がして
くる。

良い人そうに見えたけど、佐渡が相当クソみたいな人間だった
こと。旭とは仲が良さそうな関係に見えたのに、事情が分かって
くると途端に憎たらしく感じるけど、中小企業の土建屋なんて
何処も多かれ少なかれ、そういう事情は有りそうだね。


佐藤 旭 …… 妻夫木聡 (29歳、長男。サワタリ道路作業員)
佐藤 暁 …… 瑛太 (28歳、次男。元サワタリ道路作業員で元受刑者)
佐藤 ひかり …… 満島ひかり (25歳、長女。東京城北医科大学病院NICUに勤務)
佐藤 陽 …… 柄本佑 (23歳、三男。学生劇団「bluehall」座長)
佐藤 旦 …… 野村周平 (18歳、四男。高校を中退)
澤辺 梓 …… 蒼井優 (25歳、旭の彼女。総菜屋とキャバ嬢)
屋代 多香子 …… 長澤まさみ (27歳、)
永原 香澄 …… 橋本愛 (17歳、予備校)
新城 正臣 …… 吉岡秀隆 (41歳、東京城北医科大学病院NICU)

佐渡 …… 岩松了 (サワタリ道路社長)
内海 弘喜 …… 馬場徹 (看護師)
上原 清香 …… 未来 (看護師)
斉藤 昌伸 …… 小久保寿人 (学生劇団「bluehall」劇団員)
寺尾 昭広 …… 北村健人 (学生劇団「bluehall」劇団員)

澤辺京子 …… 余貴美子 (梓の母)

中村優子、望月章男、山下翔央、尾関陸、
松浦眞哉、川畑博稔、伊藤祐輝、西山喜久恵(アナ)、生野陽子(アナ)
小野彩香、椎名慧都



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