若者たち2014
(2014年7月期・フジTV・水曜21時枠)

原案 - 山内久、森川時久
脚本 - 武藤将吾
音楽 - 荻野清子
演出 - 杉田成道、中江功、並木道子
主題歌 - 森山直太朗「若者たち」
プロデュース - 石井浩二





第4話 諦めんな
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旭は梓と婚姻届を出す。旭は仕事探しを始めるがなかなか
決まらない。一方陽が率いる劇団の公演が決定し、香澄も
ようやく居場所をみつけた成果が出ようとしていた。
暁は瑞貴の封筒に入れると新城に送る。

一ヶ月後・・・
いよいよ陽は公演が迫り、夢を持つことで力が沸いてくる
ことや希望の光となることを得々と朝食の場で語り始める。
旭はそんなことをせず早い所卒業・就職して欲しいと考えて
いた。しかし夢を諦めて就職しろなんて筋違いだとし、俺より
も寧ろ一ヶ月経っても仕事が見つかっていない旭の方が問題
だという。旭は夢は想像していることよりも残酷だぞとして
かなえられる人はホンの一握りであり、今は良いが5年も10年
も経って芽が出なければどうするのかと問う。陽は兄がネガテ
ィブ過ぎる思考にだとして避難する。
ひかりは陽の講演のチケットを5枚購入するという。一枚
2000円のチケット。旦も一枚購入するとのこと。暁には瑞貴
さんの分だとして一枚プレゼントする陽。みんな誰なのかと
いう視線を投げかけると、サト兄が付き合っていた彼女だと
いう。今でも付き合っているかどうか分からないが・・と。
暁が逮捕される三ヶ月前に暁に金を返してもらおうとして
アパートを尋ねた際に彼女が部屋にいたのだという。彼女は
当時舞台女優をしていて、今回講演をする「飛龍伝」について
も瑞貴から進められたのだという。しかし瑞貴は舞台女優を
辞めることを語ってており、いつか変わりに上演して欲しいと
言われた事を語る。

旦も暁に個人的な相談があるとしてやってくる。
香澄のことを好きになったという旦に対して、騙された
女に惚れるなんてどういうことだと言われる。やりたいことを
見つけて突き進んでいる姿を見て凄いと思った事を告げると、
夢の無いヤツはそういう人に乗っかるしかないよなと語る暁。
今ならば旦にも賞賛が有る事を告げ、彼女が舞台女優をやる
きっかけとなったことは旦が兄の陽を紹介したからだと語る。
きっかけはどうであれ、大変なのは継続して続ける事だと
語る。

そんな中、陽は劇団へと向かうと斉藤昌伸が、講演の準備金
の一部の30万円を持ち逃げしたと澤田圭介から言われる。
劇団員の堀川、野崎、林田広太、寺尾昭彦などは講演が出来る
のか心配する。陽もまた一年前から予約してようやく取れた
講演なのにどうするのかとして嘆くのだった。
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陽はついに自分が旗揚げしていた劇団の公演が実現すること
を知って盛り上がる中、素直にそれを喜べないものもいた。
夢を追いかける為には犠牲にすべきものも有り、誰もが同じ様
にして夢を追いかけることの難しさというものを改めて感じて
行く。

自分から夢の為に行動を起こしたというのにこの劇団員たちは
なんで他人にその責任をなすりつけようとするのだろうか。
そう思っていると、今回は他にも自分の人生に対する不遇な一面を
他人に転嫁することで、気持ちを楽にしようとしているであろう
人間のずるさを感じたり、自分だけのエゴを貫くことによって
他人の気持ちなど我関せずに生きてみたいり、他人の気持ちを考えすぎる
余り、消化不良のまま自分の気持ちが宙ぶらりんのままでいる
人物がいることが明らかになる。

陽にしても暁にしても、旭とは明らかに温度差の違うところで、
身勝手すぎる行動を取っているなという感じがしたけど、一つ一つの
経験を通して、改めて大人への階段を上っていくことが分かるし、
不思議な因果関係によって、佐藤家のエピソードが繋がっていく
ところなど上手いシナリオだったと思う。

ただ正直、「下北サンデーズ」レベルの劇団があんな大舞台で
演劇することなどあり得ない(笑) 最後の曲調も現代風なのか、
ちょっとアイドルチックな締めくくりで、時代に逆らえない部分が
有るのだろうかという位違和感が有った。

香澄の演技の中に瑞貴の姿を見るという流れ・演出はとても上手く、
夢を繋いでいくことで、夢を叶えられない人への思いというのも
伝わるところが大きかった。旭が語る様に、彼は不器用ながらも
弟たちに真理を伝えているところも有って、兄ちゃんとしての
風格を感じる流れに繋がって居る。

好きで始めた仕事なのに、恨まれてしまうというのも辛いところ
だけど、楽しいだけが仕事ではないということを改めて知ったの
だろう。特に人が生き死にする場所では、楽しさ感動ばかりが
待ち受けているものじゃないよね。

取りあえず暁が立ち直ったみたいだし、陽も本気で前に進む決意
は出来たのではないかな。


佐藤 旭 …… 妻夫木聡 (29歳、長男。サワタリ道路作業員)
佐藤 暁 …… 瑛太 (28歳、次男。元サワタリ道路作業員で元受刑者)
佐藤 ひかり …… 満島ひかり (25歳、長女。東京城北医科大学病院NICUに勤務)
佐藤 陽 …… 柄本佑 (23歳、三男。学生劇団「bluehall」座長)
佐藤 旦 …… 野村周平 (18歳、四男。高校を中退)
澤辺 梓 …… 蒼井優 (25歳、旭の彼女。総菜屋とキャバ嬢)
屋代 多香子 …… 長澤まさみ (27歳、農家)
永原 香澄 …… 橋本愛 (17歳、予備校)
新城 正臣 …… 吉岡秀隆 (41歳、東京城北医科大学病院NICU)

佐渡 …… 岩松了 (サワタリ道路社長)
内海 弘喜 …… 馬場徹 (看護師)
上原 清香 …… 未来 (看護師)
斉藤 昌伸 …… 小久保寿人 (学生劇団「bluehall」劇団員)
寺尾 昭広 …… 北村健人 (学生劇団「bluehall」劇団員)

吉川瑞貴 …… 広末涼子 (元暁の彼女、拡張型心筋症)

中村優子、望月章男、山下翔央、幸将司、松浦眞哉、川畑博稔
伊藤祐輝、白石タダシ、横溝華帆、尾関陸、高橋龍輝
早乙女友貴、久保田創、小川智之、寺本一樹、吉田龍、北村健人
椎名慧都



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