若者たち2014
(2014年7月期・フジTV・水曜21時枠)

原案 - 山内久、森川時久
脚本 - 武藤将吾
音楽 - 荻野清子
演出 - 杉田成道、中江功、並木道子
主題歌 - 森山直太朗「若者たち」
プロデュース - 石井浩二





第7話 生まれる
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旭と梓は妊娠が分かった時に、子供の名前を何にするかで話し
有っていた。旭は照れくさそうに男子ならば太郎、女子ならば
太子で良いじゃないかとするが・・・
梓は佐藤家の子供たちは全て太陽にちなんで名前が付けられて
いる事を指摘すると、赤ちゃんにもそのような名前を付けられ
ないかと問う。旭も梓も共に"あ"から始まっているので平仮名
三文字で"あ"から始まる名前にしようということになり、太陽
に関連する名前はあるかと問うと"あせも"?という旭。

旦は陽がしているブレスレットの事を尋ねると、学校近くの
露天で自分で買ったのだという。しかし旦は香澄を尾行して
撮影した時に彼女がそのブレスレットを手にしているのを
見ていたのである。

ひかりと新城は二人で逢っていた。共にこれが最後のことだと
分かっていた。新城はこれ以上ひかりを傷つけたくないと語る
とひかりは分かっていたことだと語る。
ひかりは新城に恋した時から今までの事を語る。初恋は14歳
でずっと憧れていたこと。相手にされずそれでも時々誉めて
くれたときには嬉しかったこと。一緒に居るだけでドキドキ
だったという。辛い時も顔を見るだけで元気になれたこと。
傍にいられるだけで良かったので、奥さんがいたと分かった
後でもそのままの関係で居てしまったこと。こんな日が来ない
ようにとずっと思っていたがとうとうこの日が来てしまった
のだという。最後くらいは払わせてというと、レシートを
持って喫茶店を出て行く。

ひかりは夕食に寿司と酒を用意する。
家族一同大喜びする。
食事が終わりみんなそれぞれに過ごしていた頃、暁はひかり
に対して別れてきたのだろうと語る。お前は俺の血が流れて
いるので全ての気持ちが分かるとし、どうせ今でもまだ涙
していないのだろうと問うと泣いて良いんだと語る。ひかり
は暁の胸で涙するのだった。

翌朝みんなが出勤した後、梓は家にやってくる。
旭の部屋に入ると、鏡が眩しく光っていた。そのひかりの先を
見ると壁には子供の名前の候補として"あかり"と描かれていた。
そんな中、梓は再び腹痛を起こして倒れて救急車で運ばれるの
だった。
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旭と梓は生まれてくる赤ちゃんの為に名前を考えていたが、
ようやく"あかり"と決まりかけた際に、梓は前置胎盤によって
出血し病院に運ばれる。二度目のこと故に母胎が危険な状態で
有り、帝王切開で出産することになる。出産されて出てきたのは
621gであり、1000g以下の赤ちゃんは、超低出生体重児と呼ばれ
生まれてから楽観は出来ないことを聞かされる。
脳や肺の疾患によって障害を負うことも有ると言われる。
生命の生存率は出産後72時間を超えれば、取りあえずひとまず
危機を乗り越えられると言われるが・・・

ひかりの職業柄、旭と梓のエピソードはこうなることだろうなと
いうことは梓の前置胎盤が分かった時点で公算は立っていたけど、
今まで目の前で見てきた低出生体重児を自分の赤ちゃんとは、
なかなか認められない現実を旭自身にも味わせた格好だった。

ドラマとして上手いと感じるのは兄弟の絡ませ方で、旭と暁の存在
が光と影の存在であるという主張も面白いものが有り、冒頭の頃
には、問題児である暁が居なければ佐藤家はもう少し上手く生活出来
ていたとする主張こそ有ったものの、一家の家長・兄ちゃんである
旭がくじけた時にはやっぱり暁の存在は欠かせないものがあるんだな
と思わせるものが有った。

暁の役割りがここにきて大きくなり、アウトロー化していたひかり
に対して気持ちの共有を図ってみたりする流れもまた、暁ならでは
のものが有った。旭ではなかなか出来ないことをサラりと上手く、
その役割りを課してみた格好でバランスの巧みさを感じる。

この流れにまるで陽が関わってこない違和感は有ったけど、
旦を流れに加えて、時に邪魔で煩わしい存在に思わせたり、時に
無二な存在だとするところなど、面白く関わらせた感じだった。

気になるのは、香澄って学校とか家庭ではこんな良い子キャラだったのか。
もっとすさんでいるのかと思った。
ただこの子のズルさというものも同時に感じるものがあり、旦の
気持ち悪さを差し引いても、自分だけ改心してしまった感じで、
人の人生を弄んでいる結果こうなったということの責任も少しは
感じて欲しいところだね。


佐藤 旭 …… 妻夫木聡 (29歳、長男。サワタリ道路作業員)
佐藤 暁 …… 瑛太 (28歳、次男。元サワタリ道路作業員で元受刑者)
佐藤 ひかり …… 満島ひかり (25歳、長女。東京城北医科大学病院NICUに勤務)
佐藤 陽 …… 柄本佑 (23歳、三男。学生劇団「bluehall」座長)
佐藤 旦 …… 野村周平 (18歳、四男。高校を中退)
澤辺 梓 …… 蒼井優 (25歳、旭の彼女。総菜屋とキャバ嬢)
屋代 多香子 …… 長澤まさみ (27歳、農家)
永原 香澄 …… 橋本愛 (17歳、予備校)
新城 正臣 …… 吉岡秀隆 (41歳、東京城北医科大学病院NICU)

内海 弘喜 …… 馬場徹 (看護師)
上原 清香 …… 未来 (看護師)
斉藤 昌伸 …… 小久保寿人 (学生劇団「bluehall」劇団員)
寺尾 昭広 …… 北村健人 (学生劇団「bluehall」劇団員)

山下容莉枝、内山陽菜



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