夜のせんせい
(2014年1月期・TBS・金曜22時枠)

脚本:林宏司
音楽:富貴晴美
プロデューサー:鈴木早苗、飯田和孝
演出:生野慈朗、山室大輔、池田克彦、大内舞子





第9話 最終章命賭けの土下座!金か友情か?卒業目前、永遠の別れ
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上武俊介は20歳でゲーム会社を設立し、買収を重ねて今や年収
1千億円のIT企業トップの会社"(株)REEM"を設立していた。
しかしそんな上武も今や絶望の淵にいて、真っ暗闇を歩いて
いた。

--- 10日前 ---
桜は卒業式まで20日だとして、卒業までの間の過ごし方について
華から説明させようとするが、華は人前に立つだけで緊張強い
為にまともに話すことも出来ない。
真理の息子り亮平は、母が最近家事を楽しそうにしているのを
見て学校が楽しいのかと尋ねる。

一方地元ではジャパニーズスターオーディションが開催される
ことが分かり、高校にも貼り紙がされていた。かえでや玲、
政代、桃たちは卒業前にみんなで記念のオーディションを
受けないかと提案する。4年1組最後のイベントにしようという。
桜もその意見に賛同する中、イベント係の上武の会社が現在
ブルーワァームというライバル企業からTOBを掛けられそうに
なっていた。上武の会社はネットショップの大手として順風
に思われていたが、最近ではライバル企業の追撃が激しく、
更には上武の人間性を週刊誌によって取り上げられて企業イメ
ージは最悪。株価が低迷する中で、会社が発行する株式の50%
を外資系ブルーワァームが買い占めを図っており、上武として
は自分が保有する30%の株式と、社員に発行されている10%を
併せても40%にしかならないことを知って、なんとか敵対的
買収を食い止めようとする。その為には100億円近い資金が
必要とされるのだった。

その頃、生徒の一人・若杉公則は苦しい胸の内を上奈に
手紙で告げ助けて欲しいとする救難信号を送っていた。
しかし上奈はこの春でキャリア試験を受ければ、この学校から
は居なくなることが決定しており、若杉への対応を出来かねて
いるのだった。
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上武は年商1千億を誇るIT企業のトップだったが、彼が人生を
捧げてきた会社が敵対的買収のターゲットにされており、
卒業を前にして株の買い占めを防ぐ為の金策に奔走する。
しかしなかなか100億を出資してくれる企業もなく、上武は
クラスメイトの一人でスーパーワールドマーケット店の元会長
である外内に助けを求めるが・・・

友達とはどういうものなのか。
人間とは信用するに値しないものなのか。

短い時間で知り合ったものたちが、力をあせて困難に立ち向かう
というドラマの中でもより困難な問題でも有る金の問題に
絡めたエピソードだった。

人間不信に陥る上武に対してどのようにしてすれば、上手く
その本質を伝えられるのか。
基本的に全てを失った後にこそ見えてくるものがあるというのが
ドラマとしても定石だと思うので、こういう展開もありかな
とも思う。はみ出し物だと思っている夜間学校の生徒たちだけ
ど、それぞれに突出している得意分野というものが有り、人間関係
に於いても、傷ついて現在に至る人が多い分だけ、相手の気持ちに
寄り添えるという人が多いところは上手い設定である。

人は何かをしようとした瞬間から変わっているという主張が
聞かれるけど、夜間学校に通うと決めた瞬間からこの生徒たち
は変わり初めているのだろうし、何かを求めるからこそ、
ここにいるってことは明らか。
短い期間で絆が築けるのかどうかは分からないけど、その辺の
事情も上手く補ってそれなりの説得力を作っているところは
流石だ。

今まで殆ど関わり合いを見せてこなかった若杉のエピソードも
同時に処理しているし、口で語ることとは逆にクラスメイトの
為に影で行動を起こしているところなど、平成に於ける「必殺仕事人
」ばりの仕事をしているところが凄いね。

普遍的に存在しているからこそ居場所としての価値というのも
見出してはいるのだけど、その居場所自体があらゆる意味で
存在が危ういからこそ逆に団結感が生まれるのかも知れないな。


夜野桜 …… 観月ありさ (スナックのママ、定時制高校教師)
黒井華 …… 蓮佛美沙子 (元は日の出学院の昼間部生徒)
上武俊介 …… 田中圭 (生徒、自称不動産業者、トラブルメーカー)
上奈瑠奈 …… 大政絢 (日の出学院・数学、4-1組副担任)
山田一郎 …… 高橋一生 (生徒・歌舞伎町ホスト)
高倉富雄 …… 織本順吉 (生徒・蒲田の金型工場・職人)
橘かえで …… 新川優愛 (生徒・クール)
大神玲 …… 山本舞香 (生徒、貧しい家庭、ネグレストだった)
白崎桃 …… 清水くるみ (生徒、アイドルに憧れる、虐めの過去)
宇垣隆将 …… 太賀 (生徒・とび職、昼間部の生徒からかつあげ)
若杉公則 …… 岡山天音 (生徒・元野球部)
神戸優奈 …… 滝裕可里 (生徒、キャバ嬢・父と不仲)
木村政代 …… 江原由夏 (生徒、派遣・格闘技ジム)
砂川誠 …… 光石研 (日の出学院教員・創設者の孫)
武頼貞夫 …… 矢柴俊博 (日の出学院・主任教員)
柳島武彦 …… 中原丈雄 (日の出学院・校長)
梶原治 …… 大倉孝二 (生徒、漫画アシスタント・オタク)
宗村真理 …… 堀内敬子 (生徒、高校時代に妊娠)
外内耕介 …… 笹野高史 (生徒、年金生活者)
大澤雄大 …… 山本耕史 (生徒、手に怪我、漢字が苦手)
仙波剛三 …… 大杉漣 (生徒、オネエに転身)

上武武史 …… 天野勝弘 (俊介の父親。元家具屋3代目社長)
村瀬 …… 桜井聖 (IT企業「REEM」社員)
西妻 …… 瀬戸将哉 (武史の友人)
村上 …… 井上肇 (IT企業「REEM」社員)
宗村亮平 …… 木戸邑弥 (真理の息子)
春本清 …… おさる (オーディション審査員)

日中泰景、吉永秀平、芝崎唯奈、黒澤歌織里、小林ゆうき
笹山ゆき乃、関修人、高見涼馬、倉田昭二、高見綾、五十嵐大輔
橋本拓也、佐々木潤、幸野紘子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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