続・最後から二番目の恋 (2014年4月期・フジ・木曜22時枠) 脚本：岡田惠和 演出：宮本理江子 他 プロデューサー：若松央樹、浅野澄美 音楽 - 平沢敦士 演出 - 宮本理江子、谷村政樹（第1期）、並木道子（第1期）、加藤裕将（第2期） 主題歌 - 浜崎あゆみ「how beautiful you are」 挿入歌 - Yael Naim（ヤエル・ナイム）「Go To The River」「Far Far」 第8話 大人はみんな問題児。 -------------------------------------------------------- 一人で生きるのは自由だけど寂しいものだと千明は、典子の 夫の家出に於ける離婚の是非を巡りそう語る。 典子はテレビ局で赤ちゃんの世話をする仕事で少しずつ信用を 得るようになる。ゆくゆくは鎌倉で保育園のようなものをしよ うかと考えているという。 一方千明は急にドラマ制作の話が持ち込まれてきたこれまでの 一連の流れに於いて、初回は2時間スペシャルになったことを語る。 全てはアホ部長の一声で、千明は部長の言動には相容れないもの が有った。そんな中千明は万理子に社運を賭けたテレビ局の 映画制作に於いて万理子が脚本家として抜擢されたことを発表 する。しかし万理子はそれを聞いて態度がおかしくなっていく。 和平は市長と共にバスに乗っていた。最後列に座る二人の座席 の距離感は微妙に開いていた。そんな折り、和平は窓の外に 広行と秀子が一緒にいる姿を目撃してしまう。和平は意識して いなかったが、市長は和平が身を乗り出してそれを見た際に、 市長のパーソナルスペースに入り込んできた為に最近意識して いた市長としては、気持ちが揺れていく。 和平は典子に対して、広行の姿を見たことを電話で話す。 -------------------------------------------------------- 家庭を持つ広行が突発的に家を出てようやく捕まえることが 出来る。出て行こうとした理由を尋ねると、"青年よ荒野を目 指せ"みたいな気分が時々自分の中に訪れるのだという。 中年はそんなものをめざしてはいけないのだとするが、 今までそういう行動を取ったことのない和平にとっては何処か 羨ましさを感じるところが有った。しかし千明はなっとく 出来ず、家庭を持つものが自由を求めることに対して私見を 述べて意見を戦わせていくことになるが・・・ コミュニケーションが楽しく出来ているところは周知の事実 だが、計算して作られているところを如何に計算されていないように 見せているのかが一つのポイントとなっているのだろう。 日常生活に対してあまりに計算高い言動を持たせると如何にも ドラマという感じがしてくるし、このドラマの持つナチュラル感が 途端に冷めた感じに思えてしまう。 その点はそれを感じさせない様上手く作られていて、ホントに 楽しいドラマだ。 それぞれ家庭を持ったことのない人、家庭を持っている人、 一度は家庭を持っていたが、妻を亡くした人というそれぞれの 立場を上手いこと戦わせて、答えのない人生の問いかけに 対して一つの提言なり、視聴者のそれぞれに問いかけていくもの がある。 幸せの尺度は人それぞれだ。 一人の自由を求める行動に対して、犠牲を払う人物が他人で有っ てはならないのだとする主張が有ったり、自分が幸せならばそれで 良いのではないかとする主張が有ったりと、万人がその何処かの 気分に該当するような作りが成されていて、誰かしらに感情移入 がしやすい作りになっている。 凄く偏屈そうなオヤジの広行の無責任さは昭和のオヤジっぽさ が有るけれど、それと同時に責任感を持つ七三分けっぽい生真面目さ を持つ和平の姿もまた同時に昭和の人っぽさを感じる作りが上手い。 和平が子供時代を飛び越えて大人にならねばならなかった事情 というのが語られて、無茶できない性格を持つ人格者として 形成されているところなど、とても説得力があるしね。 このドラマの良さの一つは、相手に対する呼び方一つをとっても 時々ドキっとするような新鮮に響きが聞こえてくるところだろう。 「長倉〜」と時々友達スイッチの入る薫子とか、 今回は千明は和平を「先輩」だと呼び、和平は千明を「いくつに なってもあなたは4つ下の女の子」だとするところに、相手を 意識するような言葉が含まれている感じで、ちょっとした日常の 心情の変化の楽しさを感じられる。 「くどくど」、「まだまだ」、「やれやれ」などの言葉の使い方 も意図して利用しているのだろうけど、それぞれの立場なり 心情を端的に表す表現で上手いなと感じさせる。 吉野千明 …… 小泉今日子 (ドラマプロデューサー) 長倉和平 …… 中井貴一 (鎌倉市役所観光推進課課長) 長倉万理子 …… 内田有紀 (長倉家の次女、双子。) 長倉真平 …… 坂口憲二 (長倉家の次男、双子。) 水谷典子 …… 飯島直子 (専業主婦、長倉家・長女) 三井 …… 久保田磨希 (JMTテレビ) 武田誠 …… 坂本真 (JMTテレビ) 飯田ゆかり …… 広山詞葉 (JMTテレビ) 篠原 淳 …… 鈴木貴之 (JMTテレビ) 田所勉 …… 松尾諭 (鎌倉市役所観光推進課) 大橋知美 …… 佐津川愛美 (鎌倉市役所観光推進課) 一条 …… 織本順吉 (鎌倉市役所に電話してくるクレーマー) 荒木啓子 …… 森口博子 (出版業界で働く千明の独身仲間) 水野祥子 …… 渡辺真起子 (音楽業界で働く千明の独身仲間) 長倉えりな …… 白本彩奈 (11歳、和平の一人娘) 水谷広行 …… 浅野和之 (53歳、典子と歳が離れた夫) 水谷翔 …… 田中碧海 (典子と広行の一人息子) 伊佐山 良子 …… 柴田理恵 (鎌倉市市長) 原田薫子 …… 長谷川京子 (蒼太の母親) 大橋秀子 …… 美保純 (知美の母) 栗山 ハルカ …… 益若つばさ (若手脚本家) 石田剛太、小林夏葵、小堀岳、関谷夏海