相棒14
(2015年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

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第2話 或る相棒の死

脚本/真野勝成 監督/橋本一
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冠城は一人黒縁の眼鏡をかけてケースを持ち、ある森の中の
木の下に来ていた。ケースの中からロープを取り出す。

峯秋は右京と大河内をオフィスに呼んでお茶を振る舞う。
冠城の様子はどうかと右京に尋ねると、客というよりは同居人
だとして気にしていないという。大河内によると冠城はより
高いレベルの情報へのアクセス権を要求してきたとし、彼が現在
調べているのは埼玉県警の情報だという。法務省の人間が
何を調べているのか。変わったところはないのかと問うと、
彼は最近メガネをかけ始めたようだという。峯秋は右京にお茶
を勧めるが一日のカフェイン量は紅茶で取っているとして拒否
する。

冠城は組対五課の大木・小松にコーヒーを振る舞う。
冠城のコーヒーの拘りは相当なものだった。角田がやってくる
と彼はいつものコーヒーで良いと語る。
右京が特命係に戻ってくると、彼は先ほど大河内らに言われた
ことが気になり冠城のことを注視してみる。靴に土が付着して
いることを告げると公園に行った時のものだろうという。
彼が居なくなった際に右京は土を採取して米沢に成分分析して
もらう。公園の土壌とは明らかに違うものだとされる。
冠城は一体何を隠しているのか。

冠城がトンネルを歩いていたところ、ヘルメットの二人の男
によって襲われる。これ異常余計なことは調べるな。手帳を
渡せと。しかし右京はそれに気がついてヘルメット男に接近
すると彼らは逃げていく。バイクに乗って逃走してしまう。
冠城は私のことを尾行していたのかとすると、右京は捜査は
二人一組で動くのが基本である事を告げる。それにしても君
は弱いですねと語ると、暴力が嫌いなだけだという冠城。

冠城は右京を埼玉県警中央署の刑事課の早田茂樹と、高校生の
制服を着た千原麻衣に逢わせる。先月彼女の父・千原純次が亡
くなったこと。県内の山中で首を吊って自殺したが、死後に
重みで枝が折れて遺体は転落した状態で見つかったという。
しかし麻衣によると自殺する動機がないとのこと。千原は元
埼玉県警の刑事で警察を辞めてからはフリーのジャーナリスト
として週刊誌で執筆していたという。調書を見る右京は離婚
していることを指摘すると、麻衣は母元で暮らしているが、父
とは月に二度必ず逢っていたという。最後に逢った時の状況を
尋ねると、麻衣が好きだと言っていた漫画家の桃猫先生の知り
合いの編集者に頼んで逢わせてもらえることになったと約束
したのだという。その後連絡が取れなくなったとのことだった。
元警察だということを利用して何度もスクープを飛ばしていること。
古巣の埼玉県警を調べていたようだという。麻衣は本当のこと
が知りたいと語る。冠城はどうして関わっているのかと問うと
千原とは中学時代の同級生で借りがあるのだという。麻衣による
と自分に何か有ったら二人に相談しろと言われたという。
手帳とは何かと右京は冠城に尋ねると、麻衣は最後に逢った
時に父が忘れていった手帳のことだという。取材のメモだと思わ
れるが数字とアルファベットで何か書かれているだけだった。
そんな中右京は木軸の万年筆に目を向ける。サイズ小さめの
もので珍しいものだという。早田はその万年筆は千原と共に
作ったもので、連続殺人犯を捕まえた際に本部長賞を授与され
その時二人で記念に万年筆を特注したのだということだった。
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冠城の様子を尋ねられた右京は、彼が何のために法務省から
出向してきたのかとして、大河内や峯秋から様子を尋ねられる。
彼は突然捜査権限のレベルをあげて欲しいとして、埼玉県警
のことを調べたいということを告げているのだという。
一体どういうことなのか。右京も気になりだして冠城の様子を
調べていくと、冠城が二人のヘルメットの男性に襲われる所
を目撃。その際右京が助けたことで冠城は全ての事情を右京に
話して現在自分が調べていたことに全容を語っていく。

冠城の性格がどういう人物・人格を持っているのか分からない
中で右京も警視庁もがさぐりさぐり彼の性格を見極めていく
というのは興味深い流れだと思う。

ただ右京と似たような性格を持っていることを強調するような
カフェインでのやりとりや、対照的な立場・関係であることを
強調するかのようにして、紅茶vsコーヒーのようなわかりやす
い形で描くのはどうかと思う。あまりにあからさま過ぎな演出で
かなり興ざめする。

捜査をしながらその人となりの性格に触れるというのもドラマ
としてはありがちだけど、人物像を最初から全て明らかに
するよりも面白い描かれ方をしている。

カイトの件で、峯秋の立場は終わりかなと思ったけど、寧ろ
峯秋もまたチーム・特命係のようにしてはみ出し物の状況の
中でも、右京とは違って政治的に関わっている辺りは策士家
なところがあるのかな。

今回はそれぞれのキャラクターが互いを利用し・利用されの
シナリオだった。右京の得意そうなパズル的要素は彼に任せて、
冠城は証拠集めの為に至る所に盗撮機器などを設置して、
意図的に相手に犯行を犯していることを証言させるように
振る舞っている辺りはかなりの狡猾さだった。

事件捜査の核心ともいえるパソコンのパスワードの件が少々
お粗末過ぎたこともあって、ラストの謎解き辺りはちょっと
不自然に思えたし、真っ先に調べるであろう被害者の金回りの
流れをまるで調べている様子がないところは捜査の基本という
ものを唱える中でちょっと違和感は有った。

前回の流れで右京はアクションシーンは一課任せで、自分は
苦手みたいなことを口にしていたのに、今回は逆に冠城の代わり
に走って追いかけているところを見ると違和感も有る。

そして冠城の存在で一気に存在感を失ってしまった一課の
二人をどう利用していくのか。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、法務省キャリア官僚)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目"花の里")

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長。警視監)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省事務次官)

早田茂樹 …… 宅間孝行 (埼玉中央署・刑事課)
千原純次 …… 関戸将志 (元刑事、フリージャーナリスト)
千原麻衣 …… 堀田真由 (純次の娘、離婚して母の元へ)
浦上 …… 信太昌之 (埼玉中央署・署長)
松木卓也 …… 川連廣明 (埼玉中央署)
清水靖男 …… 篠原さとし (埼玉中央署)
坂之上慶親 …… 真夏竜 (警視庁・副総監、次期警視総監候補)
奈々美 …… 和田麻菜 (ホステス、純次に貢がれていた)



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