相棒14
(2015年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

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第3話 死に神

脚本/金井寛 監督/橋本一
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右京は証拠品の返却のために車を走らせるが冠城も付いてくる。
人の運転が苦手だというのに付いてくる必要もないとするが
冠城は特命にいても暇だと語る。角田から右京に付いていく
と事件にぶち当たると忠告されたというが、ただの偶然だと語る。
冠城もこんな山奥(奥多摩)でそうそう事件など起きないだろう
と語るが、目の前にパトカーが止まっているのを知る。

捜査一課の芹沢・伊丹、そして鑑識の米沢が調べていた。
豪華な邸宅の庭には女性の遺体。被害者は尾崎美由紀(29歳)、
社員証からあさぎ商事の社員だという。通報したのは別荘と
契約している管理人だという。米沢によると死因は解剖しない
と分からないが、化学系毒物による服毒死の可能性が高いという。
死亡推定時刻は昨夜の7時から9時だという。邸宅の持ち主は雨宮
一馬というネット関連企業、いわゆるIT長者だという芹沢。
被害者との関係は今はまだ分かっていないという。
争った形跡が無いことから自殺ではないのかという芹沢。
しかし被害者の携帯がなく、毒を飲んだのならば容器があるハズ
だろうとして自殺にしては変だという伊丹。被害者のことを調べ
ようという。
そんな中、右京たちがやってくると、伊丹はうんざりしたように
"また警部殿がっ!!!"とつぶやく。右京は被害者の手にパキラの
葉が握られていること。そして人工物も付着されていた。
冠城はハイドロビーズだとして観葉植物専用の培養土だと語る。
先日冠城に利用された米沢は不機嫌な様子で、そんなの調べな
ければ分からないと突っかかる。観葉植物ということは室内
に合ったということになるが、雨宮家の別荘を調べても該当する
植物はなかった。殺されたのはこの別荘ではないとし、別の場所
で殺されて運ばれたのであれば殺人だという。

雨宮がやってくると、被害者・尾崎のことを知っているか尋ねる。
すると少し前まで付き合っていて2週間前に別れたという。

右京は管理人から話を聞く。どういう契約内容だったのか尋ねる
と、週に一度月曜日に見回るような契約だという。雨宮は本日
管理人がくるのを知っていたのにあんな所に死体を置いていく
か?と。
そんな中、中村ケミカル工業の車が立ち去るのを目にする。
あの先は一方通行なのに・・。

右京は特命に戻ると、角田がコーヒーを飲んでテレビを見ていた。
右京にはそういう事件を引く能力があるんだという。角田は
女を捨てたあげくに殺すなんて青年実業家はろくなものじゃない
と語る。何か青年実業家に恨みでもあるのかと問うと、今テレビ
でも報道している事を告げる。イタリアンレストランを全国展開
する青年実業家の志茂田光一(35歳)が青山奈緒(25歳)と極秘で
結婚していたという報道で、青山邸の前にはマスコミが多数
詰めかけていた。
そんな中右京は現場から立ち去った車の持ち主を捜していた。
現場に居たのは中村ケミカル工業社長の中村隼だった。
あの道は山に続く一本道のハズ。何か有ったのか知っていたので
はないかと。彼は5年前に交通違反で取り調べを受けている
という。みどり総合病院前の信号無視だった。
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右京の行くところに事件がある。そんな噂を耳にしていた
冠城は証拠品返却の為に右京と同行する奥多摩で事件が
発生していることを知る。被害者の女性は尾崎美由紀。
死亡していた場所は彼女と別れたというIT長者の雨宮一馬
の敷地内だった。服毒自殺をしていて、毒はシアン化ナトリウム
だと判明する。被害者のパソコンを調べると、彼女は悩み相談
の掲示板でやりとりしていたことが分かる。

証拠品返却の流れから事件捜査に発展するケースって前にも
あったね。

ネットで真剣に悩んでいる人に対して、悩みを聞いてあげると
して優しい言葉で近づき、絶望している女性に対して、自殺の
後押しをするという案件だった。
設定が如何にもな人物配置で、毒物を所持するケミカル工業の
人物、そしてネット関連企業の社長が出てきて、自分たちの得意
分野を使って、色々とシナリオの組み立てていた。

安楽死を扱う医療・医師の話はあるけれど、生きて居るよりも
死ぬ方がいいこともあるという狂的信念の元で行動を起こして
いる人物の姿がが背景にあり、この人物は自ら似非カウンセラー
のような事をしては、満足感を得ていたのだろうか。
難病を患い亡くなったという婚約者の流れを見ると、確かに
当時の記憶が鮮明に残っているのだろうけど、それ以外のことにも
関わっているという辺りは違和感しか感じなかった。

サファイアというハンドルネームを使って色々とこじつけて
いたけど、この亡くなったという美由紀という女性は、青年実業家
にばかり目を付けて玉の輿を狙っていたのか?
志茂田から振られたことだけでなく、今度は雨宮一馬とも付き合
っているというくらいだから相当なもの。

5年前の事件まで一気にさかのぼって、一瞬で殺人だったとする
トリックを見破ったり、新聞を見て志茂田という青年実業家と
美由紀の関係に気がついたりとちょっと強引なシナリオだった
感じがする。

冠城の存在も中途半端で、警視庁の人間ではないし、「同居人」
というのも分かるけどでも出来れば感情移入する為にも、もう
少し関係は近づけて欲しい感じはする。ちょっと設定が異色なの
で、彼をどうみれば良いのかよく分からない。法務省の人間が
遊び感覚で捜査しているのを見ると、税金泥棒なんじゃないのか
って感じにも見えるしね。

それにしても一課の面々は今回は存在感を出していましたね。
そして米沢の登場も心持ち多かった。



杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、法務省キャリア官僚)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目"花の里")

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長。警視監)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省事務次官)

雨宮一馬 …… 葛山信吾 (別荘の持ち主・IT関連企業社長)
尾崎美由紀 …… 中島亜梨沙 (あさじ商事社員、"M")
中村隼 …… 近藤公園 (中村ケミカル工業の社長、"ヘリフォルテ")
志茂田光一 …… 鷲尾昇 (35歳、イタリアンレストラン)
青山奈緒 …… (25歳、女優)
福本早紀 …… ("suku")
雨宮遥香 …… (一馬の妹、千葉のビルで自殺)
坂下真里 …… (隼の婚約者、難病にかかる)

松山愛里、長谷川眞優、川合千里、坂上嘉世、安藤瞳、小林清秀
笹和貴



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