相棒14
(2015年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第4話 ファンタスマゴリ

脚本/真野勝成 監督/和泉聖治
--------------------------------------------------------
自宅マンション"L'esperance"で柳本愛が二人組の男に誘拐さ
れる。

右京は喫茶店で紅茶を楽しむ中、偶然と称して片野坂義男が
近づいてくる。20年ぶりの再会だという片野坂とは、かつて
右京と同じく警視庁の捜査2課で経済犯罪を散々追っていた人物
だった。しかし20年前のある事件をきっかけに警視庁を辞めて
自ら金融コンサルタントをしていた。元捜査2課という肩書きが
重宝しているとして大繁盛しているという片野坂。右京は10年前
に一度詐欺罪で起訴されていますよねと語る。俺も立派な前科者
だという彼に右京は抜け目のないあなたがよもやと思ったという。
捜査二課のエースだった右京が今では窓際部署にいるのだろう
として一緒にやらないかと誘うが右京は断る。
すると突然柳本愛のことを口にする。
右京はその言葉に敏感に反応すると、片野坂はオフィスで話そう
としてホテルの一室に連れて行く。

あれから20年・・・俺たちも年を取ったが、譜久村翁は90になる
という。譜久村聖太郎は戦後70年日本の黒幕と言われた怪物の
ような男でその権力に政財界から裏社会にまで及ぶ人物。
検事局も警視庁も誰も手に出来ず、お前の見つけた小さな突破口
から俺たちは証券取引法違反で譜久村を狙った。当時証券マン
だった柳本孝を追い込んだが、彼は自殺してしまい譜久村による
影のしっぽ切りだとされたが、柳本一人死んで真実は闇に葬ら
れたという。結局俺たちは譜久村にさえ逢うことが出来なかった
が、今では譜久村の金融コンサルタントをしているという片野坂。
そんな中、譜久村の元で柳本愛と再会したという。とても良い
女になっていたと。父親が自殺したとされた際はまだ12歳だった
という彼女も今では30代。右京は30代とはいえあなたとは年齢差
があることを指摘する。そんなつもりはないと否定する片野坂
だがここ一週間彼女は音信不通になっているのだという。

特命係に角田がやってくる。「暇か?」。
冠城は暇だが右京さんは調べ物をしているという。
そんな右京はちょっと出かけると語る。
右京が向かったのは愛のアパートだった。管理人の立ち会いの
下彼女の部屋を調べて失踪の真意を探るが、テーブルの上には
バッグが置かれていてサイフやパスポートなどが置きっぱなし
になっていた。テーブルには珍しい青色のバラの花が置かれて
いたので臭いを嗅ぐ右京。

彼女が勤めている全日本バラ協会へと足を運ぶと、受付で
財務担当の柳本愛との面会を求める。しかし長期海外出張中だ
と言われる。財団は譜久村が会長を務めていることをポスター
で知る。
譜久村邸を尋ねるが守衛によって立ち去るよう言われる。
しかしちょうどその時、主の譜久村が帰宅。何が有ったのかと
言われ、右京はイギリス時代に嗅いだことのあるバラの臭いが
したので是非庭を拝見したい事を語る。譜久村は自分と趣味の
合う人物かと思い庭を案内する。青いバラとは珍しい事を告げる
と譜久村自身が品種改良で作ったという。手間とは思わないと
いう彼は自分には子供も孫もいないので庭のバラが子供のような
ものだという。譜久村から君の名前を聞いていなかったとして
尋ねられると杉本右京ですと語る。20年前に捜査二課にそんな
名前の人物がいた事を語ると、逢ったこともないのによく覚えて
いますねと語りその右京だと語る。自分に立ち向かった人物の
名前は死んでも忘れないとして今すぐに出て行くよう告げる。
最後に一つ、「植物ではなく動物は飼わないのか?」と問うと、
幼少期(10歳)に野良犬に噛まれて以来飼うことはないと言われる。
--------------------------------------------------------

右京は20年前に捜査二課で一緒に働いていた片野坂と再会する。
20年前に追い詰めた戦後日本の闇社会・経済界の黒幕・譜久村
聖太郎の元で働いているという片野坂。そんな彼から20年前に
譜久村によって犠牲となった柳本の娘・愛が突然一週間前から
連絡が取れなくなったということを聞き右京の好奇心を擽る。
譜久村は愛のことを罪滅ぼしの如く学費などを出して育てていた
が・・

今の時代、93歳の婆さんがスピードレーサー感覚で車を
乗り回して事故を起こしたり、80歳の爺さんが8歳の子を家に
連れ込んで顔中なめ回すような酷い世の中なので、このドラマに
於ける90歳の男性が30歳の娘に恋心を起こしてもおかしくはない
のだろうけど、やはり違和感を覚える内容だった。

90歳になっても権力を保持している人物ってどうなんだろうか。
しかも精力絶倫。この年になって子孫でも残したくなったのか。

ドラマの着眼点が臭いであり、バラの香りであり、土の中の
臭いをかぎ分ける右京さんのスキルに警察犬もビックリ。

初動捜査に於いて令状もなく彼女の家にズカズカっと捜査に
入れてしまうところは日本の警察は人権とかプライバシーを
無視した所があるような感じがする。

片野坂がこの件を口にしなければ捜査が動かなかったのも事実
だけど、検察/特捜が本気で動けば捕まえられるじゃないか
と小一時間な感じにも思えるし、20年前に苦労したという事件
の割には少々あっさりしすぎた案件だった。

自らの身を犠牲にしても、20年前の事件の復讐を果たそうと
する執念には感服するところだけど、過去の犯罪を未然に防ぐ
ことが出来ていればこういう新たな事件も発生しないという
後悔の念を一連の中であんまり感じなかったところも残念だった。

世代としてのギャップとか、プライドなんかを逆手に取った
格好だけど、あんなデジタルマネーに引っかかるだろうか。

冠城の役割は、人脈だったね。
そして伊丹さんたち、部下にやらせても良いようなことを
自らシャベルを持って掘り出すところは珍しいけど、今回
一課や鑑識があんまり登場する機会が無かったのでこういう所
で地味に活躍しないとダメなのかな。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、法務省キャリア官僚)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目"花の里")

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長。警視監)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省事務次官)

片野坂義男 …… 岩松了 (金融コンサルタント、元捜査二課)
譜久村聖太郎 …… 織本順吉 (戦後日本の黒幕、フィクサー)
柳本愛 …… 伊藤久美子 (柳本孝の娘、全日本バラ協会・財務担当)
黒崎健太 …… 中原裕也 (東京地検特捜部)
高木利一 …… 加門良 (捜査二課)
牧野希美 …… 長尾奈奈 (聖フランセス学園のシスター)
柳本孝 …… 古谷朋弘 (元証券マン、自殺?)
小路祐介 …… 藤原鉄苹 (譜久村家の庭師)

土師正貴、粕谷奈美、工藤正貴、舟久保信之、瀧口修央



inserted by FC2 system