相棒14
(2015年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第9話 秘密の家

脚本/金井寛 監督/池澤辰也
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組織犯罪対策五課の角田たちは指名手配中の暴力団の一人・室
田繁が廃工場に潜伏しているということを受けて特命係の二人
もかり出されていた。この廃工場を管理している荒川橋不動産
の佐竹修司は工場の鍵を持ってやってくる。角田はドアを開け
ると踏み込むが、なんとドアを開けると同時に室田は角田に
向けて発砲。室田は発砲しながら工場内を逃走するが、追い詰
めた際に、右京はその銃はM19リボルバー、装填出来る弾は6発
なので銃弾は入っていないハズだと語る。
右京は常に自分の後ろをついて回る冠城に対して思っていた
よりも臆病な人だと語る。
そんな中、現場の一室には最近のものだと思われる真新しい
南京錠がかけられていた。右京たちは室内を調べると、チラシ
の裏に「ママおたんじょう日おめでとう ひなた」と書かれて
いる絵が描かれているのを見つける。何故こんなところに子供
が描いたと思われる絵が落ちているのか。右京はちょっと気に
なるという。

チラシの内容から日野市東町5丁目に住む人物であることを知る
神田家を尋ねる。すると娘のひなた(7歳)と母親の志乃(29歳)の
姿が有り絵を見せるとひなたのものだと分かる。とある場所で
絵を見つけたので届けたこと。チラシに書かれた駅名から最寄り
の小学校に問い合わせたら"ひなた"ちゃんは1人だけだったこと
からここにたどり着いたという。荒川区の使われていない廃工場
に何故有ったのか分かるかと問うと、志乃ではなくひなたは、
私がダンスの帰りにひまわり公園で描いていて無くしたものだ
という。右京は帰りがけに、お母さんの誕生日を尋ねると、
【10月8日】だという。

花の里へ。
二人はひなたの絵のことを語り合う。右京は変だとして、チラシ
には【10月6日(火)】にオープンと書かれていたこと。志乃の
誕生日は2日後の【10月8日(金)】だという。ひなたのダンス教室
は先ほど自宅で見たカレンダーには土曜日と記載されていたの
で、つじつまが合わないのだという。

ひなたの元に友達の舞と杏がやって来てひまわり公園で遊ぼう
という。行こうとするがやっぱりいかないと断るひなた。
ひなたの元に再び右京達がやってくると、右京はスケッチブック
をプレゼントする。
志乃が家から出てきた為に、あの絵を描いたのは本当にダンスの
帰りだったのかを問い詰める。拾得物なので一応サインして
欲しいとして志乃とひなたに名前を書いてもらうフリをして
指紋を採取する。

日野市立日小学校。
担任の教師からひなたの最近の出席簿を調べてもらう。
すると【10月8日】と【10月9日】に風邪で休んでいることを
告げる。クラスメイトが宿題のプリントを彼女の家に届けに行っ
たが2日間ともひなたに会えず、父親の祐介が二日間共家に居て
娘の看病をしていたとのことだった。父親が二日も休んで娘を
看病するものなのか。
舞と杏にひなたと公園で遊んでいたことが有るのか尋ねると、
前は一緒遊んでいたが最近ちょっと変わったのだという。

神田トレードカンパニー。
中南米と取引している輸入雑貨店のオーナーを祐介が行って
いた。チリ、ペルー、エルドビア共和国の雑貨を扱う。
30歳近くまでバックパックで旅行していたので結婚したのを機に
雑貨店を始めたのだという。右京はひなたが描いた絵が妙な場所
にあったことを語り、誘拐の可能性に言及する。二ヶ月前にひなた
は何者かが誘拐しあの工場に監禁して外に出るのが怖くなって
いるのではないかと。しかし何故誘拐事件なのに被害届が出て
いないのか・・・。
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組対五課の手入れの仕事を手伝っていた特命係は、その潜伏先
で、その場所とは似つかない子供の描いた絵を見つける。
5年間近く使用されていなかったという場所の割に、新しい南京
錠がドアに付けられていたこと。絵の持ち主に届けたところ、
供述から矛盾するようなところが判明し、取りあえず指紋を
採取して工場にいたのが誰かを調べる。そんな状況の中、
ひなたの関係者に話を聞いていたところ、内村と中園の元に
クレームが来たことから右京達は呼び出されお叱りを受ける。
あまりの早いクレームに、そのクレームを出したのは警察関係
者なのではないかとして退職者名簿を調べていくと、その中に
ひなたの母・志乃の父で元山梨県警副本部長から、現在天下って
首都警備保障の社長になっている人物が関与しているだろうこと
を知る。スケジュールから見て、ひなたが学校を休んだとされる
付近には母親の誕生日だけでなく、警備保障にとって重要な
外国からの大統領の警備の仕事が有ることが判明する。

冒頭で撃たれた角田の様子が心配だ。
暫く「暇か」となるのは角田になってしまうのではないのかと(笑)

しかしあの状況から誘拐にまで導いたところが凄かったな。
九種九牌から九蓮宝燈で上がったくらいの驚きの引きの強さ。

上層部からの圧力、そして被害者家族から被害届が出ていない
にも関わらず、一課や鑑識を動かして捜査していくという辺り
指揮系統を無視した感じにも思えるけれど、今回はどの人物も
バランスよく使った感じだし、肝心のトリック自体も誘拐が
有ったという事実を除けば、それを解明する流れ自体は上手く
出来ていて、興味深い作りだった。

内村さんが退職先のことを考えた発言はこれまでにも有ったけど
相変わらず天下り先を気にしているところを見ると定年は近いの
か。

冒頭からいきなり不動産業者に名前のある役名のキャラクター
だったので、関係があるのだろうなと思っていた。
家族(会社)を守るために家族を傷つけるという矛盾した流れも
有ったり、中南米の事情に精通していて警備に対して重要な
時にそれを狙って誘拐事件を起こす所など、かなり凶悪な感じ
も受ける。

残念なのは今回の流れで冒頭の暴力団の流れや反政府団体を
容疑の流れのミスリードに絡むには、少々天下り警備会社の
存在感が大きすぎたところもあるかな。

「罪を暴かない方が幸せなことも有る」
「罪という秘密を抱えたままで本当の幸せを手にすることなど
決して出来ない」

このやりとりは、右京の信念を改めて描いたもので、常々語っ
ているところも有るけど、家族を傷つけるくらいならば、この
父親もプライドを捨ててでも頼みにいけば良かったのにね。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、法務省キャリア官僚)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目"花の里")

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長。警視監)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省事務次官)

神田ひなた …… 須田理央 (7歳、日野私立西小学校)
神田志乃 …… 新妻聖子 (29歳、川口の娘)
川口健作 …… 西田健 (警察OB・首都警備保障社長)
沼田吾郎 …… 乃木涼介 (首都警備保障・社長秘書)
神田祐介 …… 若狭勝也 (38歳、神田トレードカンパニー社長)
杏 …… 山本瞳依 (日野私立西小学校・ひまわり公園)
舞 …… 杉堀佑衣 (日野私立西小学校・ひまわり公)
佐竹修司 …… 玉置孝匡 (荒川橋不動産、祐介の高校の同級生)
マウロ・アロンソ …… ホセイン・ペイマニ (43歳、在日エルトビア共和国人)
室田繁 …… 稲葉年哉 (暴力団員、発砲)
担任教師 …… 斎藤えみり (ひなたの担任)
黒川拓哉 …… 小泉翔斗 (コーヒー店店長)
首都警備保障の職員 …… 大塚悠介 (お呼びです)



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