相棒14
(2015年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

プロデューサー:伊東仁、西平敦郎、土田真道

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第19話 神隠しの山の始末

脚本/池上純哉 監督/橋本一
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3年前の宝石強盗、そして今回警察に発見された犯人の斗ケ沢は
夕霧岳に逃げ込む。しかしそこは「神隠しの山」と言われる
場所。崖から滑落した右京は峰田家によって助けられる。
そこは村おこしのためにやってきた有名陶芸家・村井流雲の
焼き窯の工房のある場所だった。右京はすぐにここに容疑者の
斗ケ沢が居たであろう事を知り工房から抜け出そうとするが、
不運なことに右京は足を負傷している上、電話は落雷によって
普通になっており、そして何よりも街までは10kmの山村という
ことも有ってなかなか逃げることが出来なかった。電話修理工
の橘翔太が来た際に一緒に逃亡するが、峰田鉄朗が追いかけて
来て再び右京達を捕まえ、離れの蔵の中に閉じ込められてしまう。
そんな中で、地元の県警の佐野和也は、斗ケ沢の遺体がキャンプ
場から見つかったと報告が有る。

県警の望月満によると、キャンプ場は現在冬季休業中で来週の
オープンまで管理人が週に一・二度見回る程度だという。
宝石は残っておらず拳銃が残されていた。米沢は犯人は複数犯
だろうことを告げ斗ケ沢以外の足跡が少なくとも2種類は見つ
かっているという。冠城は面白くなってきたことを告げると、
右京が見つかって居ないのに不謹慎だとブーイング。しかし冠城
は右京さんは心配ないという。
芹沢は右京が使っていた携帯の持ち主が分かったとして、橘翔太
という電話工事会社の作業員のものだという。橘とは復旧の工事
に出て以降連絡が取れなくなっていると会社は言っていると。

冠城達は工房の周囲を探しに行く。
そして村井の工房がまだ捜査していない事を知り尋ねる。
電話の復旧工事の職員が来なかったかと尋ねると、開通の確認に
来たという。敷地内を確認させて欲しいというと冠城たちは室内
を調べて回る。そして釜の周りを見せてもらう。

その頃右京達は離れの蔵の中で手足と口を縛られて監禁されて
いた。その隣には橘も同様に縛られていた。

役場にいると助役の前園がやってくる。
村井流雲陶芸家失踪事件のことが気になったとし、当時山梨
県警は何故殺人ではなくすぐに失踪だと決定したのか。
前園は本人直筆の置き手紙が有ったとし、そこに飾られている
という。その手紙には

「工房も釜も弟子に譲る。我が身はこの夕霧岳に捧げる。
捜索不要。村井流雲」

と書かれていた。まるで遺書だという冠城。村井は書家として
も有名で、この手紙にも芸術的価値があるとのこと。随分と
大規模なプロジェクトまでして失踪では、村は大打撃だった
のではないかと問うと、前園は私は先祖から引き継いだ山まで
無料で提供したのに大損も良いところだという。テレビの影響も
大きいとし、例の都市伝説が心霊特集で何度も取り上げられて
不吉な印象の土地がついてしまったという。

橘のうめき声で右京も目覚める。ここは何処なのかと右京は橘
に尋ねる。

遠藤里実のダンナがキャンプ場を管理していた。現在二人は
別居中で、嫁と斗ケ沢はスナックで面識があったという。
旦那が遺体遺棄現場の管理人とはまた出来すぎではないかとい
う米沢。目的は宝石だろうと伊丹も目を光らせる。
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宝石店強盗の容疑者・斗ケ沢雄輔は夕霧岳に逃げ込む。
その捜査をしていた右京は崖から転落して、峰田家に助けられるが、
彼らは何かを知っていたことを悟り、逃げようとするも再び捕まり
監禁される。右京は何とか脱出しようと考え、冠城達はなんとか
して右京達を探し、そして事件も解決しようとするが、斗ケ沢自身
も冬季閉鎖中のキャンプ場の中で遺体として発見される。

2話連続のネタの割りには気難しい話にならず見やすいシナリオだ
った。

村おこしに対する役場や原地民たちの努力と苦悩。
そんな村から出たいとする若者カップルや村井流雲の弟子達の
流れが皮肉にも過去に縛られる格好で存在し、その人となりの
人生があって留まるべき使命感や守るべきものの為に奔走して
いた感じだった。

脱出というのはこの手のドラマの中でもカタルシス的要素が強く、
右京の能力を知る為にも窮地に於かれた状況の中でどのように
して脱出を図るのかが一番楽しかったところ。
右京が計画したものを悉く天然の橘翔太という人物が腰を砕いて
いくような形で右京以上の活躍を見せてしまうというところが
また興味深い。

こんな山奥でも光回線って通じるんだなと思うと感心するところ
だけど、ゲームの為に敷設したということをもって、改めて
若者が居たであろうことを確信していく辺りもよく出来ていた
し、最終的には多くの細かい断片を右京が切り貼りして真実・真相
を相手から聞き出す為に有無を言わせぬ推理力を発揮したところ
だけど、右京が監禁されている間には、右京以外のメンバーにも
活躍の場を持たせてバランスを取るような話だった。

右京があの高さから滑落しても死ななかったのと同様に、
遠藤里実という人物もあの高さのトイレの窓から落ちて、生きて居る
という辺り、凄い超人的な人たちが集まっているな。

テレビ局に問い合わせる冠城も、バッジの力を利用した感じがする
し、公衆電話回線の流れと共に、上手いこと殺人の容疑者を追いつめる
ことが出来たかな。

最後に都市伝説は現実のものだったというオチは多くのドラマで
そういうオチとして扱われることが多いよね。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、法務省キャリア官僚)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目"花の里")

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長->官房長付。警視監)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省事務次官)

峰田喜久子 …… 山口果林 (陶芸家・流雲の元弟子)
峰田鉄朗 …… 升毅 (陶芸家・喜久子の夫)
村井流雲 …… 大槻修治 (有名陶芸家)
斗ケ沢雄輔 …… 窪寺昭 (指名手配犯)
遠藤里実 …… 岡本あずさ ("富士屋"、"スナップみき"で働く)
遠藤亮 …… 川野直輝 (里実の夫、別居中)
望月満 …… 古井榮一 (山梨県警)
佐野和也 …… 依田哲哉 (山梨県警)
前園桔平 …… 下條アトム (霧谷村役場の助役)
橘翔太 …… 清水優 (山梨電気工事株式会社)

新虎幸明、赤池高行、九島洋一



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