相棒14
(2015年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

プロデューサー:伊東仁、西平敦郎、土田真道

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第20話 ラストケース

脚本/輿水泰弘 監督/和泉聖治
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花の里で冠城は右京に対してこの度は右京に迷惑をかけたと語る。
何処から耳に入ったのか・・。
大河内は冠城に対して問題はあなたが捜査妨害をしたこと。
裁判官に働きかけて令状の執行を阻止したのだという。冠城は
単なる目撃者である一般市民に無理矢理嫌疑をかけて令状を
取り証拠物件を取ろうなんて不公正だという。右京も知っていた
のかと問われると事後報告だという。中薗はそれを黙認したのか
として呆れる中、この件は法務省に報告するとし、右京にも登庁
しなくても良いとして自宅謹慎だという内村。

日下部と遭う冠城。まさか出向先を追い出されるとわ・・と呆れ
られる。今度は何処か希望があるのかとすると北海道辺りはと
告げられる。
冠城は花の里で月本に対して女将さんも店を畳んで一緒に来ない
かというと、月本は女性を口説いている場合ではないという。
左遷の危機なのにどうしてヘラヘラしているのかと。右京も右京
だという月本は二人ともおかしいという。

警察庁警察大学校・警視庁警察学校。
射撃場で枝野は訓練生たちに弾を5発込めるよう告げる。
そしてみんなに射撃の的に向けて発砲させるが、伴野甚一だけ
が一発も発砲していなかった。何故撃たないのかという枝野に
対してじゃあ撃ちますと言って教官を射殺する。他の生徒は
パニックに陥る中、山崎が持っていた銃で伴野を撃つが、腹
には防弾チョッキを着ているのだとし、狙うならば頭だとして
山崎を射殺。田口に対しても射殺する。そして逃げようとした
倉科に対しても後ろから射殺する。伴野は全て銃弾を出せと
して訓練生に告げる中、金井塚一に対して、その弾を抜いて全員
のものを回収してこいと命令する。伴野はその場にいたものを
全て射殺して警察学校を制服のまま出て行く。

警察大学校でたまたま講義に出ていた米沢は帰りのバス停に居た
ところ、伴野が制服姿で出てくることに違和感を覚える。
伴野を止める米沢は自分は隣の警察大学校で研修を受けているもの
だが、まだ授業中なのではないかと告げる。野暮用があると彼は
出て行ってしまう。
硝煙の臭いを感じた米沢は嫌な予感がして射撃場へと足を運ぶと、
酷い光景を目にする。

芹沢や伊丹ら捜査一課もやってくるとこれは酷いと呟く。
米沢は訓練生が通りすがり、その人物から独特の火薬の臭いが
したので銃を撃ったのは明白だと思って確認に来たという。
そんな中一人が生きて居るとする声があがる。
内村に報告すると全国手配する事を告げる。
射撃訓練用に準備した実弾全てを持って行ったという。
息があった金井塚はメッセンジャーとしてみんなに伝えろとして
行き残されたのだという。

「オレの標的は閣僚だ、奴らの本気度を試す。テロには屈しない覚悟
があるのか。為政者たちはテロに屈しない・断固として戦う、
そう言っては勇ましい態度を見せ、いざ自分たちがテロの標的にされ
た時に彼らは同じ態度を取れるのか。オレは一般市民を犠牲にするこ
とはない。恐怖を与えるのはあくまでもこの国の将来を託された
連中だけで、今回の計画を守る為には警察の犠牲はやむを得ない」と
して頭を殴られたのだという。芹沢は本気なのかと。

そんな中、文部科学大臣の荒又興三(66歳)の元に警備員を装い、
二人のSPたちを射殺した後に荒又興三を射殺する伴野。
すぐに鑑識は現場入りし、薬莢を発見する。米沢もその現場
へとやってきていた。
マスコミでもすぐに報道され、午後4時に世田谷区の自宅で
文部科学大臣の荒又興三が昨年警視庁に採用された人物によって
射殺されたことを報道する。

右京は犯人は目的を達成する為にSPに待避行動を優先させたの
だろうとし、その為に三人とも殺害出来たのだという。侮れない
相手だという。そんな米沢は4月から警察学校の先生になると
右京に告げる。

閣僚達は会議室に集まる。
そこにいたのは総理の玄間寿郎、副総理の玉手平蔵、農林水産大臣
の菊本嘉之だった。我々の覚悟を試すつもりなのか。これは
落ち着いている場合ではないという。毅然とした態度を取らない
と行けないという。しかし世界中でテロと戦う程にテロリスト
は増えているという。テロに降参しろというのかと。
そんな中、菊本嘉之は総理に辞職届を出す。持病の悪化に対して
閣僚の重みに耐えられなくなったという。ドクターストップだと。

鴨志田慎子は冠城と右京に対して、伴野とは3日前に会話したという。
どういう関係なのかと尋ねると2年前にワシントンD.CでCIA研修
の時に出会ったという。昼間の研修を終えてバーで飲んでいる
と伴野が隣に座ったという。彼はアメリカを数年間放浪の旅を
していると言っていたという。何でも彼のお姉さんが5年前の
新宿地下街での爆弾テロの犠牲になったとし、銃の腕はアメリカ
を放浪中に身につけたのではないかと。彼からはたまに連絡が
有ったが返信はしていなかったという。何でお前に会いたがって
いるのかと問う冠城に察してくれという。彼の別の連絡先を知っ
ているとしお姉さんの携帯はまだ解約されていないのだという。
私を囮に使って見る気は無いかと告げる。
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突然警視庁警察学校の生徒・伴野甚一が同じ班の生徒や教官を
射撃訓練中に殺害した上に銃弾を多数持ち出して逃げていく。
その場に唯一メッセージャーとして自分の信念を伝える為に生か
して置いたのは金井塚一という人物から話を聞いていく。
政治家・閣僚のテロに対抗する言及は強気の割りに犠牲になるのは
市民であり、何の危機感も感じていないものたちに向けた警告の
意味でのテロ活動かに思われたが・・・

なんだかよく分からない内容だったな。
これが本当に最終話だったのかというくらいの脚本だった感じ。

国民に向けたメッセージ性が込められていたみたいだけど、肝心の
ことが視聴者に伝わるくらいに響いてくるドラマでないと意味がない。
対岸の火事では居られないというテロリストの流れを日本人だけが
平和ぼけしているということに警鐘を鳴らそうとしていたけれど、
自らがテロリストになってしまっているという皮肉なオチ。
それが皮肉として興味深く伝わってくれば良いのだけど、その中に
は愛するものに対する偏向的な感情の行方が存在していたり、
単なる殺人への興味を持つものも含まれていたりして、信念らしい
信念を持っている人が皆無過ぎて、内容としても希薄過ぎた。

テロに対する国民意識が希薄さは今に始まったことではなく、これ
までにも何度となく、新しいテロ対策の部署を設置する為にそんな
ことをしていた人も居たけど、いずれの流れも響いてこない
しなかなか現実として見るのが難しい。

そもそも今回の件では多くの政治家までもが関与していたけど、
閣僚であり自分たちの力で、政治・制度を作る立場の人間が
わざわざこんな事件に荷担しているという意味が分からない。

なんとか右京以外の別の人を活躍させようとして、右京は捜査から
外して、冠城も封印したけれど、その意味がまるでなく、そもそも
今回のドラマは、警察官や公安が捜査している陰すらなかった。

少なくとも大臣が殺害されているので、もう少し人員を割いて捜査
をしても良いのだろうし、マスコミが追い回すと思うけど、テロに
無関心だからと言っても全ての殺人に人は無関心という訳ではない。

冠城が一シーズンだけで終わりなのではないかという噂も有った
けど、寧ろ逆に今の立場のままで警視庁に関わり続けることに違和感
がある為か本格的に警視庁に異動することになり、警察学校での
研修も受けることになる。
その為に米沢は警察学校で講師をするという役割を持たせたのだろう
か?

米沢、冠城を使った相棒スピンオフへのちょっとした試みとか計画が
存在しているような気もしてくる。

法務省関連の流れは完全に不発に終わった感じ。
浅利陽平くんが出演したS14-15の「警察嫌いでの令状を乱発して
一般市民を巻き込む警察の流れを阻止した流れが、そのまま今回は
逆に捜査の壁として立ちふさがるところなど細かい部分では皮肉に
富んで良かった。

しかし冠城の元彼女なんて設定も要らないんじゃないかな。
高岡早紀さんにかつての木村佳乃さん的役割を担わせようとした
のか。末期がんという割りに元気過ぎる鴨志田はやはりその事に
関してもウソを付いていたのか。しかしウソ付きの中にも真実が
あることで、感情面だけはダマしきれないところが最後になって
一連のドラマに安堵感を与えるところだったのか。

なんだかんだ言って相棒が1シーズン20話構成になったのも久しぶりだな。
マンネリ化と言われ続けているけれど、それでも20話目を作ったのは
ドラマ界が相棒の視聴率に付いてこられないところもあるのだろうか。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、法務省キャリア官僚)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目"花の里")

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長->官房長付。警視監)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省事務次官)

鴨志田慎子 …… 高岡早紀 (法務省公安調査庁の公安調査官)
玄間寿郎 …… 国広富之 (総理大臣)
玉手平蔵 …… 小野寺昭 (副総理大臣)
菊本嘉之 …… 石橋蓮司 (農林水産大臣)
伴野甚一 …… 瀬川亮 (警視庁警察学校の訓練生)
金井塚一 …… 小柳友 (警視庁警察学校の訓練生)
枝野 …… (警察学校の射撃指導官)
山崎 …… (警察学校生徒)
田口 …… (警察学校生徒)
倉科 …… (警察学校生徒)
荒又興三 …… 坂俊一(文部科学大臣)
斉藤瑠偉子 …… 高橋里英 (捜査一課、鴨志田の身代わりの囮捜査官)
白石耕太 …… 長尾卓磨 (ネット記者・空撮)
宮永純惠 …… 菅井玲 (鴨志田の事を調べてもらう・公安職員・肉食女子)


樋口泰子、児島功一、中薗光博
鎌田有恒、中田敦夫、滝雅人、松本公成、高瀬アラタ、横山祥二
権藤昌弘、藤田昌宏、八巻博史、川名陽介、高橋里英、服部整治
平山大地、吉本想一郎、松本研也、池田宜大、長島竜也
阿邊龍之介、長濱優、比佐仁、伏見狸一、関口晃弘、真砂豪
山下悠大、平山繁更、榎本たくま、若佐大貴、柳川公輔
鈴木悠太郎、おみのじんや、江藤大成、所博昭、田原照久
宮田博一、油木博一清、桑原洋一、橋本顕、兼原良太郎
野口宰一郎、西沢智治



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