アルジャーノンに花束を
(2015年4月期・TBS・金曜21時枠)

原作 - ダニエル・キイス / 小尾芙佐訳『アルジャーノンに花束を』
脚本監修 - 野島伸司
脚本 - 池田奈津子
音楽 - 千住明
主題歌 - ベット・ミドラー「ローズ」
演出 - 吉田健、酒井聖博、松田礼人
編成・プロデューサー - 韓哲
プロデューサー - 佐藤敦司

http://www.tbs.co.jp/algernon2015/





第1話 無垢な夢、愛友情がもたらす奇跡
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咲人は目の前で黄色い風船を手から放して飛ばしてしまう人を
見ると、幼少期のことを思い出す。
咲人は何度も母・窓花から風船を買ってもらうが、その度に手
を放してしまうこと。なんで何度言っても分からないのか。
父の久人はウザとではないとして自分なりに色々と考えている
のだと語り息子を庇う。「バカな子は嫌い」。そんな母の言葉
が咲人の頭にいつまでも残っていた。

脳生理科学研究センターでは部長の蜂須賀の元、研究員たちは
ネズミで実験をしていた。ようやく研究の成果が現れそうな
姿に研究員たちも興奮する。

咲人は柳川と共に"ドリームフラワーサービス"で働き、この
日は配達に向かう。
届けた先は遥香の家だった。蜂須賀から花の届け物。
遥香は帰宅してまだシャワーを浴びたばかりだった為に、髪の
毛をぬらした状態で玄関で応対する。蜂須賀からの届けものに
喜ぶ中、配達員の咲人の行動に戸惑う。すぐに柳川がやってく
ると迷惑をかけたことに謝罪。咲人はキラキラするものが好き
だということで、玄関に置かれていた装飾品に反応していた
のである。

そんな帰り道、柳川はちょっと目を離した隙に咲人が居なく
なっていることに気が付く。辺りが騒然となっていた為に
そこに近づくと、咲人はたつの湯の煙突に昇り、頂点を引っか
かっていた黄色い風船を採ろうとしていた。
父親から昔、「風船の中には夢がいっぱい詰まっている。それ
を無くすと人間は味気ないものになる。」と言われたことを
思い出していた。咲人の夢は「おりこうになりたいこと」だった。

江戸川少年刑務所では檜山が出所する。
竹部はそんな檜山を迎えにいくと、自分が経営している
ドリームフラーサービスに連れて行く。一生懸命働いてくれれ
ばそれで良いと竹部は語る。
そんな竹部はスタッフたちが休憩している場所へと檜山を
連れて行く。
神田・鹿内、咲人、柳川、波多などの従業員がいた。
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知的障害を持つ咲人は母親からの愛情が受けられず、母が
幼い時から語る様にして、自分はおりこうになりたいと考え
ていた。そんな状況の中、脳生理科学研究センターではネズミ
を使って普段は使われていない脳神経細胞を活性化させる
技術に取り組んでいて、献体のねずみを相手に見事成功する。
今度は人を使って臨床段階に進むようスポンサー企業である
興帝人メディカル産業から圧力を掛けられる脳生理科学研究セン
ターだったが・・・

2002年に放送された同タイトルのリメイク版。
チーム・岡田惠和色から、チーム・野島伸司色に入れ替わって
再度描かれることになったドラマ。

元々問題児が集っているようなドリームフラワーサービス社。
何らかの家庭・個人の事情を抱えて誰一人として満足な人生を
送っていないという状況の中、テーマとして描かれるのは、
親からの愛情を求める子供たちの姿。

一見すると仲良くする姿が有り、逆にこんな世界の中でも利用
するもの利用されるものの構図が有って、例外なく弱肉強食の
世界や資本主義の論理が見られるところ。

しかしそんな堅苦しい世界の中でも、知的障害者である咲人が
奮闘する姿を見て、時に元気づけられたり、時に憤りを覚えたり、
時にまどろっこしさを感じたりするところが有って、色々と
感じる思いを引き出させるドラマだ。

こんな世界でこんなところだからこそ、弱いものに手を差し伸べたい
気持ちが喚起されるものが有ったり、逆に特別視することの非情さ
なんかも有って複雑だ。

ただそれぞれ秀でている部分が見え隠れしているので、そういう
ところを利用して、彼らの中に有る「特別な何か」ということを
掴んで自分らしさを見出して欲しいもの。
もっともそんな特別さを望まず普通の幸せを掴みたいと思っている
人も多そうだけど。

まだ一話の段階なのでなんとも言えないけど、障害児と野島伸司さん
絡みのネタというのは基本的に外れが少ない。

色々と出会いも有って、ちょっぴり作為的で不自然に感じる部分も
多かったけど、取りあえず可能性は感じる内容では有った。

しかし咲人がアルジャーノンの名前を知っていたという事実を以て、
遥香がもっと驚いても良さそうな気がするんだけどね。


白鳥 咲人 …… 山下智久 (ドリームフラワーサービス)
望月遥香 …… 栗山千明 (脳生理科学研究センター)
柳川隆一 …… 窪田正孝 (ドリームフラワーサービス)
檜山康介 …… 工藤阿須加 (ドリームフラワーサービス・父を殺害)
小久保一茂 …… 菊池風磨 (脳生理科学研究センター)
波多光佑 …… 斎藤嘉樹 (ドリームフラワーサービス)
河口梨央 …… 谷村美月 (東京麗徳大学・学生、お嬢様)
小出舞 …… 大政絢 (東京麗徳大学・学生、父が梨央の会社で横領)
杉野史郎 …… 河相我聞 (脳生理科学研究センター)
白鳥久人 …… いしだ壱成 (咲人の父)
白鳥窓花 …… 草刈民代 (人の母)
河口玲二 …… 中原丈雄 (興帝人メディカル産業)
竹部順一郎 …… 萩原聖人 (ドリームフラワーサービス)
蜂須賀大吾 …… 石丸幹二 (脳生理科学研究センター)
檜山涼子 …… 朝加真由美 (康介の母、新しい恋人と新生活)

松本若菜、市川大貴、澁谷晶己、仲俣雅章、高柳愛実、日栄洋祐
真実一路、大山蓮斗、永田卓也、吉野晃弘、堤隆博、本庄司

永尾まりや、阿部翔平、松原正隆、西平風香、中島愛里、崎山つばさ
滝沢涼子、真中乃亜、藤本涼、渡辺卓、横井寛典、小谷嘉一
伊津香澄



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