デート〜恋とはどんなものかしら〜
(2015年1月期・フジ・月曜21時枠)

脚本 - 古沢良太
演出 - 武内英樹、石川淳一
オープニングソング - ザ・ピーナッツ「ふりむかないで」
主題歌 - chay「あなたに恋をしてみました」
企画 - 成河広明、狩野雄太
プロデュース - 山崎淳子

http://www.fujitv.co.jp/date/index.html





第10話 こんな愛の告白、あり得ない…!?運命の恋が巻き起こす誕生日の奇跡
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21年前、小夜子は講演会で、聴衆たちにピタゴラスの言葉を
語る。「万物は数で有る」。この世界は全て数字で証明出来る
もので、一見どんな複雑で無秩序なものに見えてもそこには必ず
法則性が有り数式で表せるのだという。人生、出生、恋愛に
於ける出会いなど、数式や法則で決められるものだという。
運命を変えられるのは数というものの謎を解いたものだけで、
数字とは神への挑戦のようなものだという。

3月22日・日曜日、依子の30歳の誕生日だった。
小夜子が現れると、30歳の誕生日に結婚するという夢が破れた
わねと語る。依子はデートの約束をしている鷲尾からの電話を
待つがなかなか電話が鳴らなかった。イライラしつつ電話を
待つがこちらから電話をかける。すると鷲尾は大事な商談の
仕事が入ってしまいどうしても仕事に行かねばならないとして
謝罪される。依子も仕事の方がより現実的選択だと考える。
依子は父・俊雄に電話し、今日食事でもどうかと誘うが、
俊雄もまた道場の連中と約束があると語る。
小夜子が現れると、あなたの誕生日を誰一人として祝おうと
していないと指摘される。

バスで移動している依子。途中から巧が搭乗してくる。
巧は気まずそうにしている中、座る場所が依子の隣しかなく、
依子もそれに気が付いて座る様薦める。巧は本を買いに来たこと
を語ると、わざわざこんな遠くまで買いに来るものなのかと問わ
れる。サイン会が有ったこと、そして訪れた本屋は書籍の量が
多いのだという。貴方が一人でバスに乗るなんて意外だと言うと
今や引きこもりは返上せざるを得ないという。巧は逆に依子に
何をしているのかと問うと、レジャーだという。バスに乗ること
自体がレジャーであり、藪下家では"バスる"と表現していた。
巧は今日でしたよねと告げ、依子の誕生日に対して、おめでとう
ございますと声をかける。鷲尾は仕事だとし、365日分の1日な
ので大したことではないと語る。しかし巧はそれを否定すると、
今日はあなたにとって特別な日であり365日分の1日ではなく、
30年間で待ち望んでいた日ではないと語る。達成できなくても
ショックではないとするが、巧は君は目標を設定し達成する様
な生き方をしているので挫折感が有るのではないかと語る。
私か可愛そうなんかではないと語り、貴方と居ると感情的になる
として激高する。しかし巧は感情的になり寧ろ人間らしくなった
事を語る。もしかして鉄道も好きなのか?と問うと、切符を
購入すると切符で四則演算が出来るので好きだと語る。
切符には4つの番号が書かれていて、3・4・7・8の数字を足したり
引いたりして10になるように考えるのだという。答えはわかる
か?と問われ、この番号だと 「8*(3-7/4)」だけだと語る。
21年前にこの切符を手にして以来お守りにしているのだという。
しかし切符を持っているということは改札を出ることが出来ない
のでキセルしたのではないか?と問う。そんなことはないとしつつ
どうやって改札を出たのか依子にも覚えがなかった。
そんな会話を聞いていると、依子達の前に座っていた婦人が
とても仲が良いとしてお似合いだと声を掛けられる。
自分達には互いに恋愛している相手がいて、恋は楽しいと語ると、
婦人はそれは本当に恋なのかと問い、おままごとみたいだと
指摘される。
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いよいよ依子の30歳の誕生日。
依子はこの日までに結婚することを目標として生きてきたことも
有り運命的な日だが、その日に限って周りのものたちが忙しい
として、遭ってくれない状態だった。依子は仕方なくバスに
乗って自分自身の趣味を堪能しているとそこで巧と偶然出会う
ことになる。

依子と巧が結ばれないことには、やはり恋愛ドラマではないだろう
と思っていたけど、如何にワンパターン色を感じさせずにそれを
演出できるのかに掛かっている内容だった感じ。

依子と巧の偶然という名の必然的な結び付きが上手い事、数字では
図れないものとして描かれているし、佳織が語るように、
偶然だとしたら寧ろもっとタチが悪いとしていたようにして、
恐いほど運命の絆を感じさせる流れを作っている。

数字に拘る辺りは、海外ドラマ「ナンバーズ」っぽくて面白いもの
が有った。

サプライズ演出するであろうことは想定内だった。
しかしそれまでの間にバスの中での一時はとても興味深く、
不意に出会った婦人の言葉によって、改めて恋愛とは何かという
ことをそれぞれに考えさせる機会を与える。

恋は楽しいものだという幻想に近い思いというのは、やはり
恋愛慣れしていないところから来るのだろうけど、恋愛というよりも、
結婚とは何かということを言及していたようにも思うんだけどね。

やはり月9での仲の良い基準は「仲良くケンカ出来る関係」であり、
その辺はこれまでの恋愛ドラマを踏襲している。

ケンカスイッチが入るところや、それぞれ弁解モードに入る
タイミング性などとても息が有っていたし、デートの思い出と
称して相手のことを語る際には、実際には相手のことは何一つ
分かっていないのに、巧と依子の中では互いに熟知したところ
が有るところなど、互いに洞察力・観察眼が優れているからこそ
って感じにも思える。

リンゴをかじり合うシーンなんて、ドラマ史に残るワンシーンと
して視聴者の心に刻まれたかも知れないし、最後に花を見に行く
シーンの美しさを見るとラストを飾るのに相応しかったな。

バスに乗ることがレジャーというのが面白いね。
個人的に昔友達と何の意味もなく山手線を一周する乗り鉄して楽しん
でいたことが有るし、青春切符で旅したことも有るのだけど、
パニック症を患ってからというもの、電車は殆ど乗れなくなって
しまい、こういう楽しさを感じられなくなったのは残念。


藪下 依子 …… 杏 (29歳、東大出、国家公務員)
谷口 巧 …… 長谷川博己 (35歳、ニート、小説、アニメ、映画好き)
島田 佳織 …… 国仲涼子 (32歳、宗太郎の妹)
鷲尾 豊 …… 中島裕翔 (26歳、道場に通う)
島田 宗太郎 …… 松尾諭 (35歳、島田工務店、巧の幼なじみ)
藪下 小夜子 …… 和久井映見 (没年39歳、依子の母)
谷口 留美 …… 風吹ジュン (61歳、巧の母、美術教室)
藪下 俊雄 …… 松重豊 (59歳、依子の父)

高橋修、枝元萌

谷口努 …… 平田満 (巧の父、元教育学者)

内田愛、山崎竜太郎、石川ひとみ、羽村純子、白石加代子



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