ゴーストライター
(2015年1月期・フジ・火曜21時枠)

脚本 - 橋部敦子
音楽 - 眞鍋昭大、笹野芽実、得田真裕、末廣健一郎
演出 - 土方政人、 佐藤源太、山内大典
主題歌 - androp(unBORDE / respire)
オープニングテーマ - 三浦大知「Unlock」
音楽プロデュース - 千葉篤史
編成企画 - 増本淳
プロデュース - 小林宙

http://www.fujitv.co.jp/ghostwriter/index.html





第1話 罪への秒読み〜偽りの日々の始まり
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雨の中、リサは由樹のことを殴る。私が居ないと何も出来ない
癖に・・と由樹。あなたに何が分かるのかとしてリサは由樹
のことを掴みかかるが、リサの心には母・元子からの言葉が
響いていた。

2年数ヶ月前。
由樹は小説家志望で長野から一年間だけ東京に出てきていた。
色々と小説のコンテストに作品を応募するも何処にも引っかか
らず。フィアンセである長野で働く尾崎に、今回もダメだった
と語る。これまで大きいの2つと小さいの3つを書いて、もう
一つ小説を書いている事を告げる。そんな彼女に対して尾崎は
年明けには結婚の準備を始めようと言われる。

小説駿峰新人賞贈呈式。
色々と人気小説家や出版業者が集まる中、今年の新人賞は
品川譲だった。

その頃神崎は駿峰社の役員会議で、遠野リサ原作・書き下ろし
で映画化することを語る。これまでの彼女の作品の映画化は
興行成績30億円を突破。文庫は150万部を突破しているという。
二次利用まで合わせれば50億円の利益を出していること。

一方贈呈式にやってくるリサは今年で引退しようと思うと
編集者たちに告げる。しかし引退の意味はも選考委員のことだ
った。この5年間自分が押した作品はどれも受賞していないし
意味が無いという。そもそも授賞式には出ないとダメかと
問う。

神崎は鳥飼に対してリサのスケジュールは三年先まで抑えて
いることを語る。今リサの原作の映画化で出演を断る人は
居ないでしょうと。

新人賞を受賞した品川は弊習の真奈美たちから売り込みして
いる小説家たちを目の前にして色々と現状を説明される。
受賞者は毎年何人もいること。賞を取っても意味のないこと。
余裕で構えている小説家先生たちの姿を指してあちらの先生
は何十年も売れる作品を作り続けた人たちであちら側に行かねば
成らないことを語る。
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リサはベストセラーを連発する有名な小説家。
由樹は小説家を志望する人物で婚約者が居ながらも、一年間だけ
貯金を切り崩して東京に出てくる。その間に芽が出なければ田舎
に戻って尾崎と結婚することになっていた。色々とコンテスト
に作品を送るが箸にも棒にもかからず、駿峰社に原稿の持ち込み
を行う。
その頃リサのアシスタントが不足し、スタッフを探していた
小田は由樹と接触し原稿を渡される。そんな彼からアシスタント
をしないかと言われるが、由樹としてはプロから直接才能がない
ことを聞いて小説家への夢を諦めようとしているところだった。

橋部敦子さんが脚本をいるから見ようと思っていたドラマ。

脚本家が脚本家のことに言及する辺りの心理的描写は興味深い
ものが有るし、ゴーストライターと言えば、先日の盲目の作曲家
の件でも話題になったし、気が付くと意外と多くのところで影武者
の存在は取り上げられているものが有るような気がする。
クエンティン・タランティーノ監督がかつてからアイディアを
使い果たしたら監督業から引退するようなことを口にしていたこと
が有るし、無限にアイディアが生み出される人というのはどんな
分野であれ凄い。そういう意味では秋本康さんって凄い人だよな。

リサの中でも親子関係が根底にはあり、トラウマに近いものを
抱えている感じ。その経験が彼女に才能として支えているのか。
逆に母親が認知症によって失っていくことで彼女の中での才能も
しぼんでしまうのか。この母の存在というのが彼女にとって
どんな影響力を持っているのか分からない部分があるんだよね。

小説家の世界でも、生み出す人と売り出す人の間で色々と考え方の
違いなどが現れているけど、ゲスな感じに見えるのはどうしても
小説を金儲けの道具として利用しようとしていること。これぞ
資本主義社会の構図では有るのだろうけど、金の切れ目や才能の
切れ目が縁の切れ目となる世界というのは実に切ないものが有るし、
リサ自身が体の良い事を語ってはいるけど、息子との関係には
とても母親としては良い人物ではないことが描かれている。

既に冒頭で小説家とゴーストがケンカし合う流れが有るので、
ある程度のところまでは想定出来るものが有るけど、リサが一歩
間違えば足を踏み外すという状況の中、自分の良心に従い
どこまで行動を取っていけるのか。一度踏み間違うと坂道を転げ落ちて
いく危うい状況だよな。

橋部敦子さんのこういうサスペンチックな脚本って珍しいね。
映像の表現も悪くなかったけど、どうしても最近、菜々緒さんが
出ると、殺伐とするドラマになるようで、思っていた感じよりも
やや期待外れという感じはしているけど、まだ初回なので今後
に期待する。


遠野 理紗(リサ) …… 中谷美紀 (30代にして天才小説家)
川原 由樹 …… 水川あさみ (小説家志望)
小田 楓人 …… 三浦翔平 (大手出版社・駿峰社・編集)
塚田 真奈美 …… 菜々緒 (駿峰社・編集)
岡野 慎也 …… 羽場裕一 (編集長)
坪田 智行 …… 水橋研二 (大手出版社・駿峰社・副編集長)
尾崎 浩康 …… 小柳友 (由樹のフィアンセ、横田リース長野営業所社員)
石井 友里子 …… 未来 (由樹と浩康の共通の友人)
遠野 大樹 …… 高杉真宙 (リサの息子)
田浦 美鈴 …… キムラ緑子 (秘書)
遠野 元子 …… 江波杏子 (理紗の母・老人ホーム)
鳥飼 正義 …… 石橋凌 (駿峰社本社・常務)
神崎 雄司 …… 田中哲司 (駿峰社本社・敏腕編集長)

花屋敷寛 …… 花王おさむ (大物作家)
品川 譲 …… 坂口辰平 (小説駿峰新人賞を受賞)

内倉憲一、川口圭子、森下まひろ、千野裕子
芝井美香、倉根哲幸、三田友梨佳(アナ)



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