無痛 〜診える眼〜
(2015年10月期・フジ・水曜22時枠)

原作 - 久坂部羊 『無痛』
脚本 - 大久保ともみ
音楽 - 塩谷哲
演出 - 佐藤祐市、木下高男、山内大典
主題歌 - Superfly「黒い雫」
挿入歌 - ミソッカス「闇夜のキャラバン」
編成企画 - 清水一幸
プロデューサー - 貸川聡子
アソシエイトプロデューサー - 稲田秀樹





第5話 金髪の少女が抱える殺人の記憶
--------------------------------------------------------
7ヶ月前、早瀬は中区の石川家一家殺人事件の現場に来ていた。
現場には凶器と思われるトンカチと帽子、そして靴跡が残って
いた。太田によると被害者の子供の舞(5歳)、息子の公平(3歳)
だという。早瀬はこれが人間のやることなのかと告げる。
捜査本部で早瀬の上司の涌井は、ホシは躊躇なく正確にトンカチ
一つで頭に致命傷を与えていること。理性的判断や感情を欠く
人間である可能性が高いとするプロファイルを語る。人格障害
かどうかは逮捕してから判断すれば良いとして被疑者逮捕を
第一に考えろと語る。靴はプラットリズム社から大量生産されて
いるスニーカーで27cm。テーブルの上のプリンの容器には被害者
家族以外の指紋はないがホシが犯行前後に冷蔵庫から出して
食べていること。
科捜研の稲葉朋美によると、帽子のサイズは54cmで、中学生の
男児か小柄の女性だろうとし、毛髪が採取され、金髪の女性
のものだったという。涌井は早瀬に対して「今回のヤマは刑法
39条絡み」の可能性が高いので問題を起こすなと注意される。
"運良く"この管轄で起きたものだという上司に対して、なぜ
この状況を見てそんな言葉を言えるのかと激怒する早瀬。

和枝は英介の診療所で働く中、次の患者を入れると語る。
佐田という人物で頭が割れるように痛いと訴える。
英介は彼の容体を見ると、特に脳や血管に異常はなく偏頭痛
の症状もなさそうだという。佐田は話題を変えるようにして
先生は白神の病院に居なかったかと尋ねると、知り合いが勤めて
いるのだという。佐田は高島菜見子とは婚約者なのだとすると
彼女からそんな結婚する雰囲気は無かったとするが、和枝と
共に結婚に対して祝福する。立ち去る佐田に対して仕事は車
関係なのかと問うと足の静脈が悪いとし、車で寝ているような
状況が見られるという。エコノミー症候群になることもある
ので気をつけるよう告げる。

白神は菜見子に対してサトミの絵を警察に見られた事を語る。
彼女は大丈夫なのかと問うと発作以来メールに返信もしてくれ
ないという。無理はしないでくれという白神。
早瀬は病院に来て、絵を描いているような女性が居ないか探して
回る。患者などにもそういう人物を見ていないを聞いて回る。
一方英介は外科部長の佐伯と内科部長の遠山のことを紹介され、
白神に引き合わされる。院長の代わりに外来患者を診てもらう
という。二人は院長の能力があってこそで、彼で大丈夫なのか
と不安視する中、英介は遠山の持病を全て言い当てるのだった。
--------------------------------------------------------

英介が見えるという犯因症に対して、本当にその能力だけを
過信して、捜査しても良いのかどうかということを示す流れ
があると共に、この病院で抱えている二人の問題有る患者に
ついて触れる物語だった。

いよいよ早瀬が被害者家族と患者のサトミの関係性を見いだした
こともあり、捜査の過程は面白く出来ていた。殺された石川は
なんと曽我第二小学の教師でサトミの担任だったこと。
現場で食されていたプリンの流れがストーカー化している
佐田と菜見子の関係に精通していて、英介の能が鋭いことを
示しつつも、一方で謎の病気である犯因症に関して、その兆候が
見えない人物は本当に殺しを行わないのかどうかということが
問題視されたこと。犯因症が見えた早瀬が殺しを行うかどうか
の問題を含めて、今後はこの件で迷走していきそうな予感を
させる。

またインパクトからすると、サトミとイバラが現場に居たこと
を思わせる流れが有るけど、どう関係していくのか。
この辺は状況はTBSさんが放送していた「Nのために」の現場の
状況の如く、どう関わっているのか想像するのは楽しそうだ。

サトミの根本的状況が分かったことで彼女が英介に心を開く
可能性は高く、また急速に捜査が進展していきそう。
それと同時にまたしても菜見子のカウンセラーとしての能力にも
疑問を持つような状況として描かれている。

菜見子を狙うストーカーの佐田の流れも興味深く出来ていた
し、あれだけきっぱり否定されても近づいていくところは凄い。
気になるのは秘書の女性の毎度の鋭い視線なのかな。
この人が何を考えているのか。


為頼 英介 …… 西島秀俊 (43歳、天才医師、「犯因症」が見える)
早瀬 順一郎 …… 伊藤淳史 (32歳、刑事)
高島 菜見子 …… 石橋杏奈 (26歳、臨床心理士)
白神 陽児 …… 伊藤英明 (39歳、為頼と同じ能力を持つ医師)
イバラ …… 中村蒼 (25歳、白神メディカルセンターの清掃員)
南 サトミ …… 浜辺美波 (重度の鬱と強迫神経症)
井上 和枝 …… 浅田美代子 (為頼診療所の看護師、英介の義姉)
久留米 実 …… 津嘉山正種 (英介の恩師、現在は患者)
横井清美 …… 宮本真希 (白神メディカルセンター・秘書)
仁川康男 …… 兵藤大樹 (港中央署・課長)
太田武司 …… 馬場徹 (港中央署・早瀬の相棒)
橋本広子 …… 和泉佑三子 (白神メディカルセンター・看護師長)

佐田要造 …… 加藤虎之介 (菜見子を監視する男)
涌井 …… 戸田昌宏 (捜査一課)
稲葉朋美 …… 渡辺舞 (科捜研)

加藤忠可、福井晋、田上晃吉、平家秀樹
安藤健吾、枝木彩香、重城希美、逢澤みちる、石井晏璃
半田浩平、大藤由佳、兵頭莉音、齋藤絢永



inserted by FC2 system