無痛 〜診える眼〜
(2015年10月期・フジ・水曜22時枠)

原作 - 久坂部羊 『無痛』
脚本 - 大久保ともみ
音楽 - 塩谷哲
演出 - 佐藤祐市、木下高男、山内大典
主題歌 - Superfly「黒い雫」
挿入歌 - ミソッカス「闇夜のキャラバン」
編成企画 - 清水一幸
プロデューサー - 貸川聡子
アソシエイトプロデューサー - 稲田秀樹





第7話 犯人の死…新たなる殺人の理由
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イバラは菜見子を苦しめた佐田を捕まえて手術をする。
菜見子のロッカーに人の手が入っていた。
英介と和枝は久留米の元にいく。久留米は鎮痛剤の使用を拒んで
いたが、副作用のない鎮痛剤があるならば使用するかどうかを
尋ねる。現在無痛治療の研究に携われることになったと報告
する英介。しかし久留米は「痛みは私、私が痛みだ」と語る。

腕が見つかったことで警察が捜査に入る。
秘書の横井は立ち会う中、早瀬は菜見子から話を聞く。
彼女は多分あの男のものだと思うとすると、早見はストーカー
の佐田のものなのかと問う。指紋を照合した結果一致する。
被疑者は死亡しているのか。片腕が見つかっただけでは断定は
出来ないが、石川一家殺人の重要参考人であり逃走中の殺された
とするとホシは事件に関連しているハズだという。

サトミはその頃病室で暴れていた。

新薬の資料を見ていた英介。これで大勢の患者が救われるという
和枝。

秘書・横井は白神に対して全力で事態収拾を図っているとし、
この際に当院にはふさわしくない職員を整理すべきではないか
という。全ては菜見子が招いたことだという横井。
白神はそんな横井に対して岡部先生との会食中に誰の電話を
受けていたのかと問うと、佐田と連絡を取り合っていたことを
告白する。菜見子の居場所を教えたのは私だとし、彼女やサトミ
が病院には不利益だと思ったからだという。それで襲わせた
というのかと激怒する白神に、あんなことになるとは思ってい
なかったと語る。
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菜見子のロッカーから人の腕が見つかったことで、彼女を
ストーカーの佐田の死が確定しただけでなく、石川一家殺人の
重要参考人の一人を失ったことで捜査官としては困惑する。
そんな状況の中、英介の恩師で無痛治療を拒否していた久留米
はその状態のまま亡くなってしまう。「痛みは私、私が痛みだ」
という言葉を残していった恩師の言葉。
一方捜査本部では、早瀬が違法な手段で検査していた現場の
帽子の髪の毛と14歳の精神障害を患うサトミのDNAが一致して
いることを捜査本部で話すのだった。

病気が見えるという医師たちの中にも見えないものが有ったり、
見えても治せない事実が有ったりと、下手に見える分だけ
苦悩を抱えてしまうという状況として描かれた。

色々と犯因症にまつわる過去の出来事や、無痛治療を求める
人の気持ちなど、これまでに描かれなかった過去のことが
明らかにされた。
驚くべきことは、英介の亡くなった妻・倫子の中に死の直前に
なって犯因症が見えたという事実。そんな事実を以て、初めて
英介としても、痛みと犯因症の関係を調べたい理由付けとして
描かれていてし、痛みの有無が人を殺す為の要因となるのか
どうかを調べたがっている。早瀬に見えた犯因症も、本来の
殺意から来るものではなく、別の強い意識がそうさせている
のではないかとする辺りの問題として依然として解決していない
ところも興味深いところ。

痛みを感じるというのは生きて居ること。
そう主張したいのか恩師は最期の一言を残して逝ってしまった。
ただ痛みは確かに人の本来の性格をねじ曲げてその痛みを紛ら
わす為に、怒りの感情みたいなものを発生させて周りを不快
にさせることはあるからね。しかし痛みと無痛の間のバランスは
前回イバラがオーバードラッグをしたことによって崩れていたし、
薬で人をコントロールすることの怖さを感じるところだった。
(この場合コントロール出来ずに記憶を失ったみたいだが・・)

白神がこれだけの事態が起きても冷静でいるところがある意味
凄い。

しかし最期まで自分自身のことを把握する為とはいえ、痛みに
耐える必要性を過剰に捉えるというのも問題。
この久留米の存在感はとても微妙に写るのは、本当に痛みの
辛さを経験していないからではないかと思ってしまう。
精神的に痛みに関して無痛にすることには問題があるにしても、
骨転移したガンの痛みとか物理的痛みを排除する流れを以て
人間らしさとするのであれば、それはちょっぴり行き過ぎた
もののように思う。

イバラくんが殺したのは明らかだけど、サトミがどのように
関係しているのか。当初あの一家殺害事件を経験して自ら
口を塞ぐために喉を潰してしまったのではないかと思ったのだ
けど、過去の虐待の中で起きたことのようだし、その辺は
よく分からないな。


為頼英介 …… 西島秀俊 (43歳、天才医師、「犯因症」が見える)
早瀬順一郎 …… 伊藤淳史 (32歳、刑事)
高島菜見子 …… 石橋杏奈 (26歳、臨床心理士)
白神陽児 …… 伊藤英明 (39歳、為頼と同じ能力を持つ医師)
伊原忠輝(イバラ) …… 中村蒼 (25歳、白神メディカルセンターの
清掃員)
南サトミ …… 浜辺美波 (重度の鬱と強迫神経症)
井上和枝 …… 浅田美代子 (為頼診療所の看護師、英介の義姉)
久留米実 …… 津嘉山正種 (英介の恩師、現在は患者)
横井清美 …… 宮本真希 (白神メディカルセンター・秘書)
仁川康男 …… 兵藤大樹 (港中央署・課長)
太田武司 …… 馬場徹 (港中央署・早瀬の相棒)
橋本広子 …… 和泉佑三子 (白神メディカルセンター・看護師長)

佐田要造 …… 加藤虎之介 (菜見子を監視する男)
涌井 …… 戸田昌宏 (捜査一課)
稲葉朋美 …… 渡辺舞 (科捜研)
為頼倫子 …… 相築あきこ (英介の妻。和枝の妹)
石川昭次 …… (37歳、曽我第二小学の教師、サトミの元担任)
石川彩子 …… (33歳、妻)
石川舞 …… (娘)
久留米大 …… 須田瑛斗 (孫)
久留米真理子 …… 高橋美津子 (実の義娘)


田上晃吉、平家秀樹、犬飼若博、中田裕一、逢澤みちる
重城希美、池田和樹、萩原宏樹、岩美宏典、鈴木りんだ



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