掟上今日子の備忘録
(2015年10月期・フジ・水曜22時枠)

原作 - 西尾維新「忘却探偵シリーズ」『掟上今日子の備忘録』『掟
上今日子の推薦文』『掟上今日子の挑戦状』
脚本 - 野木亜紀子
音楽 - 笹野芽実、末廣健一郎
演出 - 佐藤東弥、茂山佳則、小室直子
主題歌 - 西野カナ「No.1」
オープニングテーマ - Goodbye holiday「溢れるもの」
チーフプロデューサー - 松岡至
プロデューサー - 松本京子、森雅弘





第7話 私を寝かせないで!忘却探偵が秘密の同棲天国と地獄の5日間
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サンドグラスの上に今日子は住んでいた。
大きなリュックを持った厄介は、みんなの目を欺いて今日子の
部屋に入っていく。

先日、作創社の重信から呼び出されて、須永フェスタで発見し
た須永昼兵衛の遺稿の件で、その朝先生はホテルのベッドで
亡くなったが、今日子の活躍でその原稿データを手に入れたハズ
だった。昼兵衛は心不全だとされているが、自殺の可能性も
出てきたのだという。情話雨していた睡眠薬を多く服用して
いたというのである。これは小中社長直々の調査依頼の案件で、
最後の作品に須永が自殺ではないことを証明して欲しいという
ものだった。

その件を今日子に話すと須永が自殺するような人物ではない
と語る。彼の作品には自殺するような人は決して出てこない
というのである。ただし自分の記憶が無くなることに至る
前の作品だけは確認しているが、その後作品は分からないと
いう。全著作の手配をしたら、45年の作家人生で99冊の小説
を書いていること。100冊目が遺稿となったものだった。年代順
に心の変遷を知る必要が有るので1冊目から読みたい事を語り、
徹夜で読むことを語る。厄介は遺稿が出版されたら僕が買って
書棚に飾るということを今日子と約束したのだという。
するとそんな今日子からは私が寝ないように見張りをしていて
欲しいとして、これは私からの依頼だと語り給料も払うという。
厄介は快諾する中、名実共にワトソンになったと語る。
小中社長によると遺作は凡作だったという。
今日子は速読できる為に30分で長編を1冊読むことが出来た。
全99冊、2970分=49.5時間。2日の徹夜で全てを読める計算だ
った。今日子を見て居るだけで時給が発生するなんて夢の
仕事だと厄介は感じるが・・・
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今回は今日子の記憶が一日(眠らなければ何日でもok)だけだと
いうことを利用して、事件捜査に於ける厄介とのやりとりを
行ったもの。

流石に100冊読むのは無理がありすぎて、現実離れしすぎていた
シナリオだった。この辺は人間の不眠の限界に挑戦したような
感じで、おいしいバイトだと思っていたものが実際には過酷だ
ったという流れを持って教訓にした感じがある。

ただドラマとして面白いのは、厄介くんというのは視聴者が
感じている新垣結衣さんへの妄想を全て代弁・代行してくれて
いる感じのもので、厄介の行動などに見る彼女への視線を見る
とすっと入れてしまうところが有るな。

100冊の本は流石に強引すぎるのでその努力した時間は無意味
だろうと思っていたし、寧ろ一連の行動を通して、どのように
記憶を繋いでいくのかなと思って見て居た。

冒頭から厄介へのうらやましさ・嫉妬心が生まれつつ、まるで
この数日間の出来事は、結婚生活の一生を凝縮したような
時間として描かれ、そんな二人の擬似的同棲生活を投影として
今回は人生をかけて一人の女性の一生を想像して描いた小説家
の話とリンクさせたところにシナリオのうまさを感じるところ
だった。

ようやく厄介が信用出来る人物だとしていたところも良かった。
裸の新垣さんを見られる羨ましい(笑)でも倒れている訳だし
実際にはそんなことも忘れてあたふたしそう。相変わらず数多く
のバイトの経験が役に立ったのも上手く出来ていたかな。


掟上今日子 …… 新垣結衣 (置手紙探偵事務所・一日で記憶が飛ぶ)
隠舘厄介 …… 岡田将生 (皆原製作所・契約)
也川塗 …… 有岡大貴 (探偵)
幕間まくる …… 内田理央 (探偵)
絆井法郎 …… 及川光博 (サンドグラス・マスター)

重信 …… 神保悟志 (作創社・編集者)
須永昼兵衛 …… 原岡見伍 (ミステリー作家)
小中社長 …… 八木岱士 (作創社・社長)
桑田朝美 …… 内山侑香 (昼兵衛が愛した女性・17歳で亡くなる)



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