オトナ女子
(2015年10月期・フジ・木曜22時枠)

脚本 - 尾崎将也
演出 - 関野宗紀、田中亮
プロデューサー - 中野利幸
主題歌 - 中島美嘉「花束」
挿入歌 - Crystal Kay「何度でも」

http://www.fujitv.co.jp/otona_joshi/index.html





第1話 幸せを掴みたい!!私は女子を諦めない
--------------------------------------------------------
中原亜紀は猫・ちくわと年下で売れないミュージシャンの彼氏
の伸治と暮らしていた。亜紀にとって伸治の存在は心の支えと
なり、伸治にとっては亜紀は生活の支えとなっていた。今日も
愛しているとして寝ていた伸治は亜紀を会社に送り出す。

亜紀は電車に乗るとやたらとくしゃみする高山文夫と乗り合わ
せる。文夫が持つ資料が亜紀のお尻にぶつかった為に彼女は
痴漢だと勘違いするが、文夫もそれに気がついて、携帯電話で
痴漢被害者の割合表を見せる。40代の女性が痴漢に遭うのは
女性の中でも2%。40代女性には誰も痴漢しないというのかと
問うとただの資料だという。そんな中電車が揺れると今度は
亜紀が文夫の胸に顔を埋めてしまい、彼のシャツに口紅をベッタ
りとくっつけてしまう。彼女はクリーニング代を出すというが
それを断る文夫。

亜紀は会社に到着するまでに、友人の萠子とみどりに対して
女子会は8時からやるのでとLINEでメッセージを残す。

会社に到着した亜紀は部下から色々と仕事の進捗状況やプレゼ
ンの為の会議について指導する。
恋愛アプリ開発部に所属している亜紀は、部下の美和、沙織、
圭子、玲奈、玲子、亮介などと共に現在開発中のアラフォー
向けの恋愛ゲームについて話し合う。亜紀はアラフォーでも
胸キュンするようなシナリオとキャラクターが必要だとして
部下たちに手直しさせる。
そんな中、社長の純一がやってくる。先ほど取材陣からウチの
社員は美女ばかりだとして驚かれた事を告げ、俺が採用している
のだから当然だと語る。亜紀はセクハラだとするが・・
純一は亜紀に対して絶対にこの企画を当てるよう告げ、
プレゼンは14時だと語る。時間がないという部下に、時間は
作るものだという亜紀。

トイレの個室でひと休憩している亜紀。女子社員たちが、
亜紀のことを愚痴り出し、罰の悪い思いをする。あの年になっ
て仕事だけって厳しいでしょうと。女子社員たちは外資系と
合コンするとして盛り上がる。

その頃、文夫は日本中央出版社に企画を持ち込むが、残念なが
に採用されなかった。
行きつけの茶店に行く文夫はマスターの賢三に対して、書いた
シナリオ・企画を処分してくれと頼むが、彼は捨てる振りして
机の中に取っておく。かなりの量の没になったシナリオが引き
出しには入っていた。文夫はまたパソコンに向かってシナリオ
を描くのだった。
--------------------------------------------------------

アラフォー世代の中にある3人の主人公のそれぞれの生き方を
描いたもの。
既視感有りまくりだけど、今のフジの月9に比べて、木10の方
が見やすく共感しやすく感じるのは、自分も年齢的に
この枠の方が月9主人公よりも近いからだろうけど、ワンパタ
ーンに感じるドラマの中にも、アラフォーが好みそうな皮肉
とかネタが多く詰まっているし、見ていて安心感があるのは
確かかな。

セクハラだパワハラだと言われる世の中で、年上から年下に
対するハラスメントが目立つ世の中だけど、年下から年上
に対するハラスメントって実は昔から多い気がする。お局だ
なんだと言われるけれど、ここまで社内で愚痴られると年上と
して立場がないし、社会も会社もピラミッド構造として成り立
っているのだけど、当然下で働く人の方が数が多く、決定権は
上の物が持っていても、下のものたちの数の力は侮れないもの
が有り、理想的な上司だと言われながらも、世の中の女性が
求めるものが一体何処にあるのかということを仕事以上に恋や
恋愛に求めているところがありそうだ。

ドラマで説得力がないのは私生活ではみんな幸せの立場にある
俳優陣たちで構成されている点か。誰一人として不幸せそうな
人が本当に居ない。

30代をターゲットにした「昼顔」が言動や流行が言葉ばかりで
ドラマとして相当つまらなかった。このドラマよりもやや
ターゲット層が高いと思われる「最後から二番目の恋」なんか
の方がある意味では人生を達観して語っていることも有って、
見ていて楽しかったのだけど、このドラマではそんな二つの
中間に位置している感じ。

脚本家の男性は昔は人気の有るドラマを作っていたけど、商業
主義的ドラマを作ることに飽きてしまっているのか、それとも
売れなくなったのでそれを否定するで自らのプライドを保って
いるのか分からないけど、ある意味では互いに正論を打ち出す
ところは面白いし、脚本家ならではの視点で色々と物事を語って
いる辺りも楽しい。

年上の女性と年下の男性の関係のブームだと言われる今日だけ
ど、同時に二人の年齢差のある女性が現れた時には、男性は
どちらを取るのか興味深い。
斎藤工さん演じる山岡伸治がまたクズの典型で、最近の俳優の
斎藤さんを見る視線は正直期待もしていないし、まぁこんな感じ
の役割だろうと思っていたけど、どの人物も多かれ少なかれ親を
喜ばせたいとする気持ちがあるというところだけは、好感は
持てる。まぁ山岡には不幸に落ちてくれって感じしかないけどね。

女性が不倫相手の男のところから走っていくシーンは
ビリー・ワイルダー監督の「アパートの鍵貸します」のパクリ
だとか、「世界には星の数ほど店があるのに彼女は俺の居る
店にやってきた」とする映画「カサブランカ」のボギーの台詞
を引用するところなど、アメリカンドラマっぽくて、こういう
引用の仕方をする脚本家って相当信念が高かったり、拘りを
持っている人が多いんだよな。

「男は裏切るが仕事は裏切らない」というけど、裏切らないのは
金で有って仕事なんて幾らでも裏切る要素は満載だ。

「幸せになる為に私は頑張ったのに、もっと頑張らないと幸せ
になれないのか」とする主人公のがんばりは分かるけど、その
がんばり方が多少ずれてしまっている感じは受けるけどね。


中原亜紀 …… 篠原涼子 (40歳、恋愛アプリ開発部署)
高山文夫 …… 江口洋介 (脚本家、10年以上前に恋愛ドラマヒット)
大崎萠子 …… 吉瀬美智子 (フラワーショップオーナー)
坂田みどり …… 鈴木砂羽 (バツイチ、3人の息子、弁当屋パート)
栗田純一 …… 谷原章介 (亜紀の会社の社長)
工藤美和 …… 市川美和子 (亜紀の部下)
立花沙織 …… 平山あや (亜紀の部下)
前川亮介 …… 吉沢亮 (亜紀の部下)
柳田玲子 …… 東加奈子 (亜紀の部下)
川上圭子 …… 藤村聖子 (亜紀の部下)
遠藤玲奈 …… 堀口ひかる (亜紀の部下)
坂田昴 …… 平埜生成 (みどりの息子)
坂田碧 …… 矢部昌暉 (みどりの息子)
坂田陵 …… 浦上晟周 (みどりの息子・三男)
霜田賢三 …… 池田成志 (文夫が通うバー、茶店のオーナー)

山岡伸治 …… 斎藤工 (売れないミュージシャン、裏切り)

藤綾乃、朝比奈寛、東松史子、小林史哉、今村雪乃
一双麻希、江口亜衣子、黒木晴香、片岡春香、土岐麻梨子
河内愛稀、内田めぐみ、白石有馬、坂井友秋



inserted by FC2 system